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2015年01月20日

今いる場所から未来が見えなくても・・・

フットサルはフィールドに4人しかいないので、
2人をかわせたら、敵は一気に減り、
すごく有利になります。
でも、2人に囲まれると焦って、
普段ならしないようなミスをしてしまうんです。

人は焦るほど、視野が狭くなりますよね。


さて、今回ご紹介するNさんは3年半程、
地域の中でも忙しい急性期の病院に勤めていました。

あまりの忙しさと、
忙しさゆえの殺伐した人間関係の中で、
Nさんはミスを連発してしまい、
必死で持ちこたえてきた心が折れ、
うつの診断を受けて、休職。
復職するも、再び症状が悪化し、
2度目の休職をしていました。

半年が経ち、かかりつけの先生から、
「もう働いて大丈夫」と言われましたが、
病院からは“やっかいもの扱い”をされ、
その病院での復職は難しいと感じたNさんは、
今回、ご相談くださったのでした。

Nさんは周りに気を使える優しい人であり、
それは、周囲の感情に敏感
ということでもありました。

そんなNさんだからこそ、
病気のことを理解してくれる職場がよいと思い、
病気のことを伝えた上で、
面接をしてくれる病院を探しました。

面接には私も同行しましたが、
ひとつ目の病院では、
Nさんは極度の緊張でうまく話せず、
「吃音が出てるしまだ不安だね」
と言われてしまい、見送りに・・・。

Nさんは自分を責め、
「やっぱり自分が働ける病院なんてないんです」と
落ち込んでいました。

次に面接の設定をしていた病院は、
以前に、新卒2ヶ月ほどで適応障害になった方を
ご紹介した経緯があったので、
「その看護師さんは今、楽しく働いてますよ」
とお伝えし、
Nさんが落ちつたタイミングで
面接に同行しました。

面接に向かうタクシーで、
Nさんを落ち着かせようと、
いろいろお話しをしていましたが、
Nさんはうつむいたままで、
私の声が届いていないようでした。

すると、タクシーを降りる際に
運転手さんが優しい声で
「いってらっしゃい」
と微笑んでくれたのです。

その意外なひと言に、
Nさんはやっと顔を上げました。

面接をして下さった看護部長さんは、
60代の男性で、
多くの経験を積んできた
余裕と威厳のある方でした。

Mさんは前回よりはしっかりと
自分のアピールができていました。

ところが、
うつのことを伝えるときに、
声が震え出してしまったのです。

すると、看護部長さんが独り言のように
「人間の心も、たまには風邪引くこともあるよな。
 治ったなら、もう大丈夫。一緒に頑張ろう」
と言ってくださったのです。
Nさんの緊張は一気に揺み、涙が溢れました。

その後、看護部長さんや私に、
「頑張ります!」と
何度も何度も頭を下げてくださったNさん。
帰りには、
「あのタクシーの運転手さんにお礼が言いたい」と
配車センターに電話しそうな勢いでした。


転職から半年。
Nさんは「思っていたより残業が多いんですよ」などと、
グチまでこぼせるようになっていました。

「でも、仕事をしていると
 余計なことを考えずに済むからいいんです」
と言うNさんは、
半年前とはずいぶん雰囲気が違い、
きびきびとされていました。
きっと、こちらが本来のNさんなのでしょう。


人は苦しい時ほど、視野が狭くなるものです。
今の環境が、病院の全て、看護師の全てではありません。

「もう自分の居場所がない」と感じている方も、
もっと他の場所には、
あなたが自分らしく過ごせる場所が
あるのかもしれませんよ。

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※相談事例は、個人が特定できない形で掲載しています

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