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2016年12月13日

理想の高齢者看護を実践できる職場を探して

時に理想は、人を苦しめてしまうことがあります。
理想の自分になれないことで苦しんだり、
自分には重すぎる荷物を手放せず悩んだり…。

理想は、人を向上させるものですが、
それを叶えづらい状況にいる人を
悩ませることもありますよね。


今回、ご紹介するWさんは
新卒で付属病院の急性期で2年、
救急外来で2年勤務した後、
訪問看護へ異動し、
高齢者看護にやりがいを感じて、
自分の理想の看護観を
持つようになった看護師さんでした。

そこで、ご自身で見つけた
医療療養型病棟へと転職されたのですが、
その病棟は25対1と看護師の人数が少なく、
夜勤の人数はいつもギリギリで、
残業はほぼ毎日という状況でした。

また、コミュニケーションが難しい患者さんが多いのですが、
長くいる先輩看護師は声掛けをあまりしなかったり、
褥瘡が多く見られるのに体位変換の頻度が少なかったりして、
Wさんが積極的にコミュニケーションを取っていると、
あまり良い顔をされず、嫌味を言われることもあったそうです。

始めは「自分だけでも」と頑張っていたWさんでしたが、
思い描いていた看護をまったく実践できない環境に、
次第に体力的にも精神的にも疲れ切ってしまい、
「看護師を辞めたい」とまで思い詰めて、
今回、私どもにご相談くださったのです。


師長さんや部長さんへ相談することをおすすめしましたが、
Wさんは師長さんにはすでに話したけれど、
まったく動いてくれなかったというのです。
Wさんはまだ入って間もないということもあり、
部長さんに話す勇気はないということでした。

あまりにもつらそうなWさんの声に、
職場の状況改善が難しいようならば、
転職を考えてみることをご提案しました。

するとWさんは、
「高齢者看護はやりたいんです。
 でも、私が思っているような看護ができるところなんて、
 どこにもないような気がします」
とおっしゃいました。

そこで療養型病棟にもさまざまな病棟があり、
取り扱っている疾患がどのようなものが多いのか、
介護依存度はどのくらいかなど、
さまざまな要因によって
実践する看護にも違いがあることをお伝えしました。

話し合う中でWさんは、
救急外来や急性期病棟時代の話を
イキイキとしてくださいました。
その声は、今の職場の話をしている時と真逆の
元気な声に変わっていました。

そこで、Wさんの
救急外来や急性期病棟でのスキルを生かして、
高齢者看護を実践できる
一般病院の慢性期病棟をおすすめしてみました。

患者さんや仕事内容はそれほど変わりませんが、
看護師の配置は13対1で、
残業もあまり多くありません。
また患者さんのQOLの向上や自立を
積極的に行っていく方針の病院なので、
患者さんのためをつねに考えながら、
Wさんの理想の看護を実践していくことができます。

話を聞いたWさんは、
「直接、話を聞いてみたいです」
と前向きにおっしゃってくださいました。

面接でWさんは、
師長さんからその病院の方針を聞き、
ここで働きたいと強く気持ちを固められました。
その想いは師長さんにも伝わり、見事、内定。
Wさんは1ヶ月後に転職することができました。


その後、しばらくしてWさんから、
「大変なことは色々とありますが、
 自分がやりたかった看護ができているので、
 頑張っていけそうです」
というメールを頂きました。


高齢者看護を実践する職場には、
さまざまな環境があります。
受け入れている患者さまの基礎疾患や介護依存度、
病院の方針やそこにいる看護師の看護観によっても、
違ってくるものです。

どんな職場でも「良い環境にしたい」と
頑張ることは大切ですが、
もし、ご自身の負担が大きすぎて
潰れてしまいそうな時には、
無理をせず、
ご自身の心と身体の健康を優先することも
大事なのではないかと思います。

患者さんが大切なように、
看護師であるあなたという1人の人間も
大切な存在なのですから。

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