データで見る看護師不足―解消のカギ『待遇改善』で希望するもの―

2015.4.11

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離職率が高く、仕事の大変さから志願する人も少ないので看護師不足が起きる…という話を耳にしますが、実はそんな状況が最近になって変化を見せています。今回は統計データを元に、今起きている看護師不足の現状はどのようなものなのかを探っていきたいと思います。そして、看護師不足解消のカギの1つである待遇改善。それを看護師さんが職場に求めている条件という形でご紹介します。就職や転職の参考になさってください!

【看護師不足を取り巻く現状】

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◆離職率が高い、就業者数が少ないというのは本当か

これはちょっと前までは本当でした。しかし、待遇の改善などで看護師の離職率はここ数年で低下の傾向を見せており、日本看護協会の統計データによると、2007年からの離職率は10~11%前後で推移しています(出典.2011年看護職員離職率、協会ニュース2014年3月号)。

この数字は厚生労働省の統計データによれば、全体の離職率は平成22年から14~16%台を推移(出典.平成24年雇用動向調査結果)しているので、看護師だけが突出して高いというわけではないようです。看護師の就業者数も厚生労働省の統計データでは、平成13年の1,187,550人から増加の一途を辿っており、平成23年には1,495,572人となっています(出典.看護職員確保対策について)。

◆地域ごとに起きる看護師数の格差

離職率も突出して高いわけではなく、就業者数も増加しているはずなのに、看護師不足が起きている原因はどこにあるのでしょう。実は、都道府県ごとの看護師数に差があることが分かってきました。

人口10万人に対しての看護師・准看護師数をみてみると、九州や四国などでは1300~1500人となっているのに対し、関東は1000人にも満たないところがほとんど(出典.平成24年度衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況)。地域格差をなくすために、看護師数が少ない地域には他の地域からの流入を考えたいところですが、それも難しいようです。

理由としては、看護師は女性が多く、結婚や出産で家庭を持つと「単身赴任」という形での働き方は選択肢に入らないことがほとんど。地域ごとの看護師数の底上げをするにはどうしたら良いのかを考えるのが、看護師不足を解消するカギと言えそうです。

◆看護師を目指す人が増えてきている

3Kと言われたのは過去の話。今では、人気を集める職種の1つとして認知され始めています。厚生労働省の統計データによると、看護系大学数・定員数は増加の一途を辿っており、平成20年には166校・定員13108人となっています(出典.看護に関する基礎資料)。

近年の資格志向の高まりや、他職種と比べて給与が高めなことが人気の要因となっているようです。将来の安定性を一番に考えるのが近年の若者たちの風潮ということもあるので、看護師を目指す学生が増えているのは自然なことかもしれません。

◆看護師不足を解消する今後の対策は

前述した都道府県ごとの看護師数の格差をなくすことが、看護師不足解消のカギとなります。地域ごとに看護師数の格差が起きているのは、養成数の格差があるから。つまり、養成学校の数に格差があることが理由とも言えます。

もともと、官軍の地元である西日本の地域に医学校が多く設立されていた名残が、現代まで影響しているとも考えられるのだとか。また、関東地域の人口増加で養成学校進学の倍率が上がり、地域格差を生んだという側面もあるようです。

今後の看護師不足の歯止めになりうる対策として考えられるのは、既になされている教育施設の増加だけでなく、看護師という仕事の魅力を更に周知していくことや、労働条件などの待遇改善も必要になってきます。

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【看護師さんが考える理想の職場とは】

看護師不足を解消するカギの1つである、待遇の改善。近年では、改善に向けた取り組みを行う施設もだいぶ増えてきました。

仕事の魅力はもちろんですが、労働条件や職場環境などの待遇は看護師という仕事を選択する上でも、続ける上でも大事な要因になってきます。そこで、現役ナースが考える理想の職場の条件をご紹介します。夢のようなものから、案外すぐ実現できそうなものまで一挙大公開!

◆新人研修が新卒・既卒別で充実しており指導が丁寧
◆チームナーシング制度がある
◆電子カルテやオーダリングシステムが導入されている
◆リフレッシュ休暇などの休暇制度が充実している
◆任意でスキルアップ研修などを就業先負担で受けられる
◆白衣の種類を選択でき、数着貸与してくれる
◆昇給・賞与が年1回以上ある
◆日勤のみor夜勤の数を少なめにして働くことができる
◆子供の体調不良で休んでも受け入れてもらえる
◆24時間院内託児所や学童保育が併設されている
◆準夜勤・深夜勤ともに5~6人体制
◆職員の医療費が減額や無料化される

看護師不足と言われて久しい昨今ですが、実態は就業者数や教育施設が増加しているなど、徐々に希望が見えてきているという結果でした。

しかし、少子高齢化が進む中で看護師不足を解消するのは、長期的な戦略が必要なようです。まずは「看護師不足」という一言で片付けるのではなく、看護師を目指す・続ける方たち1人1人がその実態をきちんと知ることが大事なのかもしれません。ぜひ、上記の内容をきっかけに看護師という職業と向き合ってみてくださいね。

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