「お礼奉公中に転職したい…でも全額返済は無理」アドバイザーの提案は?

2023.9.22

豚の貯金箱と聴診器のイメージ

「お礼奉公があと1年残っているけど、病棟経験が積める病院に転職したい」将来のキャリアに不安を抱える看護師2年目のGさん(女性)の場合

新卒で内科外来に配属され、1年で透析に異動になったGさん。病棟看護を学びたいと考えていたGさんは、急性期病院への転職を検討します。しかし、Gさんはお礼奉公中とのこと。Gさんの病院の場合、お礼奉公中の退職は全額返済が求められるため、転職に不安を抱えているようでした。一括返済できる状況ではないため、アドバイザーはある提案をします。

病棟看護を経験しないまま看護師3年目になれない

看護学校に通う際、看護奨学金を利用したという方も多いでしょう。看護奨学金は病院が学費を貸与する制度で、看護学校卒業後に貸与を受けた病院で一定期間勤務すると、返済が免除されるのが特徴です。この、返済期間のことを一般的に「お礼奉公」と呼びます。

今回、ご紹介するGさんは、そんなお礼奉公2年目の看護師さんでした。

Gさんは看護師になった当時、「急性期病棟で成人看護の基礎を学びたい」と考えていたそうです。しかし、新卒で配属されたのは内科の外来で、1年後には透析へ異動になりました。

看護師になって2年。「成人の病棟看護を経験しないまま看護師3年目に入ってもよいものか…」そう感じるようになったGさんは、ご自身で転職活動を始められたそうです。

しかし、いくつかの病院を受けるもなかなか内定がもらえず、自信を無くしたGさんは、レバウェル看護にご相談くださいました。

Gさんに今までどんな病院を受けたのか伺うと、どこも即戦力を求めている忙しい急性期病棟ばかりでした。病棟経験がないGさんは、即戦力にならないと判断されてしまったのでしょう。

そこで私は、新卒でなくても教育をしっかりしてくれる大規模病院をご提案しました。

お礼奉公があと1年残っているが返済は難しい

提案した病院をGさんは気に入ってくださいましたが、ほかにも何かを迷われているご様子です。

転職を成功させるためには、どんな些細なことでも話してくださるようお伝えしたところ、「実は…私はあと1年くらい、お礼奉公が残っているんです」と教えてくださいました。

お礼奉公中に退職した場合、Gさんが勤める病院では奨学金の全額返済が求められるようです。しかし、全額返済できるお金はなく、身内にも借りられないというGさん。「お礼奉公中に転職できるのか」といった不安を抱えていました。

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お礼奉公中の看護師が病院を退職・転職することはできますが、貸与型の奨学金の場合は退職時に返済する必要があります。

お礼奉公中に退職する場合、「働いた期間を除いた金額を返済する」もしくは「働いた期間に関係なく全額返済する」のが基本。さらに、分割返済を可能としている病院はありますが、一括返済が求められることが大半です。そのため、返済ができない場合、契約期間が完了するまで転職をあきらめてしまう方もいるでしょう。

勢いで転職を決めてしまうのは、おすすめできませんが、どうしても今の職場が辛い場合は、「奨学金立替制度」を利用する方法があります。

「奨学金立替制度」とは、やむを得ない事情で退職した場合、ほかの病院が奨学金を肩代わりしてくれる制度です。奨学金を肩代わりしてくれた病院で一定期間働くことで、奨学金返済を免除できます。

奨学金立替制度を利用して転職

Gさんにしばらく時間を頂戴し、急性期病棟を持ついくつかの病院に、Gさんの真面目な人柄と急性期でのやる気を伝え、奨学金の相談をしてみました。

すると、そのうちのひとつの病院から、「奨学金を肩代わりしても良いですよ」という返答を頂けたのです。

さらに、Gさんにアドバイスをしながら現職の病院に奨学金の交渉をしてもらい、全額返済から勤務してきた2年分を減額してもらうことができました。

奨学金を肩代わりしてくれる病院への転職が決まったGさん。「お礼奉公中の転職がこんな風にできるなんて思ってもみませんでした」とおっしゃるGさんは、安堵と希望が感じられる明るい声でした。

職場との相性や目標などさまざまな理由で、「お礼奉公中だけど転職したい」と考える看護師さんは少なくありません。

そんなとき、不義理だと自分を責めたり、はじめから無理だと決めつけないでください。

大切なのは、「自分がどうなりたいのか」という明確なビジョンを持つことです。

そのために、まずはお礼奉公している病院を続けるメリットとデメリットについてしっかり考えることから始めると良いでしょう。

それでも転職をしたいなら、ビジョンを持って相談をすれば、思いは伝わり、協力してくれる人が現れ、道は拓けていくと思います。個人では困難だと感じる時は、いつでもご相談くださいね。

お礼奉公中であっても、自分の働く場所について真剣に考えることは、大切なことです。

日々の勤務が、“経験”という看護師の財産になっていくのですから。

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転職成功のポイント

お礼奉公中の退職は、奨学金の返済を求められるため、なかなか踏み出せない看護師さんも多いでしょう。ここでは、お礼奉公中の転職を検討している方に向けて、転職成功のポイントを紹介します。

転職したい理由を明確にする

転職活動を始める際、まずは転職理由を明確にすることが大切です。転職理由が曖昧なまま転職してしまうと、新しい職場でも同じような問題を抱えてしまうかもしれません。

相談者のGさんの場合は、「急性期病院の病棟での勤務経験を積みたい」でした。加えて、病棟経験がなかったたGさん。新卒と同様の教育が受けられるフォロー体制が手厚い急性期病院を中心に探すことで、転職を成功させることができました。転職理由を明確にすることで、自然と自分に合った転職先が見えてくるはずです。

今の職場を続けるメリットとデメリットをよく考える

「今の職場を続けるメリット・デメリット」を挙げ、お礼奉公中に本当に退職しても良いか、しっかり考えてみましょう。Gさんは奨学金の返済を求められましたが、今の職場ではキャリアビジョンの実現が難しいと判断し、転職を決めました。

お礼奉公中の退職・転職はトラブルになる可能性が高く、あまり好ましくありません。転職に伴い、引越し費用も掛かる可能性もあります。今の職場を続けるデメリット以上にメリットがあるかを、確認してみましょう。

奨学金を立て替えてくれる病院を探す

本記事の相談例のように、奨学金の一括返済が難しい場合、奨学金を立て替えてくれる「奨学金立替制度」がある病院へ転職するのも選択肢の一つです。
奨学金の立替制度がある病院に転職し、転職先で一定期間勤務すれば奨学金の返済が免除されます。Gさんのように、「急性期で経験を積みたい」などといった熱意を伝えられれば、奨学金立替制度を受けられるでしょう。

レバウェル看護に相談する

奨学金を立て替える制度を導入している病院は少なく、奨学金立替制度を公にしていない病院もあります。そのため、自分で求人を探すのは大変でしょう。

レバウェル看護では、お礼奉公中の転職もしっかりサポートします。求人票やホームページで奨学金立替制度を公表していない病院の求人も把握しているので、自分で探すよりも転職先の選択肢を広げられるでしょう。また、今の職場で奨学金を減額できないか、などのアドバイスをすることも可能。サービスはすべて無料なので、お礼奉公中の転職を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。

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