2023.12.26
「夜勤なし・高給与な職場で働きたい」25年間内視鏡経験があるHさんの場合
複数の病院で内視鏡の経験を積んできたHさん。最近引越しをされ、内視鏡看護の経験を活かせる病院を探しに相談に来られました。Hさんは持病があり、体に負担が掛かり過ぎると体調を崩してしまうとのことで、夜勤の無い職場をご希望でした。無理なく働ける職場を提案したものの、「もっと高給与の仕事でないと…」と深く悩んでいるご様子。そんなHさんの気持ちと体調に寄り添い、希望に沿った職場で働けるよう、とある提案をいたしました。
Hさんは25年間、いくつかの病院で内視鏡の経験を積んできた看護師です。
ハキハキとした口調で、責任感の強そうな方でした。
最近、引越しをされ、内視鏡看護の経験を生かせる病院を探しているということでご相談に来られました。
きりっとした印象のHさんですが、実は持病があり、普通に生活する分には問題はないそうですが、体に負担がかかり過ぎると具合が悪くなってしまうとのこと。内視鏡の外来で、夜勤の無いところをご希望でした。
『持病をお持ちの方なら長く働ける環境が何より大切だ』と思い、少し通勤に時間はかかってしまうのですが、内視鏡の検査のみを専門としている病院を紹介しました。もちろん、夜勤はありません。
しかし、Hさんは「もっと給与が高くならないとダメなんです」と、他の紹介サイトで探された、内視鏡の中でも、切除や焼灼なども行っている、給与額が周辺の平均より高めな病院へと転職を決められました。
Hさんが納得して決めたのなら、良かった、と思っていたところ、しばらくして、Hさんから再び連絡が来たのです。
入職した病院はかなりのハードワークで、残業も多かったようでした。そのためHさんは体調を崩してしまい、本来の技術が発揮できず、人間関係も上手くいかなかったそうです。
「給与額を下げずに、夜勤がなければ、もう内視鏡ではなくてもいいので紹介して欲しい」と言うHさんには、あのきりっとした雰囲気が無くなっていました。
病院を探すより先に、Hさんとしっかりとお話したいと感じました。前回はお話する前にほかが決まってしまったのですが、今回はまずお話しすることが必要だと思い、電話ではなく直接会ってお話しました。
そして、「何よりもまず、ご自身を大切にしていただきたい」ということ、「そのうえで充実したお仕事をして欲しい」という思いを丁寧に伝えました。
するとHさんは、今まで張り詰めていた糸が切れたように、目を閉じ、深く息を吐き出し、
「私が頑張らないと…と、無理してました」
とおっしゃいました。
詳しく伺うと、Hさんの旦那さんは自営業をしており、ここ最近急激に業績が悪化してしまったのだそうです。
そこでHさんは、「自分をずっと支えてくれてきた夫を、今度は自分が支えるのだ」と強く思い、“高い給与”にこだわっていたのだそうです。
「そうだったんですね。しかしご主人も、Hさんが体調を崩されることは、望んではいないと思います」
とお伝えしました。
そしてHさんは、家のローンや苦しい家計の事情など、言いづらいことも話して下さいました。
私は、出来る限り給与交渉を頑張ると約束し、Hさんにとって負担のかからない病院を、もう一度くまなく探しました。
すると、このタイミングで、新しく胃腸科の常勤の医師を迎えることが決まった、という病院が出てきました。
胃腸科を持つのは初めてのため、「内視鏡経験者の看護師が欲しい」
「夜勤をしなくても正社員として迎えたい」とおっしゃるのです。
給与は、希望額より低くなってしまいましたが、手当などが細かくつく職場です。規模も大き過ぎず、アットホームな雰囲気がある病院で、Hさんも納得して下さいました。
内視鏡の看護師の需要は、それほど多いわけではありませんが、内視鏡検査のニーズはいつの時代も常にあります。
最近では、看護師が内視鏡技師の資格を習得するケースも増えているようです。
個人で、内視鏡の看護師募集を見つけることは難しいかもしれません。しかし、募集に出していなくても経験者が歓迎されることもあるので、ご相談の際には是非、自分のアピールポイントにしてください。
さて、Hさんですが、無事入職され、十分に経験を生かしながら勤務できているそうです。
「自分が頑張らなくては、という思いにとらわれ過ぎていました」と話すHさんは、あのハキハキした口調に戻っていました。
誰かに話したことで、切羽詰った気持ちから一歩冷静になれた、と感謝の言葉もいただきました。
生きていくのに、お金ももちろん大事なポイントです。しかし、元気でなければお金は意味がありません。一番大事なのは、あなた自身です。
看護師のみなさんは、自分が辛いときでも、誰かのために頑張り過ぎてしまう方が多いように思います。
でも、その誰かも、あなたの体を心配しているかもしれませんよ。
体調面に不安がある看護師さんの中には、「負担のない職場は見つかる?」「夜勤は避けたいけど給与は下げたくない」といったお悩みを持つ方もいるでしょう。ここでは、そのような看護師さんの転職成功ポイントを紹介します。
今後長く働くためにも、健康を一番に考えられる職場を見つけることが大切です。どれだけ条件の良い仕事でも、無理して働いてしまったら、持病が悪化してしまったり疲労やストレスが溜まったりしてしまいます。体調不良が限界に達してしまった場合、結局退職につながる恐れもあるでしょう。自身の中で「日勤メイン」「身体介護は少なめ」など条件を整理しておき、転職先には事前に体調面の不安を話しておくと安心です。
「希望年収がある」「手当が充実した職場が良い」など待遇面で希望条件がある場合、諦めずに探すことで、マッチした転職先が見つかる可能性もあります。その際、できる限り求人の情報量を増やすことがポイントです。また、自身のキャリアをアピールすることでより好条件で転職できる可能性もあるでしょう。前職での実績や経験、応募先で貢献できることを十分に伝えてみてください。
体調面に不安のある方は、職場の雰囲気や職員の人間関係も考慮して転職先を選ぶと良いでしょう。今回紹介したHさんを例に挙げると、給与を重視して転職した職場が、ハードな労働環境ゆえ人間関係にも悩まされてしまいました。職場がどのような雰囲気かは、看護師の働きやすさに大きく影響します。可能であれば、離職率をチェックしたり職場見学などで雰囲気を掴んだりすることをおすすめします。
「希望条件も体調面も重視したい」とお考えの方は、転職エージェントのレバウェル看護にご相談ください。レバウェル看護では、アドバイザーが無理なく働ける職場の特徴をお伝えし、求人を紹介することも可能です。丁寧にカウンセリングを実施し、求職者の強みをしっかり把握したうえで、条件交渉も行いますよ。面接対策や応募書類作成のサポートも行いますので、「選考に自信がなくてなかなか動き出せない」という看護師さんもご安心ください。
「レバウェル看護」を使うと、より詳しく話を聞くことができます。どんな転職先があるのか等も事前に知ることができます。
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