定年退職後も消えない看護への思い…転職して改めて実感したきっかけ

2023.12.26

病院の病室のイメージ

「定年退職後も変わらず働きたい!」脳神経外科と精神科の経験豊富なEさん(65歳)の場合

看護師歴45年、ノンストップで働き続けてきたベテラン看護師のEさん。ご自身が働ける限界まで医療・看護業界に貢献したいと考えていましたが、定年退職を迎えて燃え尽き症候群に陥ってしまいました。それでも働きたいとおっしゃるEさんには希望条件が特になく、前職の経験も活かせるデイサービスを紹介。転職して問題なく業務に取り組んでいるものの、Eさん自身どこか元気がないご様子。気になったアドバイザーは定期的に連絡し、Eさんの気持ちに引っかかっているものがあるのでは、と本心をうかがってみました。

定年退職後も看護師として働きたい

今回ご紹介するEさんは、65歳で看護師歴45年。ノンストップで働き続けてきた超ベテラン看護師さんです。

自分が働ける限界まで医療業界に自分の知識を還元したいと考えていたようですが、定年退職をむかえ、燃え尽き症候群になってしまったそうです。

それでも身体は健康で、自身に染み付いた夜勤サイクルが消えず、3時間ごとに必ず目が覚めてしまうEさん。「このまま家にいるより働こうか思って」とご登録くださったのでした。

Eさんはベテラン看護師さんですが、特に勤務条件は希望されていませんでした。しかし、年齢と今まで得ていた高い給与額が影響し、難色を示す病院が多いとのこと。

そこで、脳神経外科と精神科の経験が豊富で認知症の看護も多く看てきたEさんに、デイサービスのお仕事を提案してみました。

Eさんは二つ返事で面接へ進み、デイサービス側もEさんを気に入り、入職はとんとん拍子で決まりました。

それから数ヶ月後。入職後もなんとなくEさんのことが気になっていました。

転職したものの、元気がないEさんへ定期的に連絡

Eさんは問題なく勤務しているとおっしゃるし、事業所側も「Eさんはなくてはならない存在」とまで言ってくれているのですが、たまにご本人にお電話すると言葉や声のトーンから、Eさんが燃え尽き症候群から抜け出せていないのではと感じたのです。

しかし、私たちの仕事は転職の紹介をすること。気になっていたとしても、転職がうまくいっている限りそれ以上できることはありません。

それからさらに2ヵ月後、Eさんの方からお電話をくださったのです。

Eさんは、デイサービスの仕事にも戸惑うこともなく、今までの経験の中で淡々とこなしていたそうです。

けれど、45年間の看護生活で感じていた情熱はどうしても沸いてこなかったEさん。「やはり病棟看護をするべきだったのかも」と何度も思ったそうです。

そんなある日、Eさんはいつもと同じように起きる時間だから起き、食べなきゃいけないからご飯を食べ、出勤時間だから出かけるという、ぼんやりとした朝を過ごしていました。

施設で利用者が次々に来るのを迎えているとき、初めてデイサービスに来た認知症の方が、Eさんの前でぴたっと止まり、きらきらとした目でEさんの目をじっと覗き込みその場から離れなくなりました。

Eさんはその方の澄んだ目でじっと見つめられ、とても緊張したそうです。

それから、その方は「おはよう」と言って、ニッコリと笑いました。

その瞬間、Eさんは前職を退職して以来、自分がちゃんと心を持って目の前の世界を見ていなかったということに気付かされたのでした。

「本来なら看護師の私が利用者の方のことをしっかり見てなきゃいけなかったのに、利用者の方が私をしっかり見てくれて、そのことに気付かせてくれたんです!」

そう話すEさんの声は、もう以前のどこか上の空な声とは違っていました。

利用者のおかげで本当にやりたい看護に気づき、精力的に勤務

長い間看護師をしてきて、“心に寄り添う看護”という言葉を改めて実感させられたというEさん。今後は、そこに力を入れていきたいと話してくださいました。

「あの…私のこと、ずっと気にかけてくれてましたよね?」と最後に言ってくださったEさんは、やはり本来は視野の広い、人の思いに気付ける看護師さんなのだと思いました。

Eさんはその後、施設看護の面白さや多くの課題に気付き、今も精力的にお仕事をされています。

そのデイサービスでは70歳が定年ですが、その後も、嘱託社員として働けることになったそうです。

私も求職者の方から大切なこと、忘れていたことを教えていただくことがあります。

それは人を相手に仕事をするということのすばらしさなのだと感じています。

誰かに聞いて欲しい悩みはありませんか

お悩み解決のポイント

ここでは、定年退職後に燃え尽き症候群になってしまった方に向けて、解決方法をまとめました。どのような気持ちで仕事に取り組むと良いのか紹介していますので、参考にしてみてください。

自分の気持ちを大切に今後のキャリアを考えてみる

定年退職だけではなく、どのような看護師であっても燃え尽き症候群に陥ってしまう可能性はあります。まずは、自身が今後看護師としてどうしていきたいかを考えることが大切です。今回のEさんのように、「定年後も体力はあるのでバリバリ働きたい」という考えも、一つの道です。新しい職場へ挑戦する際は、前職の経験や年齢なども踏まえて、自分に合った仕事を探してみる良いでしょう。

日常の勤務の中でやりがいを見つけてみる

今回のEさんは、デイサービスでの勤務を通じて、利用者とのやり取りをきっかけに、看護師としての目的や意義に気付くことができました。同じように、勤務先でモチベーションややりがいを感じられずお悩みの看護師の方は、周囲や仕事に対して真摯に向き合うことで、自身の看護の質や満足感を高めることができるかもしれません。どのような職場であっても、看護師としていきいきと活躍しながら働けるヒントが見つかるはずです。

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「今の仕事にやりがいを見つけられない」「前職を辞めた後に燃え尽き症候群になってしまった」といった方は、レバウェル看護を活用してみませんか?レバウェル看護では、業界を熟知したプロのアドバイザーが、今抱えている不安やお悩みに沿って転職活動をサポートいたします。

「今の職場が本当に合っているのか判断しにくい」「誰かに話しを聞いてもらいたい」といったご相談にも、ともに考えてアドバイスすることが可能です。希望条件や前職の経験を基に求人紹介を行うだけではなく、転職後も定期的にご連絡して状況を確認いたします。一人でお悩みを抱えるよりも、解決しやすくなるでしょう。

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