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2015年02月17日

周囲からの期待という枷(かせ)を外して…

先日、海外で頑張っていたスポーツ選手が
「もっと試合に出たい」と帰国しました。

「海外で活躍して欲しい」と思っていた周囲から
どんな批判を受けるかもしれず、
目指していたものを途中で変えるという決断は
海外へ挑戦する以上に
大変だったのではないかという気がします。


さて、今回ご紹介するAさんは、
第一線で活躍する看護師に憧れ、
やっと資格を習得し、
スタートラインに立ったばかりの看護師さんでした。

Aさんが目指すのは、
高度救命救急センターの看護師になること。
そこで、認定看護師資格習得を視野に入れた
教育制度が充実している都内の病院に入職し、
急性期病棟で働き始めました。

ところが新卒1年目で妊娠が発覚。
恋人にプロポーズをされ、
Aさんは出産を決意。
恋人が長距離トラックの運転手で
あまり帰宅しないため、
Aさんは里帰りして、
出産することとなったのです。

妊娠しても夢はあきらめたくないAさんは、
「看護スキルを低下させたくない」と
ご実家近くでの転職を希望され、
ご相談の電話を下さいました。

しかし、新卒1年未満で経験は浅く、
妊娠4ヶ月のAさん。
希望されている大規模病院の急性期病棟では
採用は難しいと言われてしまいました。

そこで雇用形態を変えてみることや
規模は小さくても看護師の求人がある
地域に根付いた急性期医療を行なう病院をご提案。

しかし、Aさんは
教育システムやキャリア形成できる環境にこだわり、
「それなら東京で、一人で出産も仕事もする」
とおっしゃいました。
でも、それは到底、無理なこと。
恋人にもご両親からも大反対を受けました。

「すべての経験が、看護の幅を広げるんですよ」
私は、Aさんに目先のことだけ考えず、
長い目で看護師人生を見るようにと、
お話ししました。

例えば、ご実家近くの2次救急病院では、
都心より救急件数は少なめですが、
医師もベテラン看護師もたくさんいる大規模都市病院より
看護師一人が担う仕事が多く、
経験という意味では充実できると思います。

また専門性が高い医療を行なう病院ではなくても、
総合的な看護を経験できるので、
救急の現場に近いと考えることもできます。
その中で、自分が興味を抱いた分野があれば、
子育てが落ち着いてから、
専門性の高い環境へ転職することも可能なのです。

高度救急センターで現在活躍している看護師も、
始めからその場にいたわけではなく、
さまざまな病院、いろいろな科などで
多くの経験を積んできているのです。

するとAさんは
「出産のせいで同期のみんなに置いていかれると思って…」
と、心の奥にしまっていた
言いにくい本音を話してくださいました。

Aさんは看護学校時代から、
人一倍、目的意識が高く、
努力家で、成績も優秀だったため、
周囲のみんなから
「Aさんはすごい看護師になる」と
言われてきました。

自分でも絶対そうなると思っていたし、
周囲の期待も裏切りたくなかったAさんは
新卒1年目で出産というブランクを持つことが
不安だったのです。

しかし、出産はすばらしい経験です。
妊婦の気持ちや状態を理解できることは、
救命センターで看護する際にも、
強みにすることができるはずです。

そんな話を繰り返し、Aさんはやっと
“周囲の期待”という枷をはずすことができました。

そして、ご実家の近くの急性期病院から、
「出産後に常勤になってくれるなら」という条件で、
非常勤勤務の内定をもらい、入職を決めました。

しばらくはご実家で、
子育てをしながら地域医療に関わり、
将来はまた、都心部の大きな病院で
新しいステップを踏み出したいと
目標へのアプローチを変えたのです。


看護師の道のりは長いもの。
目標があるのならば、どんな道をたどっても、
すべては経験になります。

誰かと比較しなくてもいいんです。
周囲の期待を裏切るのは怖いことかもしれませんが、
それはあなただけの道。
自分で決めて、自分で変更してもいいのです。

あなたがあきらめない限り、
道は続くのですから。

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