経済的な理由で選んだ看護の仕事が辛い…憧れた看護師像をヒントに職場探し

2023.7.10

メモ帳の上に置かれた聴診器とペンのイメージ

「生活のためになった看護師の仕事が合わない…」総合病院で急性期と手術室経験のあるDさん(28歳)の場合

前職の一般企業が倒産したことが理由で看護師を目指したDさんは、看護学校に通い試験に合格し、総合病院へ就職しました。しかし、最初に配属された急性期はハードで人間関係も合わず、適応障害に。その後手術室へ異動しましたが、やはり仕事が合わないと感じてしまったとのことでした。奨学金返済のため看護師は辞められないとお悩みのDさんに、いくつか職場を提案しても、やりたいことは出てきません。そこでアドバイザーは、看護師を目指した過程にやりたいことのヒントがあるのではと考えました。

やむを得ず看護師へ…しかしどうしても仕事が合わない

先日、テレビで成功した社長が自分の体験などを語っていました。その方は就職に失敗し、ずっとフリーターで転職を重ねてきたけれど、好きなものに出会って成功したと語られていました。

“好きこそものの上手なれ”と言いますが、好きなものなら頑張れたり、意欲が沸いたりしますよね。

さて、今回のお話は、働いていた一般企業が倒産してしまい、生活費を稼ぐ術として「やむを得ず看護師になった」とおっしゃる28歳のDさんのことです。

Dさんが失業したとき、「奨学金をもらいながら学校に行けるよ」と看護学校を紹介してくれたのは、看護部長をしていたご親戚の方でした。

Dさんは「手に職を持てば安心」とその話に乗り、「看護は自分に合わないかも」と思いつつも頑張って勉強し、なんとか看護学校を卒業。みごと総合病院に就職されたのでした。

始めは急性期に配属されましたが、忙し過ぎる毎日の中、仕事内容も人間関係も自分には合わないと感じ、やがて体調を崩してしまいました。

「適応障害」という診断を受け、その後オペ室に異動を命じられ1年頑張ったものの、「やはり合わない」と感じたDさんは、今回ご相談下さったのでした。

「看護師になりたくてなったわけじゃないけど、奨学金を払わないといけないから辞められない」とおっしゃるDさん。

看護師として働いていくしかないのなら、今後どのような道を進んでいくか一緒に考えましょうとご提案すると、「私は要領が悪くて看護も上手くできないし…でも今は看護師辞められない」と埒が明かないのです。

そこでとにかくさまざまな事業所を実際に見て、興味が持てるところを見つけてもらうことにしました。

急性期病院や慢性期病院、療養型の病院、特養、老健、デイ…。しかし、どの事業所に行っても、Dさんは「新しいことには自信がないし…」と心を動かすことがありませんでした。

「もう今よりきつくないところならいいです」とDさんはおっしゃいました。

「看護師の勉強を頑張れた理由」からやりたいことを探ってみる

しかし、多くの看護師さんをご紹介していますが、ご本人が悩まれたままご紹介しても決して転職がうまくいくことはありません。

「こんな看護がしたい」「この街に住みたい」「ナース服がかわいい」など、どんな些細なことでもいいのです。ご本人が何か気に入る、心が動くことがあるとないでは、転職後の生活がまったく違います。

特に「適応障害」という周囲には理解されづらい辛い病を抱えたまま、「自分に合わない」と感じる場所に行って、また辛い環境になってしまったら、Dさんは本当に看護師を続ける自信を失ってしまうかもしれません。

Dさんは「なりたくて看護師になったわけじゃない」とおっしゃいます。しかし、看護学校での勉強は決して楽なものではありません。

それでも頑張って卒業されたDさんですから、そこには頑張りぬけた何かがあったのではないか、と私は思いました。

そこで、Dさんの看護学校時代のお話を詳しくお聞きすることにしました。

始めは乗り気ではなかったDさんでしたが、友達との思い出などを話しているうちに、さまざまなことを思い出されたようでした。

そんな中で、Dさんは学校の実習時に出会った皮膚・排泄ケアの認定看護師がカッコ良くて憧れたということを思い出されました。

看護学校時代に憧れていた分野に関わる職場へ入職

Dさんにも看護師に興味を持たれた瞬間があったのです。そこで、消化器の専門病院に見学に行ってみることにしました。すると、今まで何を提案しても乗り気にならなかったDさんが「ここで働いてみたい!」と言って下さったのです。

どのようなことでも始めはみんな未経験です。できる・できないよりも、「何にやりがいを感じられるか」ということが大切です。

どんな職業でも、好きなことをするだけが仕事というわけではないでしょう。どんな仕事の中にも、「自分なりのやり方、やりがいを見つけて、自分らしく働ける」、そんなお手伝いができたらいいなと常に思っています。

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転職成功のポイント

看護師として長く働くためには、自身の興味ややりがいが感じられる職場を見つけることが大切です。ここでは、今回のDさんの例を参考に「やりたいことが分からない」と悩む方へ向けて、自分に合った職場探しのポイントをまとめました。

少しでも気になる仕事がないかさまざまな目線で考えてみる

「看護師の仕事が合わないのでは…」「やりたいことがない」という方は、些細なことでも良いので、興味のある仕事を考えてみましょう。たとえば、「看護師を目指した理由」や今回のDさんのように「看護学校時代の話」を振り返ることで、やってみたい仕事や理解を深めたい分野が見えてくるかもしれません。理由は「カッコ良さそう」「楽しそう」など、どんなことでも構いません。そこから、自分に合った職場が見つかる可能性があります。

興味のある分野があった場合はそれに近い求人を探してみる

「この仕事ならやってみたい」「この診療科目は少し興味がある」といった携わりたい業務が見えてきたら、まずは希望に沿った職場を探してみてください。たとえば、「なんとなく介護に興味がある」といった方は特別養護老人ホームやデイサービス、療養型病院など選択肢を複数挙げてみるのもおすすめです。そこからいくつかの求人を見ていく中で、自分に合った勤務形態や職場の雰囲気などを考えて絞っていきましょう。

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