2023.11.13
「地元で男性のいない職場を探したい」精神科病院で7年の経験があるKさん(女性)の場合
精神科病院で7年の経験があるKさんは、地元に戻って仕事探しをしたいと今回ご相談くださいました。女性のアドバイザーと女性がメインの職場をお探しであることから、男性が苦手な方なのだと感じられました。しかし、Kさんの地元で希望条件に合う仕事が見つからず、はじめは求人のご紹介ができませんでした。その後、Kさんから通勤距離を広げて正社員の求人を探したいという連絡を受けました。アドバイザーは、Kさんが男性のいない職場で働きたい理由を知り、ご希望の条件が叶えられるよう病院側に交渉をしました。
今回ご紹介するKさんは、精神科病院で7年の経験がある看護師さんです。
Kさんは地元で仕事を探したいと、インターネット経由でご登録いただきました。「女性のアドバイザーを希望」と書かれてあったため、私が担当を務めました。
詳しく伺っていくと、「精神科なら女子病棟」「女子病棟がなければ、小児科・産婦人科・美容外科」「それ以外なら、男性がいないところ」というご希望を提示されました。
ここまでの経緯ではっきりとはお話しされませんでしたが、男性が苦手な方なのだなと感じ、できるだけKさんが負担に感じない環境を探すことにしました。
しかし、Kさんの地元では、女子病棟や小児科、産婦人科、美容外科などの求人がほとんどありません。ほかにも、保育園・幼稚園・乳児園などできる限りあたってみましたが、現在、看護師の求人は考えていないという回答でした。
男性のいる病院なら好条件な求人があったのですが、無理を強いるのはKさんにとって良くないと思いました。そのときは「求人が出たら連絡します」とお伝えし、ご希望の求人をご紹介できませんでした。
それからKさんは、知人の紹介で保育園の補助要因としてお仕事をされていたようですが、「やはり正社員になりたい」と、再びご連絡いただいたのです。
以前より私に慣れてくださったのか、打ち解けた様子のKさん。
「実は前職の精神病棟で、男性の患者さんから暴力を受け大怪我をした」というつらい退職理由を打ち明けてくださいました。
「でも、やっぱり看護師の仕事がしたいんです」というKさんは、以前より通勤距離を広げ、経験のある精神科で探してほしいとおっしゃいました。
私は、つらい過去を話してくださったKさんが安心して働けるよう、いくつかの病院を探しました。
その結果、800床弱の精神科単科病院で、女性メインの病棟に配置してもらうと言う条件で、面接をしてもらえることになりました。
厚生労働科学研究成果データベースの2019年度「看護職等が受ける暴力・ハラスメントに対する実態調査と対応策検討に向けた研究」によると、患者さんやご家族による身体的暴力・精神的暴力・セクシュアルハラスメントなどの報告があった施設は85.5%でした。
患者さんによる暴力の予防策を用意している職場はあるものの、暴力に関する報告割合が高いのが現状です。
職場側は、被害を受けた看護師の支援や相談体制を強化していくことが求められるでしょう。
面接では、Kさんご自身が、前職での怪我のこと、それでも看護師をしたい思いなどを伝えられたそうです。その後、無事に内定をもらうことができました。
入職後、Kさんからのメールで、「自分が夜勤のときは、ベテランで頼もしい看護助手がいてくれるので、不安なく過ごせています」と報告してくださいました。
人には言いづらい条件を抱え、それでも生活のために無理をして働かれている方もいらっしゃると思います。その条件を抱えていかなければならないのなら、無理をするのではなく、できるだけ良い環境でお仕事できるよう、お手伝いさせていただきたいと思います。
言葉にしたくない思いもあるかと思いますが、転職は状況を変えるチャンスです。ご相談の際になんとなくでもいいので、教えて頂ければと思っています。
ここでは、患者さんから受けた暴力など過去の辛い経験から特定の条件を避けた職場を探し求める看護師さんの職場探しのポイントを解説します。
過去に患者さんから暴力を受けたことが、トラウマや不安要素となっている看護師さんは、無理せずできるだけその要因から離れられる環境を見つけましょう。
看護現場で患者さんからの暴力や心ない言葉をすべて防ぐというのは難しいかもしれません。しかし、男性が苦手になってしまった場合は女性がメインの職場を、年齢を重ねた人を避けたいという場合は若年層が多い環境を選ぶようにすれば、看護師としての活躍を続けられる可能性があります。
今回お話したKさんは、「地元で男性のいない職場で働きたいから通勤距離を広げる」というように、優先したいことのためにほかの条件を緩和しました。転職でどうしても優先しなければならないことがあれば、それを叶えられるように仕事探しの範囲を広げられるようにするのも手です。
給与・休日数・通勤時間・仕事内容などのように、転職で何を優先にしたいか、何を妥協できるかをよく考えてみましょう。優先事項が達成できる転職を叶えられれば、仕事の満足度や職場での安心感につながります。
レバウェル看護では、ご相談者一人ひとりが抱える悩みに寄り添い、最適な求人をご提案できるようサポートに尽力いたします。
病院側に対して条件交渉を行うため、あなたが転職で叶えたい希望に近づけることが可能です。「転職でどうしても優先したいことがある」「過去のトラウマからを回避できるような職場を見つけたい」とお悩みの看護師さんは、レバウェル看護の転職支援サービスをご活用ください。
「レバウェル看護」を使うと、より詳しく話を聞くことができます。どんな転職先があるのか等も事前に知ることができます。
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