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2013年06月27日

思いは伝わる

仕事でもプライベートでも、
メールやSNSなどのインターネットを介しての
コミュニケーションって、本当に増えましたよね。

自分の考えを読み返してから送れることができ、
相手が読める時間に読むことができるので、
とても便利なツールだと感じています。

でも、できることなら、
転職の相談は、お電話で話すように心がけています。

もちろん、相手の方の都合を最優先して、
ご迷惑をかけないようにしていますし、
メールでのご相談でも問題なければ、進めることはできます。

ですが、転職って毎日の生活に影響するとても大事なことですので、
「その人が本当に求めていること」や「不安に思うこと」など、
活字だけでは表せない部分も感じて、理解したいと思っています。


今回のGさんのご相談も、
“直接話をすることは大切だ”と感じるケースでした。

Gさんは39歳の既婚女性です。
准看護師を習得した後、病院勤務を2年しましたが、
国際結婚され、3年に1度は里帰りをするものの、
16年間、海外で生活を送っていらした方でした。

Gさんが日本から離れて16年目の春のことです。
1人での里帰り中に、Gさんは仙台で東北大震災に遭われました。
Gさんもご実家のご両親も不幸中の幸い、ご無事で、
避難所に身を寄せての暮らしとなりました。


Gさんはご両親を心配し、日本での滞在を延長。
そのまま地元、仙台の病院でボランティアとして、
16年ぶりに看護の仕事をすることになったのです。

ブランクが長く、もともと准看護師としての経験も浅いGさんは、
とにかく目の前のことをするだけで必死だったそうです。

そんなある日、
がれきの中で探し物をしていて怪我をしてしまったと言う女性が、
幼い女の子を連れてやって来ました。

Gさんが、その女性に手当をしていると、
小さな女の子がじっとGさんを見て言いました。
「看護師さん、お母さんは元気になる?」と。

幼くして、多くの人々の苦しみを見てきた
小さな女の子の切実な声を聞いたGさんは、
“もっと多くの人を助けたい”と強く思ったそうです。

Gさんの嫁ぎ先の国では、
子供を祖父母に預け、両親が出稼ぎに出ることはよくあることで、
家族も日本でしばらく働くことに賛成してくれたというGさん。

Gさんは、日本に留まり働くのなら、
もっと知識を身に付けたいので、正看護師の資格を取りたいと、
資格習得支援制度のある病院を探し、ご連絡を下さったのでした。


ブランクのことや準看護師の経験年数が少ないこと、
戸籍が海外であることなどから、
ご紹介に少しお時間がかかってしまうかもしれないことを
申し訳ない気持ちでGさんにお伝えすると、
「無理だと言われると思っていました」と逆に感謝して下さいました。

Gさんに了承を得て、
事業所側にも事実を包み隠さず伝えながら、
資格支援制度など教育制度に強みのある病院をあたりました。

しかし、なかなかOKを出してくれる病院は見つかりません。

でも、Gさんの「熱い思い」を汲んで
「面接をしてもいい」と言ってくれる事業所がありました。
大きなグループの運営する病院です。

その病院には資格支援制度はありませんでした。
でも、大きいグループならではの、
豊富な勉強会や研修とその費用の補助制度があり、
空いている時間にネットを利用し勉強できるe-ラーニングも行っており、
現場ではプリセプター制度もありました。

海外の家族の元に戻れば、日本での正看護師資格では就職できません。
だとしたら無理に膨大な時間とお金を費やして資格を取るよりも、
しっかり働きながら、正看護師並みの知識を身に付けることが
Gさんの場合には良いのではないかとも思い、
私はこの病院をお勧めしました。

Gさんも、
「自分がしたいことはたくさんの人々を助けることだから」と
知識を学べる環境に惹かれ、面接に行くことを決められました。

病院側には、「とりあえず会ってみてから判断します」
と言われていたのですが、
Gさんに会って、その熱意を感じた師長さんをはじめみなさんが、
満場一致でGさんの採用を決めて下さいました。

そればかりか、家族と離れて頑張るGさんのために、
海外の家に帰るための休暇まで調整してくれたのです!

Gさんは現在、無事に入職され、
熱意を持って、仕事をしながら、勉強にも励まれています。


人は、何かをする前にマイナスな予想を立ててしまい、
一歩を踏み出せないことも多くあるように思います。

でも、
伝えてみたら、受け入れてもらえることは、
実は、思っているよりもあるのではないでしょうか。

“気持ちが伝わる”ということは、
人と人が向き合うことでしかなしえない、
暖かく、とても素敵なことだと思います。

小さな女の子の一言が、Gさんの心を動かしたように。
Gさんの思いが、病院のみなさんに届いたように。

私も、恐れずに、
自分の本当の気持ちを素直に伝えていこうと、
勇気を頂いた今回の出来事でした。

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※相談事例は、個人が特定できない形で掲載しています

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