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2013年05月28日

保育園で働く看護師に

私の友人で、調理師と栄養士の資格を取ったのに、
板前の仕事をわずか1年で辞めた人がいます。
毎日、お米を研いでいたら、
アトピー性皮膚炎が悪化してしまったというのです。

残念ですが、今、友人は調理と関係ない仕事をしながら、
たまにホームパーティーなどを開き、
美味しい料理を友人たちに振舞ってくれています。

今回、ご紹介させて頂くFさんも、
そんなどうしようもできない事情で
転職を余儀なくされた看護師さんでした。


Fさんは、25歳の女性。
看護学校を卒業後、
3年間、一般病棟で勤務をしてきました。

新人の頃は、
出来ないことやわからないことがあるのはもちろん、
初対面が苦手というFさんには、緊張の連続だったそうです。

それでも必死で仕事を覚え、頑張ってきたFさんですが、
どうすることもできない事態に悩まされることになりました。

病院で使用する医薬品が肌に合わず、
手が痒くなったり、痛くなったりしてしまうのです。

内服も塗り薬も処方してもらっても効果がなく、
ブツブツが出た腕は、患者さんにもちょっと怖がられるほど。
一番、ひどかった時は手に穴が開いてしまったと言うのです。

もう看護師は続けていけないのかもと不安になったFさんは、
「手荒れのことで退職なんて誰にも言えない」と悩んだ末、
今回、ご相談を下さったのでした。


看護師は、仕事柄、消毒や洗浄を頻繁にするので手があれやすく、
感染症の危険性もあるので手を洗う機会がどうしても多くなります。
もともとの皮膚の弱さやアレルギー体質の方は、
症状が余計にひどくなってしまうことは、実はよくあることです。

そして、皮膚の炎症などの日常的辛さは、
周囲からはわかりづらいですが、とても辛いことだと思います。

看護師資格を生かし、医薬品を頻繁に使用しない職場と言えば、
退院調整看護師や保健師などのお仕事があります。
しかし、看護師資格にプラスして、それぞれの資格が必要であったり、
そもそも募集の数は少ないのが現状です。

「看護師以外の仕事も考えてみる」というFさんですが、
せっかく頑張って取得した資格や経験を生かして頂きたいと、
諦めずにお話をしていくうちに、
Fさんがとても子供好きだということをお伺いし、
“保育園看護師”という選択肢に思い当たりました。


厚生労働省は子育て支援や少子高齢化対策の一環として、
保育園に保育園看護師の配置を推進してきました。

資金不足や看護師不足という背景もあり、
すべての保育園が看護師を置いているわけではありませんし、
1園に看護師1名というところがほとんどですが、
私立だけでなく公立保育園にもその数は増えつつあります。

保育園での看護師の主な仕事内容は、
子供のケガや体調不良時の対応、
慢性疾患を持つ子供のケアなどあります。

中でも最も重要な事柄は、感染症の早期発見と対処です。
子供は病気を繰り返し、免疫力を培っていくものですが、
感染症には命に関わる危険もありますので、
集団感染を予防すること、早く見つけ広げないことが大切なのです。

他には、健康だよりを作成したり、
子供に衛星教育をしたり、
保護者から子供の健康管理や発育に対する相談にも応じたりもします。

医療行為はほぼなく、保育師や保健師のような役割を、
看護師という専門職の立場から行うのです。

保育園側から求められることをするだけでなく、
看護師自らが考え、行動しなければならない環境が多く、
積極性や主体性、
子供や保護者とのコミュニケーションも求められます。

このため、向き不向きがはっきりとした職場と言えます。


さて、Fさんですが、具体的な仕事内容や
保育園での看護師さんの現状など、
さまざまな環境をお話すると、
学んできたスキルが生かせるという場ではないけれど、
看護師として、好きな子供たちに囲まれた仕事ができることに、
強く興味を惹かれたようでした。

念のために、
お調べした保育園看護師さんの苦労談などもお伝えしましたが、
Fさんには、すでにやってみたいアイディアに溢れているようでした。

ここまで、やる気を持っているのならきっと大丈夫だろうと、
Fさんのご自宅から通い易い民間保育園をご紹介しました。


しばらくして、Fさんを尋ねてみると、
Fさんが作ったという健康だよりが廊下に貼られている園内で、
子供たちに囲まれて嬉しそうなFさんがいました。

保護者の方からの細かい質問攻めに答えきれないこともあるそうですが、
次に会うときにはしっかり返答できるように、
日々、子供の病気や発育のことなどを勉強されているそうです。

看護師が1人しかいないので、Fさんの負担は大きいそうですが、
「看護師を諦めなくちゃならないと悩んでいた自分が、
 こんな場所で看護師をやるとは思わなかった」
と話すFさんは、笑顔でイキイキとしていたので、
私も諦めなくてよかったと、嬉しく思いました。


看護師資格を取るために、みなさん、
さまざまな苦労を通過されてきたと思います。

もし、看護師を続けるのが苦しい状況にあっても、
目線を変え、場所を変えれば、
看護師を続けていける環境もあると思います。

あなたに合った場所を見つけるのが私たちの仕事ですので、
いろんな悩みをまずはお話して頂けると嬉しいです。

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