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2013年01月31日

ブランクがあっても

みなさんは看護学校で、
思い出に残っている教官はいますか?

Kさんは総合病院で5年間勤務をした後、
看護学校の教員として20年間、
多くの看護師を育て、巣立たせてきた方でした。

今でも卒業された生徒さんたちとは交流があり、
師長さんとして活躍されている方もたくさんいるそうです。

「だいたい1年目の子はよく相談の電話をもらいますよ。
 でも、次第にそれが減っていくんです」
どこか誇らしげな顔でそう話してくれたKさん。

そんなKさんですが、教員になって20年目の節目の年、
定年までの自分のことを考えるようになったそうです。

「看護師を育てる仕事ももちろん素晴らしい仕事ですけど、
 私も看護師として、もう一度、
臨床の現場に立ちたいと思ったんです」

Kさんは、長年勤めた看護学校を退職し、
就職活動を始めました。

ところが、20年の看護師学校での教員の経歴は、
“臨床からのブランク”として捉えられてしまい、
なかなか就職先が見つかりません。

それでも臨床への復帰の思いを消すことができないKさんは、
治験コーディネーターの職を見つけました。
わずかでも臨床に近い経験を積まなくては、と思ったそうです。

それから2年が経ち、48歳になられたKさん。
最近、治験を担当している病院が変わって、
通勤に往復3時間もかかるようになってしまいました。

疲労と時間的余裕がなくなってきたKさんは、
次第に家のことが十分にできなくなり、
家族からも非難の声があがるように・・・。

「何のために学校を辞めたんだろう?
50歳になる前に、希望の職場に行きたい」
そう思ったKさんは、ご相談のお電話を下さったのでした。

Kさんの希望をお伺いし、条件を満たしている
ご自宅から車で30分以内の病院をいくつかあたってみました。

しかし、看護学校の教員も治験コーディネーターも
“臨床からの22年間のブランク”と捉えられてしまいます。
どこの病院も人手不足ではあるけど、教育に人をかけていた春とは違い、
ブランクのある人物を受け入れる余裕がないようでした。

全部の希望が叶えられる病院を見つけられず、本当に悔しいですが、
せめてKさんの納得いく場所をとことん一緒に探そうと、
私はKさんの希望を個別に検討しながら探してみることにしました。

まずは、ブランクがあっても安心して入職可能な病院です。


現在、資格を持ちながらも、現職を離れている潜在看護師の数は
約55万人とも言われています。

家庭の事情や出産・子育て、病気など、
さまざまな理由から離職し、生活環境が変わっても、
ブランクを理由に復職しない看護師が多く存在しているのです。

看護師不足が叫ばれる今、一部の病院では、
そういった潜在看護師に復帰してもらえるよう、
教育プログラムを組み、無理のない短時間勤務体制を整え、
安心して復職できる「復職支援制度」の取り組みが全国で広がっています。


「復職支援制度」に重きを置いている病院を探してみると、
Kさんの自宅に一番近い病院は車で片道1時間程度。
Kさんには、実際に一緒に病院まで行ってもらい、
環境や復職支援の話を直接担当の方から聞いてもらいました。
ここならブランクがあっても臨床への復帰ができそうです。

次に距離や勤務時間などを重視して、
Kさんの家に近いデイケアサービスも見学して頂きました。
ブランクのことは特に問題にはならず、
実際の現場も見学し、おおよその仕事内容も把握しました。
時間もKさんのご家族が出かけてから出勤し、
16時半までで残業もないということで、
家のことも無理なく両立できそうです。

Kさんは「臨床現場に戻りたい」気持ちと、
「家族のことや定年まで働けるのか」という思いの間で悩みましたが、
最終的にデイサービスへの転職を決められました。

デイサービスを見学して、
大きな病院に通うことができない患者さんとご家族に、
身近に看護師と触れ合えることで安心を与えられるという看護も
この現代に必要とされているひとつの現場なのだ
と感じられたそうです。

「臨床の現場は懐かしかったけれど、
そこは私が育てた看護師たちに任せることにします」

Kさんの学びを受けた看護師さんたちは
今も全国各地で活躍していることでしょう。
Kさんが費やしてきた20年は、
臨床の現場で生かされていたのです。

選択肢を実際に見て確認することで
納得のいく転職ができた、とお礼を言って頂けました。


様々な理由で職場を長く離れている方もいらっしゃるかと思います。
ブランクがあると職場復帰できるか不安があるかもしれません。
だけど、ブランクはあなたが頑張ってきた期間ですから、
マイナスに捉える必要はありません。

そして、看護師はせっかくあなたが持っている資格です。
離職した理由が落ち着き、少し余裕ができた時には、
家族と患者さんと、そして、あなた自身のために、
是非、看護の現場に復帰して頂ければ、と思います。

納得がいくまで「あなたがあなたらしく」働いていける場所を
探していきたいと思っています。

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