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2015年06月09日

他職種から看護師になって

一般企業に勤めながら、
ずっと救急救命士を目指していたTさんは、
30歳までに公務員試験に合格できなかったので、
看護師として救急を目指すことにされた方でした。

32歳で3年制の専門学校を卒業すると、
急性期病院に就職。
しかし、入職してみると、
サービス残業は当たり前、
有給が取れなくても仕方ない、
という看護師の労働環境に
疑問を抱くようになりました。

その疑問を上に話してみたところ、
「病院で働くことをわかっていない」と一蹴され、
同じ看護師仲間に話してみても、
「みんな同じだから」と相手にされなかったそうです。

どうしても納得がいかないTさんは、
わずか5ヶ月で退職。
転職を決意し、ご相談くださったのでした。

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日本看護協会は、
看護師の労働環境の改善を推進するため、
業務上必要な仕事(申し送りや看護記録の作成など)の業務も
残業手当を支給するように促がしていますが、
現場の改善にはまだまだ至っていないのが実情です。

また現場レベルでも、
「患者のため」という名目で、
サービス残業を美化する傾向が長年あり、
始めは不満を持っていた看護師も、
「自分もそうだったから」という理由で
良くない慣習を受け継いでしまうことがあるのです。

労働基準法では、
1日8時間、週40時間(事業所人数による差あり)しか労働できません。
届出があれば時間外労働は可能ですが、
時間外労働にも可能な時間数が決まっています。
また時間外労働にも賃金が発生すると定められており、
「サービス残業を当たり前」と発言すること自体も、
違法行為なのです。

看護師の労働環境改善には、
国や看護協会などの働きかけも必要ですが、
同時に看護師ひとりひとりが、
「サービス残業は間違っている」という認識を持ち、
“当たり前にしないこと”も必要なのです。

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ほぼ未経験で短期退職されたTさんは、
面接へ進める事業所自体が、
なかなか見つけられませんでした。

しかし、他業種から転職され、
「看護師の労働環境を良くしたい」という
熱意を持たれているTさんが、
存在意義を発揮できる場所はきっとあると思い、
普段から懇意にしていただいている
350床のケアミックス病院に、
事情を話してみました。

看護部長さんは
「ひとまず面接で話してみましょう」
と言ってくださり、
Tさんは面接で、
理想の看護師の労働環境について
正直に語りました。

すると面接官の看護部長さんは
「うちの病棟ではその理想通りにはできません」
と出来ない理由を丁寧に説明されました。
そして、
始めだけ短期研修で病棟に入った後、
救急外来に移動するというプランを
提案してくださいました。

Tさんはそんな看護部長さんに、
「自分ために真摯に話してくれている」
と感激されたようでした。

病棟勤務では、
急患などで残業になってしまうこともありましたが、
職場の雰囲気が良く、
周りの先輩の助けもあって、
Tさんから
「できれば研修後も病棟勤務を引き伸ばしたい」
と言う申し出がありました。

看護部長さんの許可を得て病棟に残ったTさんは、
少しでも看護環境の改善ができるよう、
まわりの看護師に呼びかけ、
業務に支障を出さず残業をなくす方法を作成して
看護部長さんに提案するなど、
環境改善に取り組んでいます。

その後、看護部長さんから、
「今のままでは看護師不足は解消できない
 と思ってはいたけど、
 実際に大きな変化を行なうには、
 Tさんのような人が必要なのかもしれないですね」
と言っていただけました。

またTさんも、
「一般社会と違う面ばかりを見て
 文句を言うのではなく、
 現場をよく知って、
 実現できる提案をすることが大事だと気づきました」
とおっしゃっていました。


私も転職サポートを通して、
看護師さんの労働環境の改善を
少しでもお手伝いしていきたいと思っています。

キツい環境を当たり前だとあきらめず、
よい環境に変えていくのは、
医療現場に関わるひとりひとりの
心の中からなのかもしれません。

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