体調不良で現場に戻るのが不安…それでも経験を積みたい看護師が選んだ職場

2023.5.2

日差しが差し込む病院の廊下のイメージ

「早く現場に戻って経験を積みたい!」循環器病棟に勤務して1年半で体調不良により自宅療養を余儀なくされた新人看護師のGさん(女性)の場合

新卒で循環器病棟に配属され、辛いことがあっても努力をしてきたGさん。しかし、1年半経ったころに原因不明の胃腸炎を発症し、自宅療養を余儀なくされてしまいます。半年ほど自宅で療養しますが、「早く看護師として経験を積みたい」という気持ちと同時に、「現在の職場に戻ると、また胃腸炎が再発するのでは」といった不安を抱えているようでした。そのため、「職場を変えたら、また仕事ができるのでは?」と、レバウェル看護にご相談くださいました。

看護師として経験を積みたい気持ちと現職へ戻ることへの不安

スポーツではよく心・技・体のバランスが大切といいます。若い選手には体力がありますが、経験やメンタルコントロールはベテラン選手の方が上手ということがあります。心と体と技のバランスが取れる時期に活躍できるようになるのは社会人も同じことが言えるのではないでしょうか。

今回ご紹介するGさんは、新卒で循環器病棟に入職され、辛いことがあっても「2年で心電図を読めるようになる!」と意気込んで頑張られていた看護師さんでした。

成長への努力を惜しまなかったGさんですが、1年半ほどしたころ急に原因不明の胃腸炎に襲われ、しばらく休みをもらうことに。

その後、何度も復帰しようとしましたが、その度に原因不明の胃腸炎に襲われたそうです。精神科へも受診しましたが改善せず、半年間自宅での療養を余儀なくされました。

そんな状況の中、Gさんは看護部長から「新人はストレスがあって当たり前。現場に戻ってきなさい」と言われているというのです。Gさんの体調を考えると、急性期の常勤はまだ厳しいのが現状。また、「現職に戻ると、またひどい胃腸炎に襲われるのではないか」と強い不安を感じているようでした。

その一方で「仕事がしたい!早く一人前になりたい!」という思いもあるGさんは、「環境を変えてみたら仕事ができるかも」と、転職のご相談をくださったのです。

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日本看護協会の調査(2020年4月1日~2021年3月31日)によると、看護師の離職率は10.6%で、新卒看護師は8.2%とあります。
一方、厚生労働省の調査(2020年1月1日~2020年12月31日)によると、全職種での離職率は14.2%。調査期間が異なるため比較することは難しいですが、看護師の離職率は全体の離職率よりも低い傾向にあるようです。

看護師の離職率が低い理由には、「看護師がスキルアップ・キャリアアップするには経歴が重要視される傾向にある」「せっかく看護師免許を取得したから離職したくない」があるでしょう。

このような理由から、体調に不調を感じても無理して続ける看護師さんも多いようです。とはいえ、体調不良を感じながらも仕事を続けると、看護師に復帰できないほど悪化してしまう可能性もあります。

短期間での退職はおすすめできませんが、もし体調不良が続いている場合には、転職を検討してみるのも選択肢の一つです。

出典
日本看護師協会「2021年 病院看護・外来看護実態調査 報告書(p13)」(2023年3月27日)
厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果の概況(p6)」(2023年3月27日)

「身体と心のバランスが取れる職場を探してみましょう」

「仕事をしたい」という思いはあるのに、身体がSOSを出しているGさん。

私は「休養せずに仕事を続けていきたいなら、心と体のバランスを取ることを考えましょう」と、Gさんと働き方について話し合いました。

そして、「看護師として経験を積みたい」というGさんのご希望を受け、急性期でも日勤常勤が可能な職場を探すことになりました。

いくつかの事業所をあたってみたところ、Gさんの体調を考慮した上で、「夜勤に月1、2回入ってくれるなら」という条件で面接をしてくださる看護部長さんが見つかりました。

面接当日、Gさんはかなり緊張した面持ちでしたが、看護への想いだけでなく、体調面の不安も正直に話すことができたそう。Gさんの体調不良に関しても理解を示してくれたようで、とても安心した様子でした。

看護部長さんも、「長く働いてくれる人材と感じました」と喜んでくださり、今回は双方にとって良い形で転職を決めることができました。

焦らずじっくり、なりたい看護師を目指す

Gさんが働き始めてしばらくしてからご様子を伺ってみると、「今の職場は和やかな雰囲気でとても働きやすい」とのこと。また、体調も快方に向かっているそうです。

ほかにも、「前職は教育熱心な環境で自分も燃えていましたが、本当はプレッシャーだったのかもしれません」とGさんは話されていました。

人は時に、心と身体のバランスが崩れてしまうことがあります。患者さんの命を左右する可能性のある看護師の仕事は、プレッシャーが大きいもの。「頑張りたい」という気持ちがあっても、身体がついていかないと感じることもあるでしょう。

体調不良などで看護師の仕事を休んだとしても、何度でも始め直すことはできます。そして、これまでの努力も、きっとあなたの力になっているはずです。不安にならずに、どうかじっくりとなりたい看護師を目指してくださいね。

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転職成功のポイント

心身に不調を感じているのに無理して仕事を続けると、症状が悪化してしまい結果的に時間がかかってしまう可能性があります。もし、ストレスなどで体調に不調を感じているのであれば、悪化する前に働き方を見直すことが大切です。ここでは、「看護師を続けたいのに体調不良で現場に戻ることに不安を感じている」という方に向けて、転職のポイントを解説します。

体調不良の原因を明確にする

「経験を積むために早く転職して現場に戻らなくては」と焦って転職してしまうと、前職と同じような理由で離職してしまう可能性が高くなってしまいます。そのため、体調不良の原因を明確にしてから次の転職先を探すことが大切です。

体調不良の原因を明確にして対策しておくことで、長く働きやすい職場を見つける目安になります。また、ただ闇雲に転職先を探すよりも、効率的に転職活動を進められるはずです。

自分に合った職場を見つける

自分の体調不良やストレスの原因を明確にしたら、それをもとに自分に合った職場を探します。看護師が感じるストレスとしてよく聞かれるのは、「交代勤務による不規則な生活」や「患者さんの命に関わる仕事というプレッシャー」など。

もし、不規則な生活が原因になっているのであれば、日勤のみや夜勤専従といった、自分に合った生活リズムで働ける職場を探すのがポイント。患者さんの命に関わる仕事にプレッシャーを感じているのであれば、かかりつけクリニックや美容外科、デイサービスなどが向いているかもしれません。
ただ、「今の職場を離れれば良い」のではなく、自分に合った職場を探すことが大切です。

レバウェル看護に相談する

「自分に合った職場が分からない」「忙しくて転職活動をする余裕がない」という方は、看護師の転職を専門にサポートする「レバウェル看護」にご相談ください。
レバウェル看護は、悩みや希望条件を丁寧にヒアリングしたうえで、あなたに合った求人をピックアップしてご提案。アドバイザーは看護師求人を豊富に把握しているため、自分では思ってもいなかった仕事の可能性が広げられる可能性もあります。

また、今の悩みや希望条件などを第三者に話すことで、本当の自分の気持ちに気付けることも。自分に合った職場を見つける手がかりとなることがあります。そのほか、「退職の話をすると引き止められる」「なかなか退職の話を進めてくれない」という場合は、アドバイザーから退職の伝え方などアドバイスをすることも可能です。サービスはすべて無料なので、お気軽にお問い合わせください。

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