ケアマネを辞めるのはもったいない?数ある選択肢から選ぶ看護師の職場とは

2023.9.22

「ケアマネージャーを続けるべき?」居宅介護支援事業所に勤務する看護師、Oさんの場合

ケアマネージャーとして、介護や看護が必要な方のサポートを行っているOさん。居宅介護支援事業所に勤務して1年が経ち、「現場での看護ケアが好きだった」と思うようになりました。Oさんは、ケアマネージャーの資格を活かして働くべきか、看護師として現場で働くべきか悩んで、ご相談くださいました。今の職場に不満を感じているわけではないため、すぐに転職を決めなくても良いと感じたアドバイザー。Oさんにとって最善の選択ができるように、看護師としての可能性を一緒に考えました。

ケアマネージャーの仕事を続けるべき?

医療の現場では、それぞれの仕事に役割があり、連携し合うことで成り立っています。
複数の仕事を経験することで、自分はどのような役割が向いているのか、分かることもあるでしょう。

この記事でご紹介するOさんは、看護師資格を取得後、特別支援学校に勤務。その後、介護福祉での看護ケアに興味をもち、内科クリニックで4年間の看護師の実務経験を積みました。そして、訪問看護で4年、デイケアで5年働いたのです。

もっと介護福祉に貢献したいと思ったOさんは、デイケアに勤務しながら、ケアマネージャーの資格を取得。その後、居宅介護支援事業所でケアマネージャーとして働くようになりました。

ケアマネージャーとは、介護保険サービスを利用してご自宅で生活する方のサポートを行う仕事です。
ケアマネージャーは、利用者さんに適切な介護・看護ケアを提供するために、ケアプランという計画書を作成。訪問介護事業所や訪問看護事業所などを利用者さんに紹介することで、必要なサービスを利用できる環境を整えるのも、ケアマネージャーの仕事です。

看護師からケアマネージャーになるには、5年以上の実務経験と、「介護支援専門員実務研修試験」への合格が必要。厚生労働省の「第25回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」によると、近年の合格率は20%前後となっています。
ケアマネージャーとして働くためには、「介護支援専門員実務研修」の受講も必要です。

頑張ってケアマネージャーの資格を取ったOさんは、この1年間、多くの利用者さんのケアプランを作成してきました。しかし、ケアマネージャーとして働くうちに、「現場での看護ケアが好きだった」という思いが、日に日に募ってきたそうです。

「せっかく資格を取ったのに」と周りに言われるので、このまま資格を活かしてケアマネージャーとして働くべきか、心惹かれる現場の仕事に戻るべきか悩んで、今回ご相談くださったのでした。

出典
厚生労働省「介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況等」(2023年9月21日)

看護師としての可能性を一緒に考える

Oさんは、「転職するか、今の仕事を続けるか」と悩んでいました。そのため、「転職先を探すという意識ではなく、看護師としての可能性を一緒に考えてみましょう」とお伝えしました。

今の仕事に不満を感じていないのなら、焦って、「転職する/しない」を決める必要はありません。辞めることはいつだってできるのです。

その後、Oさんには、たまに連絡をして、様子を伺っていました。、転職の話を進めるのではなく、Oさんが興味のある情報をお伝えする程度に留めていたのです。

Oさんは子どもが好きで、保育士にもなりたかったそうなので、保育園看護師の求人にどのようなものがあるのかをお伝えしました。

そういう選択もできると考えただけで、毎日が楽しくなってきたというOさん。

ある日、Oさんから、「デイケアは楽しく、生きがいをみつけられる場所だったな」という話が出てきました。やはりずっと、現場に心惹かれ続けているようです。

そこで私は、あるデイケアの見学をおすすめしてみました。現場に触れることで、自分の気持ちが分かるかもしれないとと思ったからです。

見学に行ったデイケアには、たまたま、Oさんの恩師である看護師の方が勤めていらっしゃいました。

久しぶりの再会に、現場での日々を思い出したOさんは、とてもイキイキとしていらっしゃいました。

経験を活かしてデイケアで働く

「やっぱり、現場に戻りたいです!」

意思がはっきりとしたOさんは、そのデイケアへ転職しました。

そして現在、Oさんは、精神科デイケアに勤務されています。Oさんは、ケアマネージャーを経験したことで、本当にやりたい仕事に気づき、よりやりがいを感じて働いているそうです。

また、以前よりも知識が身につき、視野を広げられたとのこと。そのため、利用者さんのご家族や、一緒に働くスタッフに、多くの知識や情報を伝えることができているとおっしゃっていました。

立ち位置によって、見える景色や感じることは変わります。

どの役割が良いということではなく、自分が一番活躍できる場所があるのです。

転職は、自分の得意分野を知るきっかけの一つです。焦らずに、まずは"自分の意思を見極める"ところから、始めていただければと思います。

誰かに聞いて欲しい悩みはありませんか

お悩み解決のポイント

ここでは、「ケアマネージャーを辞めて転職するかどうか迷っている」というお悩みを解決した方法をまとめました。「今の職場に不満はないけど、ほかにやりたい仕事がある」という方は参考にしてください。

まずは情報を集める

「転職をするかどうか迷っている」という場合は、急いで転職を決めるのではなく、まずは情報を集めましょう。看護師の職場は、病院のみではなく、介護施設や保育園などさまざまです。いろいろな種類の求人を確認して、どのような働き方をしたいのか考えてみましょう。

自分の興味や関心を大切にする

転職やキャリアの選択は人生の重要な決断なので、周囲の期待や社会的な評価よりも、自分の気持ちを優先させた方が後悔は少ないでしょう。興味のある分野や貢献したい社会課題など、本当にやりたいことについて考える時間をもつことをおすすめします。
Oさんのように未経験の分野にも挑戦することで、自分が本当にやりたかったことに気づくかもしれません。

職場見学をしてみる

興味のある職場は、実際に見学して仕事内容や雰囲気を確認することをおすすめします。見学してみると、「この仕事がしたい」「想像と違って大変そう」など、自分に向いているかどうかが分かるでしょう。転職後にギャップを感じないためにも、職場見学をしておくことは大切です。

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