やりがいを感じない多忙な日々。「本当に大切にしたいこと」を見つめ直した

2023.6.7

手狭な診察室のイメージ

「ありがとうと言われる看護師になりたい」最先端の医療技術のある病院で3年働くIさんの場合

Iさんは新卒時に、珍しい症例を扱いメディアでも多く取り上げられる有名な病院に就職しました。最先端の医療技術が整備されている環境でなら、患者さんの支えになれると思い、必死に仕事を覚えました。しかし、2年目は1年目よりもハードで、3年目になると疲れが出るように。良い病院で良い条件で働いているのに、仕事のやりがいを感じていないことに気づき、アドバイザーに相談をしました。そこで、Iさんが自分らしく働くためにはどうすれば良いのか、時間をかけて一緒に話し合いました。

現在の職場にやりがいを感じていない

Iさんは新卒のとき、珍しい症例を多く扱うことで有名な病院へと就職しました。最新鋭の機器と最先端の医療技術がある病院なら、幅広い分野について学べて、難病に苦しむ患者さんの役に立てるに違いない。そう思い働き始めたIさん。始めは仕事を覚えるのに必死で、あっという間に時間が過ぎていったそうです。

就職してから2年が過ぎて仕事にも慣れましたが、1年目よりハードになったと感じているIさん。残業はほぼ毎日3〜4時間あるのが当たり前。深夜勤での休憩は20分取れればましな方というハードさ。休みも思うように取れないことが多いのだそうです。それでも、ほかの病院では扱えないすごい経験をしているのだ、そう思い必死に頑張ってきました。

3年目の半ば頃、疲れが出たのか、Iさんは体調を崩して4日間も休むはめに。最初は自分が休んだせいで迷惑がかかっていないかと、寝ていても病院のことばかり考えていました。

熱が引いた4日目に、ちょうど看護学校時代の友人から電話がきました。久しぶりに勤務先以外の友人と話し、リラックスできたIさん。会話の流れで友人から「良い病院で働けてうらやましい」と言われ、そのとき初めて自分が今の仕事にやりがいを感じていないことに気づいたのだそうです。

「人から見ると私は良い病院で好条件で仕事しているのに、やりがいを感じてないなんて、贅沢ですよね」
心のモヤモヤを周囲の誰にも話せなかったIさんは、お悩み相談集を見て電話をくださったのでした。

「看護師としてのやりがいを一緒に考えましょう」

せっかくの機会ですので、Iさんにとっての「仕事のやりがい」とは何か、一緒に考えてみましょう、とご提案しました。

Iさんはいまの病院の話や看護学校時代のことを話してくださいました。Iさんには看護師の叔母さんがいて、幼い頃よく叔母さんのいる病院へ予防注射に行ったそうです。そのとき、ナース服をきた叔母さんに憧れて、看護師を目指されたということでした。

「ありがとうと言われる看護師さんになりたい。子供っぽいですけど、それが夢だったんです」
私は、Iさんにとって仕事のやりがいはそれなのではないでしょうかと伝えると、Iさん自身納得されたご様子でした。Iさんは、いまの忙しい職場の中でも「ありがとう」と言われるような看護をもう一度見つめ直します、とおっしゃいました。

今回はIさんのお話を聞くだけにしようと思いました。
私たちは、無理に転職を勧めることはありません。その人にとって本当に必要な転職でなければ、求職者側にとっても、病院側にとっても良いことがないからです。Iさんの中で何かが解決されて、また頑張ることができるのならば、それが一番だと考えました。

しかし、それから3週間ほどしてIさんから再び連絡をいただきました。元気のないIさんにお話を聞くと、深夜にナースコールが鳴ったのに、救急対応中で長時間患者さんのところへ行けず、患者さんから強いお叱りを受けたというのです。

「ありがとう」と言われるどころか、「こんな病院、二度と来ない」と言われてしまったそうです。
「患者さんとしっかり向き合いたい」と強く願っているIさんを知っていたので、電話越しでもIさんの悔しさや、自分を責める気持ちがひしひしと伝わってきました。

小規模病院に転職して患者さんと向き合う看護を実現

そのようなご相談を受け、私は「転職という選択肢もある」とお話させていただきました。現状の環境では、Iさんが大切にしたいことを実現するのは難しいと考えられたためです。
転職するとしたらどのような場所が良いのか、Iさんの忙しい合間を縫って、何度も電話で話し合いました。

最終的に、Iさんは60床の療養型病棟がある小規模病院へ転職を決められました。
新人の自分を育ててくれた病院だから、と3年目の節目まではしっかりと前の職場に勤めてから、新しい病院へと移られたIさん。

入れ替わりの激しかった以前の病棟とは違い、現在は担当するすべての患者さんに毎日話しかけ、心身状態を把握する「患者さんとじっくり向き合う看護」ができているそうです。
「患者さんたちからあだ名で呼ばれているんですよ」と、Iさんはとても嬉しそうに話してくれました。

最新鋭の技術と機器のある病院も、地域に密着した小さな病院も、どちらも患者さんにとって大事な存在です。どちらがすごいとか、そこで頑張れないからダメということはありません。

患者さんが自分に合った病院を選ぶように、働く人にも職場との相性があると思います。
Iさんも、はじめから長期療養型の病院にいたら、そこで働けることの喜びにいまほどには気づけなかったかもしれません。

働いてみたからわかることというのは、少なからずあると思います。相性が合わない場所でも頑張っていた時間は自分を知る大事な時間だったのです。Iさんが今までの経験を糧に、いまの思いを忘れずに看護していけるといいな、と思っています。

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お悩み解決のポイント

現在の職場でやりがいを感じられないという看護師は、自分自身がどのようなことならやりがいを感じるのかを振り返りましょう。ここでは、やりがいのある仕事をしたい看護師のお悩み解決ポイントをご紹介します。

仕事のやりがいは何かを見つめ直す

現在の職場でやりがいを感じないのはなぜか、何が改善されればやりがいを感じられるのかを見つめ直してみましょう。看護師の仕事におけるやりがいは人それぞれです。給料が多くもらえることでモチベーションを維持できる人もいれば、患者さんに寄り添えることにやりがいを感じる人もいます。仕事におけるやりがいが明確になれば、転職時の仕事探しにも反映することが可能です。

やりがいを感じられる働き方・環境を探す

仕事のやりがいを見つめ直せたら、そのやりがいを感じられる職場はどこかを検討しましょう。Iさんのように、患者さんからありがとうと言われることがやりがいと感じるなら、小規模の病院に転職すると、一人ひとりを看護しやすくなります。希望の働き方を実現できなければ、現職にもやもやした気持ちを抱えたまま働くことになってしまうかもしれません。自分らしく働くためにも、相性が良いと感じる職場環境をピックアップすることが重要です。

レバウェル看護に相談する

レバウェル看護にご相談いただければ、「現在の職場ではやりがいを感じられない」とお悩みの看護師さんの転職活動をサポートすることが可能です。
あなたにとってやりがいを感じられる職場はどこか、アドバイザーと相談しながら求人をご紹介いたします。電話やメール、LINEなどで何度でも連絡ができますので、納得できる結論が出るまで話し合えますよ。まずはお気軽にご相談ください。

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