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2013年01月31日

母の背中を見て

「日勤のみで、楽に仕事できないですか?」

24歳で2年目の看護師Eさんは、
とにかく忙しくて身体を壊しそうだと
ご相談のお電話を下さいました。

日勤のみ、という条件を優先するなら、
ちょうど看護師を急募しているクリニックがあったので、
Eさんにそのお話をすると、
簡単な条件を確認しただけで、
「じゃあ、そこでいいです」と二つ返事でした。

Eさんのご希望には合っているし、
クリニック側も急ぎの求人で問題はないのですが、
何かEさんの決断が軽すぎるというか、
このままご紹介して双方にとって“いい転職”になるのだろうか、
と私の方が悩んでしまったのです。

「早く面接したいんですけど、いつできますか?」
と急いて来るEさん。
そこで「面接の練習をしましょう」と、
まずEさんに会って話をしてみることにしました。

Eさんは残業が多く、帰り時間が読めないからと
お休みの日に時間を取って下さいました。

休日のせいか、電話とは違い落ち着いた印象のEさんは、
「あの日は、もう疲れ過ぎて少しでも早く転職したかったんですよ」
と少し照れながら言いました。

そんなに忙しいのかと現状をお伺いすると、
現在、Eさんが勤務している病院は、
その地域で唯一の大きな総合病院で、救急もあり、
曜日時間問わず、とにかく忙しいのだと言うのです。

「毎日、勤務時間が終わっても帰っていいのかと思うほど忙しくて、
夜勤なんて、常に人がいないんです・・・」

重なる残業と、厳しい夜勤続きで疲労され、
夜勤のない病院をご希望されたのかと納得すると、
Eさんはそうではないのだ、と言うのです。

新人の頃から常に忙しい環境に入ったEさんは、
初めからまともに教育を受けられた機会がなく、
現在2年目だというのに業務が上手く出来ずに、
夜勤で人がいない時であっても
夜勤シフトに入れてもらえなかったのです。

自信を持てないEさんは、ミスをしてしまい、
忙しさに余裕のない先輩たちに八つ当たりをされ、
またミスをするという悪循環に陥っていたのです。

Eさんが今の病院を選んだのは、
「大きな病院だから」というお母さんの勧めでした。

Eさんのお母さんは看護師です。
子供の頃は、夜勤で母親がいないこともよくあり、
ずいぶん寂しい思いをし、
看護師という仕事を恨めしく感じていたそうです。

しかし、高校生になると看護師の大変さやすごさがわかり、
母親に協力できるようになったのだ、
とEさんは話して下さいました。

「昼間も、人が寝ている間も、
患者さんのため、家族のために
頑張るお母さんを尊敬していたんですね」

私がそう言うと、

「夜勤明けなのに私のお弁当を作る母の背中を見て、
 私も看護師になろうって思ったんです!」
とEさんは自分が看護師になろうと思った瞬間のことを
思い出されたようでした。

それからEさんは、看護の勉強や実習のこと、
ナース服を着た姿に喜んでくれたお母さんのこと、
初めて患者さんに「ありがとう」と言われた日のことなどを
イキイキと話して下さいました。

「ゆっくりとでも、看護業務が学べて、
いつかは夜勤もできるようになりたい」

たくさんの思い出話をした後、
Eさんからそんな言葉が出て来てきました。

そこで、日勤のみのクリニックではなく、
小規模ですがクリニカルラダーシステムのある病院をご提案しました。

今回はEさんもしっかりと病院のことや雇用条件を確認され、
病院を決めることができました。

中途採用でしたが、今までの状況を看護部長さんに説明すると、
Eさんの「技術をしっかり身につけたい」という思いを組んで下さり、
しっかり基礎からやりましょう、とプリセプターを付け、
ゼロから指導を受けられることとなりました。

Eさんはきっとステップを踏みながら成長し、
お母さんのような頼れる看護師になってくれることと思います。


今が辛いと、そこから逃れたいという一心で、
少しでも早く転職をしようと焦ってしまう方が多くいらっしゃいます。

しかし、焦って目標もなく転職してしまうと、
また転職を繰り返してしまうことになりかねません。

辛いときこそ、深呼吸をして下さい。

今、苦しいということは自分からの“サイン”です。
それを正しく読み取るために、
過去はあなたの支えになります。
未来はあなたの道しるべとなります。

もし、今が自分の描いていた看護師とは違うのなら、
自分がなりたかった自分に迎えるように、
正しい、冷静な選択を、今からすればいい、
「転職」というのはそういうチャンスなのです。


自分を見失った時こそ、Eさんのお母さんの背中のように、
あなたの大事な思いを思い出してくださいね。

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