活き活きと働くための転職!経験とスキルを活かして理想の看護を追求

2023.12.28

インターホンのイメージ

「患者さまにじっくりと向き合った看護がしたい」訪問看護ステーションで長期活躍するベテラン看護師Yさん(52歳)の場合

訪問看護ステーションで活躍するベテラン看護師のYさんは、最近になって所長から強く当たられるようになったそうです。業務改善のために頑張ってきたのに、所長がいると頭痛がするようになってしまい、悩みを私どもにご相談くださいました。責任感の強いYさんは転職の意思はないようですが、このままではYさんの頑張りが水の泡になってしまうと考えました。そこで、アドバイザーはYさんが理想とする看護を伺い、それを実現できる環境をご提案してみました。

所長との関係が悪化し職場の居心地が悪い

仕事は、その人の人生の一部です。給与や待遇だけでなく、人間関係が良好か、能力を活かせる環境かというように、いきいきと働ける職場であることが大切だと思います。

今回ご紹介する52歳のYさんは、「転職は考えていませんが、悩みを聞いて欲しいんです」とご相談されたベテラン看護師さんです。
Yさんは訪問看護ステーションの常勤職員として何年も働いていましたが、最近心当たりのないクレームやミスで、所長からたびたび叱責されるようになったのです。Yさんが何人かの同僚に相談したところ、「所長はYさんが苦手だから、やめさせたいみたいよ」と言われたそうです。

Yさんはあるとき、思い切って所長に「私がいない方がよろしいのでしょうか?」と聞いてみました。すると所長は、バカバカしいと激怒し、態度はいっそう険しいものに。自転車の置き方や記録の仕方といった些細なことにまで注意されるようになり、Yさんはのびのびと働けなくなってしまいました。

実は、Yさんは以前から所長との関係があまり良くありませんでした。Yさんは事業所の人員不足や不十分な教育体制に問題を感じ、所長に何度も業務改善を訴えてきたのです。
しかし、所長は効率や利益も大事だからと聞き入れてくれず、少しずつYさんを遠ざけるようになりました。Yさんはほかのスタッフからの信望が厚く、業務に対する不満の窓口になっていたことも、所長から疎まれる原因になってしまったようです。

Yさんの訪問看護ステーションは看護職員が少なく、煩雑な業務に追われる毎日。納得のいく職場で勤めたいと願うYさんは、業務改善のために頑張ってきたのに、今では所長と一緒にステーションにいると頭痛がするそうです。
「理想の看護を求めたことが、関係を悪化させたのかもしれません」と、Yさんは暗い声でおっしゃられました。

訪問看護ステーションの現状

訪問看護ステーションは年々増加傾向にあります。

医療保険の訪問看護ステーション数介護保険の訪問看護ステーション数
2016年8,6138,484
2017年9,3179,132
2018年9,9649,676
2019年10,78310,318

しかし、看護職員数が5名未満の小規模体制の訪問看護ステーションも多いのが現状です。地域の訪問看護の需要が高まる一方で、夜間体制・看取り・人材育成などに苦慮している事業所もあります。

出典
厚生労働省「訪問看護
訪問看護ステーションの規模について」(2023年5月31日)

「理想とする訪問看護は何ですか?」

Yさんの現状を改善するためにも、私は「転職という選択肢もありますよ」と提案しました。しかし、Yさんは「いま自分が退職すると事業所の勤務体制が崩れ、スタッフや担当の患者さまが困る」と考え、転職活動に踏み切れないそうです。
オンコール当番の多いYさんは休養が十分取れず、疲労のため本当にミスをしそうになることも。Yさんが看護師として活躍していくためには、現職にこだわるのはむしろマイナスだと思いました。

そこで、「Yさんの理想の看護とはどんなものですか」とお伺いしてみると、Yさんは「患者さまにじっくりと向き合った看護です」と、ご自宅での看取りに積極的に関わる夢を熱く語られました。Yさんは、過去にとある訪問看護ステーションの管理者の講演に感銘を受け、ご自身で長年勉強を続けてこられたそうです。

私は、Yさんがおっしゃっていた事業所に問い合わせてみました。すると、ちょうど常勤看護師の求人があったのです。Yさんにそのことをお話すると、「あの訪問看護ステーションで働くなんて、考えてもみませんでした」と驚かれましたが、転職にグッと前向きな気持ちになったようでした。

転職先の訪問看護ステーションで経験を重ねて責任者として活躍

問い合わせた訪問看護ステーションは福利厚生が手厚く、Yさんの通勤範囲内の事業所だったので、長く勤めたいという希望にもピッタリです。Yさんはついに転職を決心しました。

それからのYさんは気持ちが吹っ切れたよう。所長との関係を気にせず働けるようになりました。年末には転職先の面接を済ませ、就職が内定。年度末までには引き継ぎをしっかり済ませて円満に退職され、新年度には希望の訪問看護ステーションで働き始めました。

転職してからのYさんは活き活きと働けるようになり、「あの時思い切って転職して、本当に良かったです」と、とても喜んでくださいました。Yさんはその後も長期就業され、ご紹介した訪問看護ステーションの看護責任者になられました。

責任感の強い方ほど、転職をためらわれることが多くあるようです。しかし、転職は現職の責任を放棄することではありません。働く意欲を持ち、力を発揮するための方向転換だと考えています。

お仕事で悩みを抱えている方はたくさんいらっしゃると思います。転職をお考えでなくても、どうぞお気軽にご相談ください。活き活きと働くためにどうしたら良いか、ご一緒に考えてみませんか?

誰かに聞いて欲しい悩みはありませんか

お悩み解決のポイント

ここでは、人間関係が悪化して仕事にも影響が出てきた看護師のお悩み解決ポイントをご紹介いたします。自分がどのような状況にあるのかを理解し、仕事を続けるべきか転職すべきかという点も考えることが重要です。

理想の看護が提供できているか振り返る

人間関係が悪化して職場での居心地が悪いと感じている看護師は、理想とする看護が提供できているかどうかを振り返ってみましょう。理想とする看護は人それぞれです。Yさんのように患者さんとじっくり向き合いたい人もいれば、できるだけ多くの患者さんのケアをしたいという人もいます。人間関係が原因で仕事のミスにつながったり、もやもやした気持ちが晴れなかったりする場合は、いまの職場が向いていないことも考えられます。

状況が改善されない環境で無理をしない

業務改善がされない職場で無理をして働き続けると、ストレスが溜まったり心身に悪影響が出たりします。状況が悪化すると、職場に行けなくなることも考えられるでしょう。看護師さんは責任感の強い人が多いため、改善を願い出ても状況が変化しない場合は、転職を検討した方が良いかもしれません。

レバウェル看護に相談する

レバウェル看護では、現職でのお悩みや転職に関する不安など、幅広いご相談に対応しております。相談内容に応じて、転職をしなくても現状を変えられる改善策や、転職によってより良い看護を追求できる方法などをご提案。第三者の視点からサポートするので、自分では思いつかなかった道が開けることもあります。現在の職場で何か不満を抱えている方は、ぜひお問い合わせください。

働くうえでの悩み相談してみませんか?
看護師さんのお悩み相談窓口」では働くうえでのまざまな悩みに寄り添います。看護師のキャリアパスに詳しいアドバイザーが1人では解決しにくい悩みにお答えします。
\転職するか決めなくても大丈夫/

この情報はお役に立ちましたか?

無料でさらに聞いてみる

「レバウェル看護」を使うと、より詳しく話を聞くことができます。どんな転職先があるのか等も事前に知ることができます。

インタビュー参加者全員にギフト券3,000円分プレゼント!