最適なタイミングで転職する為にシングルファザー看護師が親に相談したこと

2023.11.10

「家族や将来のために転職を考えているが親の意見と食い違う」精神病棟で2年勤務している准看護師Aさん(39歳/男性)の場合

2年前シングルファザーになったことをきっかけに准看護師になったAさん。精神病棟で勤務を続けていましたが、職場の体制が変わることになり、当面の待遇は現状維持と言われてしまいました。子どもや将来のことを考えて転職を検討するAさんに対し、Aさんのお母さんが転職は必要ないとおっしゃられたそうです。アドバイザーはAさんの希望や考えをお母さんに伝えるべく、一緒に面談をすることを提案しました。

仕事に打ち込めるようになったタイミングで将来を考えるように

39歳のAさんは、2年前シングルファザーになったことを機に、「手に職を」という思いで准看護師の資格を習得された男性看護師です。

長期入院患者が多い精神病棟に勤務して2年。37歳にして新人。女性の多い職場で、経験のない世界で、Aさんは必死に仕事を覚えながら、お子さんの面倒も見てきました。

この春、お子さんは幼稚園の入園が決まり、Aさんのお母さんも長年勤務していた病院を定年退職する予定です。そうなると、幼稚園から帰宅したお子さんの面倒をAさんのお母さんが見てくれる時間が増えるとのこと。Aさんは、このタイミングでやっと将来のことを考えられる余裕が出てきたそうです。

「仕事にもだいぶ慣れたので、今後のためにも正看護師の資格を取りたいと思うようになったんです」
そんな矢先、勤務先の病院の経営者が変わり、昇給制度や教育環境の見直しがされ、Aさんは「当面の働き方は現状維持で」と告げられてしまいました。

子供の進学や将来のことを考え、現状維持で手一杯な勤務先で働き続けていて良いのかと不安になり、お電話をくださったのです。

私が「資格習得支援があり、定期昇給のある病院をいくつか見てみますか」とお伺いすると、Aさんは転職すること自体に悩んでいるようでした。

Aさんの年齢やお子さんの進学時期を踏まえると、転職のタイミングは現在が最適といえます。私は、ご本人が乗り気ではないなら、様子を見た方が良いのかと迷いました。

しかし、Aさんには子供を引き取ってシングルファザーになると決断した勇気や、「手に職を」と努力し準看護師になった意思の強さがあります。

そんなAさんなら、転職してスキルアップをしていける強さとパワーがあると思い、もう少し転職を勧めてみることにしました。

お母さんも含めて面談を実施、アドバイザー経由でAさんの気持ちを伝える

詳しくお話を伺ってみると、Aさん自身は転職してスキルアップしたいと強く思っているようでした。しかし、看護師の大先輩であり、お子さんの面倒をよく見てくれているAさんのお母さんが、転職は必要ないと反対しているそうです。

私は、Aさんの気持ちを伝えたいと思い、「一度、お母さんもご一緒に面談をしてみませんか」と提案しました。Aさんは戸惑いながらも、「お願いします」と承諾してくださいました。

長年1つの病院で勤め上げてきたAさんのお母さんは、温和ながらもしっかりした雰囲気がありました。

Aさんのお母さんがおっしゃる「同じ場所で長く勤める良さ」や、「病院が大変なときに辞めるのは非情」ということは、正しいご意見だと思います。
それを理解したうえで、働いてくれる人に甘えて雇用環境の改善を疎かにしている病院を見てきたこと、反対に人が離れて改善された病院もあることをお伝えしました。

「お孫さんのこれからのためにも、Aさんが資格を取るためにも、定期昇給や資格支援のある病院に転職し、そこで長く勤めていくのが良いのではないでしょうか」
私は、具体的な病院候補を出しながら、ご理解いただけるように説明しました。

お母さんはAさんが「正看護師の資格を取ろう」と考えていたことを知らなかったご様子。Aさんは今まで母親に言うことが恥ずかしく、話をしていなかったそうです。

面談を終えると、そこから暫く連絡はありませんでした。そろそろご連絡しても良いだろうかと考えていた頃、Aさんから「病院を紹介してほしい」とお電話をいただきました。お母さんが転職を承諾してくれたとおっしゃるのです。

面談でAさんが色々考えていたことを知ったお母さんは、「転職をしてもよい」と思ったのですが、一度反対した手前、なかなか言い出せずにいたそうです。

そんなとき、Aさんが患者さんから暴力を受けてしまい、お子さんが「パパがまた怪我をするのではないか」と仕事へ行くのを心配し、毎朝泣くようになったのだそうです。それをきっかけに、Aさんのお母さんは、「転職してもいいんじゃない」と伝えられたということでした。

「母と一緒に話をしていただいたことで、お互い言えなかった本当の気持ちを知ることができました」とAさんはおっしゃってくださいました。

資格取得支援制度や昇給制度のある病院で正看護師を目指している

Aさんは、資格支援や研修が充実している病院に転職しました。もちろん、昇給制度のある病院です。「正看護師になって、いつかは認定看護師も目指したい」と希望に満ち溢れ、業務に励んでいます。

転職のタイミングはとても重要なものです。しかし、転職を決断するには、家族や周りの人の同意も大事にしなければなりません。

家族だから素直に言えないこと、言い辛いこともありますよね。自分にとって身近な人だからこそ、あなたの気持ちをしっかり理解してもらい、応援してもらえることが一番だと思います。

そのためのお手伝いが少しでもできたら良かったな、と思った今回の出来事でした。

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転職成功のポイント

ここでは、シングルファザーやシングルマザーの看護師が転職を成功させるためのポイントをまとめました。

家族と話し合って今後の方向性を決める

家庭がある看護師の場合は、自分の考えだけでなく、家族の意見にも耳を傾けることが大切です。日頃からコミュニケーションを取り、お互いが転職についてどのように思っているのかを擦り合わせるようにしましょう。現在の境遇や転職によって改善できることを話し合い、双方が納得できる終着地を見つけます。

目標が叶えられる環境に転職する

「スキルアップがしたい」「働きながら准看護師から正看護師を目指したい」というように、転職によって叶えたい目標がある場合は、それが達成しやすい職場を選びましょう。Aさんのように資格取得や将来の生活を考えるなら、資格取得支援制度や昇給制度のある環境に就けば、やりがいをもって働けます。准看護師や看護師が転職する際は、自身のキャリアプランを明確にし、希望を叶えるために行動することが重要です。

レバウェル看護に相談する

「家族や将来のために転職を考えている」「転職について家族と話し合いたいが、なかなか自分の意見を伝えられない」とお悩みの方は、レバウェル看護にご相談ください。
レバウェル看護では、今回お話したAさんの場合のように、ご家族も納得できる解決策をアドバイザーが一緒に検討いたします。あなたが考えているキャリアや、提案予定の求人のメリットをご家族に伝えることも可能なので、双方の折り合いがつけやすくなります。アドバイザーのサポートを活かせば、あなたが叶えたい目標にぴったりの仕事を見つけられますよ。

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