お悩み相談室

1,000人以上の看護師さんとお会いしてきたキャリアアドバイザー達が、あなたのお悩みにお応えします。

2015年10月27日

離婚のために転職したい

先日、久しぶりに実家に帰ると、
両親が庭で作業をしながら、
くだらないことで言い合いをしていて、
「一緒に作業しなければいいのに」
と思っていたのですが、
しばらくすると今度は
台所で一緒に作業をしていました。

夫婦というのは不思議だなあと思います。


「離婚を考えているので、仕事を探したいんです」
そうご相談くださった56歳のKさんは、
看護歴33年の大ベテランさん。
現職は、勤続19年目の管理職で、
今でも急性期の第一線で活躍されている
バイタリティのある方でした。

そんなKさんですが、
長年、蓄積していた旦那さんへの不満が、
旦那さんが定年退職されたことで
一気にピークに。
娘さんもすでに嫁がれているそうで、
いわゆる“三行半”を押し付けてやろう、
と転居を目指しての転職相談でした。

まだ30代そこそこの未婚の私は、
Kさんのためになる選択に
非常に悩まされることとなりました。


Kさんのご希望は管理職で、
できれば、給与は現状維持したいが、
下がり過ぎなければOKとのこと。
急性期での採用が難しいのなら、
療養や精神もやってみたいとおっしゃいました。
また、娘さんが嫁がれた隣の県の周辺で、
転居も同時に行ないたいというものでした。

ただ管理職でも外部研修や会議ばかりではなく、
なるべく現場に関われるような事業所がよい、
とのこと。

自分の年齢や能力を的確に理解し、
可能性を考えた細かい希望設定には脱帽でした。

ただ、転職を成功させるということは、
離婚の後押しになってしまうという点が
どうにも気にかかりました。

そこで、若輩者ではありますが、
旦那さんとの離婚はどうしようもできないものなのかと、
お話を伺わせていただくことに。

するとKさんは、
溜め込んでいた憤りをたんたんと語られました。
そして、Kさんが一番許せないことは、
長年に渡るKさんの仕事への無理解、
ということがわかりました。

Kさんの長年の思いはとても理解できました。
ただ、Kさんが感情的に
人生の決断をされていることが気になり、
「転職と転居を同時に始めるのは大変なので、
 転居は落ち着いてからにされてはいかがですか?」
とお話しさせていただきました。

すると「どうせ家庭内別居状態だから」と
Kさんはこの意見を飲んでくださり、
転職活動を優先することになりました。

そして、後日。
給与は若干下がるものの、
現職よりは残業がはるかに減り、
有給消化率も高いという条件の精神科病院が
「求人は出していないけれど、管理職の方なら来てほしい」
と言ってくださり、
Kさんをご提案することができたのです。

現職の引継ぎに3ヶ月の猶予をもらい、
Kさんは退職の準備に入られました。

そして、1ヶ月が経った頃、
Kさんから「お詫びしたい」との
お電話がきました。

お話をうかがってみると、
旦那さんが定年し、
家に毎日いるようになり、
はじめは好き勝手に出かけていらしたご主人が、
最近はKさんに代わって家事をしてくれるようになった、
というのです。

「喧嘩は相変わらずするけど、
 それもなくなったら、この先、寂しいのかなと思って」
と離婚を思い留まったというKさん!?

離婚しないなら、転職も必要がなく、
入職は辞退となりました。
入職予定だった人事の方には、
事情を説明したところ、
「離婚されずによかったですね」
と温かな言葉までいただき、
お許しくださいました。

Kさんが何度も謝罪の言葉を繰り返されるので、
私が恐縮していると、
あの時、転職と引越しを一緒にしていたら、
後戻りできなくなっていた、
と今度は感謝の言葉をいただきました。

「看護も夫婦も同じ。
 飽きるほど日々を繰り返しているのに、
 同じ1日など一度もない。
 だから、30年以上続けてこられたのかもしれないですね」
と話すKさん。

今回、転職を考えることで、
今まで積み重ねてきたものを振りかえり、
改めてその軌跡を感じる機会になったのであれば、
よかったな、と思います。

関連するキーワード

※相談事例は、個人が特定できない形で掲載しています

キャリアアドバイザーからのメッセージ

転職のサポート以外にも、看護師さんのお役に立てることがあるんじゃないか。
そんな思いで、この「お悩み相談集」をつくりました。

たくさんの看護師さんとお話しさせていただいてきた私たち。
キャリアアドバイザーの中には、これまで1,000人を超える看護師さんとお会いさせていただいた者もいます。

もしかしたら、あなたと同じようなお悩みを感じている看護師さんがいるかもしれません。

病院での人間関係、仕事と家庭との両立、患者さんとのコミュニケーションなど……。
迷ったり、悩んだりしたときは、ぜひお気軽にご連絡ください。

おすすめ情報

ページトップへ