看護師の業務がこなせない…2年目の看護師が転職で選んだ職場とは

2023.4.12

cprの実習風景のイメージ

「自分でも働けそうな日勤の病院に転職したい」総合病院に勤務する2年目の新人看護師 Eさん(24歳/女性)の場合

忙しさや体への負担を理由に転職の相談をくださったEさんは、日勤のクリニックを希望されていました。条件は夜勤がないこと以外にあまりこだわりもなく、転職を急ぐ様子に異変を感じたアドバイザーが話を聞いてみると、本当のお悩みは別のところにありました。
常に忙しい職場では新人教育が十分に受けられず、Eさんは2年目になっても仕事がうまくできないことに悩んでいたのです。業務がこなせないことから忙しいときでも夜勤に入れてもらえず、自分でも働けそうな日勤帯の職場を希望されていました。

忙しすぎる職場を辞めたい本当の理由とは

「日勤のみで、楽に仕事できないですか?」

24歳で2年目の看護師Eさんは、とにかく忙しくて身体を壊しそうだとご相談のお電話を下さいました。

日勤のみ、という条件を優先するなら、ちょうど看護師を急募しているクリニックがあったので、Eさんにそのお話をすると、簡単な条件を確認しただけで、「じゃあ、そこでいいです」と二つ返事でした。

Eさんのご希望には合っているし、クリニック側も急ぎの求人で問題はないのですが、何かEさんの決断が軽すぎるというか、このままご紹介して双方にとって“いい転職”になるのだろうか、と私の方が悩んでしまったのです。

「早く面接したいんですけど、いつできますか?」と急いて来るEさん。そこで「面接の練習をしましょう」と、まずEさんに会って話をしてみることにしました。

Eさんは残業が多く、帰り時間が読めないからとお休みの日に時間を取って下さいました。

休日のせいか、電話とは違い落ち着いた印象のEさんは、「あの日は、もう疲れ過ぎて少しでも早く転職したかったんですよ」と少し照れながら言いました。

そんなに忙しいのかと現状をお伺いすると、現在、Eさんが勤務している病院は、その地域で唯一の大きな総合病院で、救急もあり、曜日時間問わず、とにかく忙しいのだと言うのです。

「毎日、勤務時間が終わっても帰っていいのかと思うほど忙しくて、夜勤なんて、常に人がいないんです…」

重なる残業と、厳しい夜勤続きで疲労され、夜勤のない病院をご希望されたのかと納得すると、Eさんはそうではないのだ、と言うのです。

看護業務を学んで夜勤もできるようになりたい

新人の頃から常に忙しい環境に入ったEさんは、初めからまともに教育を受けられた機会がなく、現在2年目だというのに業務が上手く出来ずに、夜勤で人がいない時であっても夜勤シフトに入れてもらえなかったのです。

自信を持てないEさんは、ミスをしてしまい、忙しさに余裕のない先輩たちに八つ当たりをされ、またミスをするという悪循環に陥っていたのです。

EEさんが今の病院を選んだのは、「大きな病院だから」というお母さんの勧めでした。

Eさんのお母さんは看護師です。子供の頃は、夜勤で母親がいないこともよくあり、ずいぶん寂しい思いをし、看護師という仕事を恨めしく感じていたそうです。

しかし、高校生になると看護師の大変さやすごさがわかり、母親に協力できるようになったのだ、とEさんは話して下さいました。

私が「昼間も、人が寝ている間も、患者さんのため、家族のために頑張るお母さんを尊敬していたんですね」と言うと、「夜勤明けなのに私のお弁当を作る母の背中を見て、 私も看護師になろうって思ったんです!」とEさんは自分が看護師を目指すきっかけを思い出されたようでした。

それからEさんは、看護の勉強や実習のこと、ナース服を着た姿に喜んでくれたお母さんのこと、初めて患者さんに「ありがとう」と言われた日のことなどをイキイキと話して下さいました。

「ゆっくりとでも、看護業務が学べて、いつかは夜勤もできるようになりたい」

たくさんの思い出話をした後、Eさんからそんな言葉が出て来てきました。

しっかり基礎から指導を受けられる環境へ

そこで、日勤のみのクリニックではなく、小規模ながらクリニカルラダーシステムのある病院をご提案しました。

今回はEさんもしっかりと病院のことや雇用条件を確認され、病院を決めることができました。

中途採用でしたが、今までの状況を看護部長さんに説明すると、Eさんの「技術をしっかり身につけたい」という思いを組んで下さり、しっかり基礎からやりましょう、とプリセプターを付け、ゼロから指導を受けられることとなりました。Eさんはきっとステップを踏みながら成長し、お母さんのような頼れる看護師になってくれることと思います。

今が辛いと、そこから逃れたいという一心で、少しでも早く転職をしようと焦ってしまう方が多くいらっしゃいます。

しかし、焦って目標もなく転職してしまうと、また転職を繰り返してしまうことになりかねません。

辛いときこそ、深呼吸をして下さい。今、苦しいということは自分からの“サイン”です。それを正しく読み取るために、過去はあなたの支えになります。未来はあなたの道しるべとなります。

もし、今が自分の描いていた看護師とは違うのなら、自分がなりたかった自分に迎えるように、正しい、冷静な選択を、今からすればいい、「転職」というのはそういうチャンスなのです。

自分を見失った時こそ、Eさんのお母さんの背中のように、あなたの大事な思いを思い出してくださいね。

誰かに聞いて欲しい悩みはありませんか

お悩み解決のポイント

現在の職場の悩みを整理したり、自分が看護師になろうとしたきっかけを振り返ったりすることで、問題解決への糸口が見えてきます。「とにかく楽な職場に転職したい…」とお悩みの方は、以下のポイントを確認してみましょう。

今の職場での悩みを整理する

転職したいと思った理由を深堀して考えてみましょう。何に困っていて転職をしたいのか。それは今の職場では解決ができない事なのか。今回の場合であれば、夜勤がなくなることで困っている状況が変わるのかを考えてみるのも良いですね。目先の辛いことを回避するためだけに転職してしまうと、結果的に転職を繰り返してしまう事にもなりかねません。

どんな看護師になりたかったのか再確認する

今の職場を選んだ理由や、看護師になろうと思った理由を振り返ることで働きたい環境が明確になることがあります。今回の場合は患者さんのために夜勤もこなせる看護師になりたかったという理由がありました。そのためには看護技術を学びながら働ける環境が必要ということに気が付くことができました。

レバウェル看護に相談する

希望や目標が叶えられる職場について、自分では調べきれないこともあるでしょう。レバウェル看護ではEさんの場合のように、病院や事業所に事情を説明して求人情報に載っていない事でも受け入れが可能か問い合わせたり、入職時期や給与の交渉もしたりしています。レバウェル看護は今の職場の悩み相談からでも利用可能。サービスはすべて無料なので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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