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2014年09月30日

腰痛を抱えた看護師さんの転職

医療現場の看護師さんたちから
非常に多く聞かれるお悩みに「腰痛」があります。

今回ご紹介する34歳のベテラン看護師のAさんも、
腰痛を抱えての勤務が困難になってしまったため、
長年勤めてきた愛着のある総合病院を退職。
内科系クリニックの日勤常勤を探して
ご相談くださいました。

Aさんは職場見学をご希望されたので、
通勤範囲内の内科クリニックを2箇所ご紹介しました。

けれどもAさんはクリニック見学後、
今度は病院の外来を探したいと希望されました。

見学した事業所は決してハードな職場ではないものの、
長時間立つことになるクリニックでは腰痛が再発する可能性がありました。
また、中腰での対応や高齢の患者さまの車椅子の移乗など、
腰に負担のかかる業務が避けられない職場であることが
現場を見て分かったのです。

Aさんは、腰痛が避けられないのなら、
スタッフが少ないクリニックよりは
交替のきく病院の外来がいいと考えたのです。

「いつか元の病院に戻るためにも、医療の現場を離れたくないんです」
とおっしゃるAさん。

そこで、より良い職場を検討するために、
Aさんに腰痛の症状と経過を詳しくお聞きしてみました。

元の総合病院でAさんが最初に勤務した内科病棟は、
慢性疾患の高齢者が多かったため、
Aさんは1年めから腰痛を発症してしまいました。
人間関係が良くやりがいもあって、
職場は気に入っていたのですが、症状は年々悪化。
3年前には休職して、腰椎ヘルニアの手術を受けたそうです。

仲間に励まされて職場復帰したAさんは、
腰への負担を減らすため外来に異動しましたが、
腰痛は完治せず、欠勤を繰り返すように。
看護部長さんから「今は腰痛を治しなさい」と怒られて、
Aさんはやむなく退職してしまったのです。

今でもAさんは、疲労がたまったり無理な姿勢が続くと、
腰痛や足のしびれで数日間動けなくなるそうです。

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看護師の腰痛有訴率は約60%と言われていて、
非常に高い率であることが医療現場の問題になっています。

しかし、2014年の日本看護協会の調査では、
4割弱の病院が腰痛予防対策に組織的に取り組み、
腰痛予防教育や、福祉機器などの使用、休憩、腰痛予防体操など、
多彩な対策を講じて問題改善に努めています。

看護師が最も腰痛を感じるケアは、
体位交換、中腰での処置、移乗などといわれています。
これに対しては、
支持基底面を広くして重心を低くする、
できる限り患者に近づく、
てこの原理を応用する、
膝の屈伸を利用して水平移動する、などの
ボディメカニクスを活用してのケアが推奨されています。

けれども実際の医療現場では、
看護師一人で行うには過剰な負担が非常に多く、
腰痛を発症してしまった看護師は、
日ごろの姿勢や運動に気をつけたり、
整体・マッサージ・コルセット・痛み止めの薬物などの対症療法で
腰痛を緩和しながら働いているのが現状です。

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今回Aさんの腰痛が再発してしまったことは残念ですが、
いつか元の病院に戻ることを目標にして、
“今は腰痛を改善することを優先する”と考えて、
職場を探し直してみませんか、とお話しました。

「腰痛があっても大丈夫な職場なんてあるんですか?」
とおっしゃるAさんに、
普段からお付き合いのあるデイサービスセンターをご提案しました。

そこは自立度の高い高齢者を対象とするデイケア施設です。
業務内容はバイタルチェック、服薬管理、健康記録などで、
移乗などの介護業務は介護士が行うため、
体に負担がありません。

Aさんが気持ちを切り替えることができたので、
デイケア施設での面接にご同行しました。
施設の和気あいあいとした活動にAさんは好印象を持ち、
スムーズに入職が決定しました。


1か月後にお電話で様子を伺うと、
Aさんは楽しく働くことができている様子でした。
また、就業後に通院することで腰痛も軽減してきたとのこと。

「施設同士の交流会や、高齢者看護の勉強会もあるんですよ」
と、嬉しそうにおっしゃるAさん。
体調が安定してきたら、
ゆくゆくは元の病院の訪問看護に携わりたい、と、
意欲的にお話されていました。


腰痛でやむなく転職される看護師さんは
たくさんいらっしゃいます。
けれども腰痛と付き合いながらも、
その時に応じた働き方を考えることで、
前向きな転職につなげることができるのではないでしょうか。

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