新卒の職場を3ヶ月で退職…現状と向き合うことで見つけた働き方

2023.12.12

介護施設のイメージ

「施設看護師として働きたい」新卒入職した病院を短期退職したGさんの場合

新卒で入職した病院を3ヶ月で退職したGさんは、施設看護師を希望とのことでご相談くださいました。「急性期である必要はないですよね?」とおっしゃるGさんの言葉が気になり、前職について伺ってみたところ、残業が多くきつい指導でミスを繰り返し、医療現場で働くことに自信を失っていたとのことでした。体調を崩しながらも「新卒で辞めるなんて…」とブランクを気にするGさんに、アドバイザーがとある提案をさせていただきました。

新卒で辞めた急性期ではなく、施設で働きたい

新卒で入った病院を3ヶ月で辞めてしまったGさんは、施設看護希望でご登録くださいました。

初めてお話しさせていただいた際、「高齢看護をやっていきたいので、急性期である必要はないですよね?」と少し強い口調でおっしゃったGさん。

もしかしたらGさんは、「まだ看護師になったばかりなのだから、急性期経験を積んでからの方がいい」と周囲に言われていらっしゃったのかな、と感じました。

そこで前職のことを伺ってみると、残業が20時を越え、体力的な限界も感じていたとのこと。また、医療行為に自信がなく、きつい指導がプレッシャーになりミスをして怒られ、やる気をなくしてしまった、と話してくださいました。

「施設だったら医療行為があまりないじゃないですか」と言うGさんは、反論されることに身構えているようでした。

そんなGさんに、まずは本心を話してくださったお礼を伝え、それから、できる限り丁寧に「施設看護は難しいかもしれません」ということを話しました。

一般的に施設では医師が常に常駐していないため、不測の事態には、看護師の的確な判断と対応が求められます。先輩看護師が常に付いているわけでもありません。職場によりますが、ある程度の臨床経験がないと、採用自体難しいのが現状です。

それを分かったうえで、「それでも施設看護をやりたい」という気持ちがあるのならばもちろん応援します、とお伝えしました。

また、前職が「合っていなかった」と感じるのであれば、同じ急性期でも違う環境はほかにもあると、いくつかの求人を提案してみました。

するとGさんは、「急性期だと、また辞めたくなると思う…」、と不安そうなご様子。

Gさんの問題は、自分が自分を信じられていないところではないか。このままではどこへ転職しても、長く続けていくのは難しいかもしれない、と感じました。

「前の職場が合わなかっただけと考えてみませんか?」

そこで、「まずは『自分はダメなんだ』と責めるのをやめて、『その職場には合わなかった』と考えてみませんか?」と言ってみたのです。

するとGさんは、「新卒1年未満で逃げる自分が許せないです。親に申し訳なくて…」と言うと同時に泣き出してしまいした。

Gさんの不安定な感情の変化が気になり、日ごろの調子などをうかがってみると、嘔吐や幻聴などに悩まされていたと言うのです。一度、心療内科へ行くことをオススメすると、「親に申し訳ない」とGさんはまた泣き出してしまいました。

その後、心療内科へ行かれたGさんは、適応障害の診断を受けました。Gさんはご実家暮らしだったので、可能なら休養を取ってみた方が良いのではとお伝えしましたが、新卒でブランクが空くのが怖い、と転職を強く希望。

そこで、非常勤で入れる19床の有床診療所を提案しました。Gさんのお母さまくらいの年代の看護師が多く、職場全体でフォローしてくれる雰囲気が特徴です。

Gさんはとりあえずブランクが空かないなら、と非常勤で入職されました。

非常勤で人間関係の良い職場へ入職

「新卒で非常勤なんて…」とまだ自分を責め続けるGさんに、「Gさん、ダメだと思ったら、またそこから始めればいいんですよ。それは逃げるわけじゃなくてリスタートです」とお伝えしました。

それから半年が過ぎましたが、Gさんは今も元気に働いています。

スタッフの皆さんは、Gさんを娘のように可愛がってくれるとのことです。医療行為はまだ自信がないそうですが、残業もほぼなく定時で帰れる環境で、身体的にも、精神的にも安定しているようでした。

転職しても非常勤でも、看護師は看護師です。患者さまにとってGさんは、頼りになる看護師さんなのです。ご両親もきっとGさんが笑顔でいてくれるのが、一番うれしいと思います。

何かにつまずいても、いつでも始めることはできます。大丈夫。自分に合う場所で、自分のペースで、経験を積んでいってくださいね。

誰かに聞いて欲しい悩みはありませんか

転職成功のポイント

新卒で短期退職した経験があったり、仕事がきっかけで体調不良になったりする場合、転職に対して不安が大きいものです。ここではお悩みを解決し、転職を成功させる方法を解説します。

短期退職の経験があっても自信を見失わない

職場ごとに仕事内容や雰囲気、人間関係は異なるため、合う・合わないはあります。そのため、たとえ短期退職したことがあっても、自分を責めるのは避けましょう。「自分だけ上手くいかない…」と思い詰めてしまうかもしれませんが、客観的に見るとほかの看護師も同じような悩みを抱えていたり、その職場が合わなかったりするだけの可能性もあります。今後のキャリアのためにも、気持ちを切り替えて、新しいスタートを切ることが大切です。

現状に合った働き方や職場を考える

「前の職場は仕事がきつかった」といった経緯で短期退職した場合、次に全く環境の異なる職場を選んでも、確実に上手くいくとは限りません。今回のGさんの場合、病院勤務が合わなかったことで施設勤務を希望していましたが、看護師の人数が少ない施設は新卒だとハードルが高いという問題に直面しました。実際は体調を崩していたこともあり、非常勤で働けるクリニックへ転職したことで解決しました。本当にやりたい看護があるのであれば納得のいくまで探すべきですが、もしそうでないなら、現時点での看護経験や今抱えている悩みなどを踏まえて、自分に合った働き方を考えてみてください。

レバウェル看護に相談する

前職を短期退職し、次の転職に対して「自信がない…」と不安を感じている方は、レバウェル看護にご相談ください。レバウェル看護では、看護師専任のアドバイザーが、前職を辞めた理由を基に、現状や希望条件を丁寧にヒアリングし、働きやすい求人を紹介します。仕事や体調に不安がある場合、徐々に慣れていける職場や、非常勤の求人を紹介することも可能です。相談のみも可能ですので、お気軽にご利用ください。

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