2023.11.14
「出産でキャリアを諦めたくない」実家での子育てのために新卒で入職した病院を退職した新人看護師(女性)の場合
高度救命救急センターの看護師を目指していたAさんは妊娠が発覚し、実家で子育てをするために、新卒で入職した職場を1年未満で退職します。その後、「看護スキルを低下させたくない」と実家近くの大規模病院を希望しますが、妊娠4ヶ月ということもあり断られてしまうAさん。アドバイザーは子育てと両立しやすいキャリアプランを提案しますが、納得できない様子です。そこで、Aさんにあるアドバイスをします。
先日、海外で頑張っていたスポーツ選手が「もっと試合に出たい」と帰国しました。
「海外で活躍して欲しい」と思っていた周囲からどんな批判を受けるかもしれず、目指していたものを途中で変えるという決断は海外へ挑戦する以上に大変だったのではないかという気がします。
さて、今回ご紹介するAさんは、第一線で活躍する看護師に憧れ、やっと資格を習得し、スタートラインに立ったばかりの看護師さんでした。
高度救命救急センターの看護師を目指していたAさん。新卒で認定看護師資格習得を視野に入れた教育を行っている都内の病院に入職し、急性期病棟で働き始めました。
ところが、入職1年目で妊娠が発覚。パートナーにプロポーズをされ、Aさんは出産を決意します。しかし、パートナーが長距離トラックの運転手であまり帰宅しないため、Aさんは里帰りして出産することにしたそう。同時に、新卒で入職した病院を退職することになってしまいました。
妊娠しても夢はあきらめたくないAさんは、「看護スキルを低下させたくない」とご実家近くでの転職を希望され、レバウェル看護へご相談の電話をくださいました。
臨床経験が1年未満で妊娠4ヶ月のAさん。希望する大規模病院の急性期病棟からは、採用は難しいと言われてしまいました。
そこで私は、雇用形態を変えてみることや、規模は小さくても看護師の求人がある地域に根付いた急性期医療を行なう病院を提案してみました。
しかし、Aさんは教育システムやキャリア形成できる環境にこだわりがあるようで、「それなら東京で、一人で出産も仕事もする」とおっしゃいました。子育てをしながら、看護師として今までどおりに働くのは容易ではありません、それでは負担が大き過ぎると、パートナーやご両親から大反対を受けたそうです。
「すべての経験が、看護の幅を広げるんですよ」。私は、Aさんに目先のことだけ考えず、長い目で看護師人生を見るようにと、お話ししました。
例えば、ご実家近くの2次救急病院は都心より救急件数は少なめですが大規模都市病院よりも少ない人数で回しているため、看護師1人で幅広い仕事を担当しています。規模が小さいからといって、「何も経験できない」ということはないのです。
また、専門性が高い医療を行なう病院でなくても、総合的な看護を経験できるので、救急の現場に近い経験もできます。働いていく中で、自分が興味を抱いた分野があれば、子育てが落ち着いてから、専門性の高い環境へ転職することも可能なのです。
そして、高度救急センターで現在活躍している看護師も、始めからその場にいたわけではありません。さまざまな病院、いろいろな科などで多くの経験を積んできているのです。
すると、Aさんは「出産によるブランクで同期のみんなに置いていかれると思って…」と、心の奥にしまっていた言いにくい本音を話してくださいました。
Aさんは看護学校時代から、人一倍、目的意識が高く、努力家で成績も優秀だったため、周囲のみんなから「Aさんはすごい看護師になる」と言われてきたようです。
Aさん自身も絶対そうなると思っていたし、周囲の期待も裏切りたくなかったAさん。新卒1年目で、ブランクができることが不安だったのです。
とはいえ、出産はすばらしい経験です。妊婦の気持ちや状態を理解できることは、救命センターで看護する際にも、強みにすることができるはずです。
そんな話を繰り返し、Aさんはやっと“周囲の期待”という枷をはずすことができました。
そして、ご実家の近くの急性期病院から、「出産後に常勤になってくれるなら」という条件で、非常勤勤務の内定をもらい、入職を決めました。
しばらくはご実家で、子育てをしながら地域医療に関わり、将来は都心部の大きな病院で新しいステップを踏み出したい、と目標へのアプローチを変えたのです。
看護師の道のりは長いもの。目標があるのならば、どんな道をたどっても、すべて経験になります。
誰かと比較しなくても良いんです。周囲の期待を裏切るのは怖いことかもしれませんが、それはあなただけの道。自分で決めて、自分で変更していけば問題ありません。
あなたが諦めない限り、道は続くのですから。
看護業界は、その仕事の専門性の高さから経験やスキルが重要視されます。そのため、ライフステージの変化によるキャリアダウンを不安に思う看護師さんも多いでしょう。下記では、自分が描いてきたキャリアプランとこれからのライフスタイルが合わないと悩む方に向けて、お悩み解決のポイントを紹介します。
キャリアを重視してライフスタイルに合わない転職をしてしまうと、応募先とのニーズの不一致から転職先がなかなか決まらなかったり、入職できたとしても働きにくさから早期退職してしまったりするかもしれません。ライフスタイルが変わったときは、生活に合わせた転職を考えることが大切です。
今まで思い描いてきたキャリアプランを実現できなくなったとしても、目標へ近づく道は一つとは限りません。目標を諦めるのではなく、アプローチを変えるのです。どんな道を辿ったとしても、看護師としての経験は役に立つでしょう。視野を広げて、長い目で新たなキャリアプランを考え直すことが、転職を成功させるためのポイントです。
ライフステージの変化などにより、これからの働き方やキャリアの積み方に不安を抱えている方は、看護師の転職をサポートする「レバウェル看護」へご相談ください。看護業界に詳しいアドバイザーが、転職のプロの目線から、キャリアプランや転職先のご提案をいたします。
また、これまでの紹介実績から、あなたと似た経歴を持つ看護師が、どういったキャリアを積んでいるのかなども含めた提案も可能。思ってもみなかった新たな可能性を見つけられるでしょう。サービスはすべて無料なので、お気軽にお問い合わせください。
「レバウェル看護」を使うと、より詳しく話を聞くことができます。どんな転職先があるのか等も事前に知ることができます。
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