臨床現場22年のブランクに悩んでいた看護師が納得のいく転職ができた理由

2023.4.3

介護施設の車いすの画像

「臨床現場に戻りたい」ブランクのある転職に不安があるKさん(48歳/女性)の場合

総合病院に5年勤務したのち教育機関で20年勤めたKさん。教員20年を節目に臨床現場に戻ることを決意したものの教員の経歴はブランクと捉えられてしまったため、臨床に近い経験を積もうと治験コーディネーターへ転職しました。
治験コーディネーターに転職して2年経ったころ、勤務地が変わり通勤時間が増え家事がままらなくなってしまったそう。同時に、50歳を目前に今後の働き方を考えて「臨床現場に戻りたい」と相談してくださいました。

50歳をまえに、自分が本当にしたい仕事に就きたい

みなさんは看護学校で、思い出に残っている教員はいますか?

Kさんは総合病院で5年間勤務をしたあと、看護学校の教員として20年間、多くの看護師を育ててきた方でした。

今でも卒業された生徒さんたちとは交流があり、師長さんとして活躍されている方もたくさんいるそうです。

「だいたい1年目の子はよく相談の電話をもらいますよ。でも、次第にそれが減っていくんです」どこか誇らしげな顔でそう話してくれたKさん。

そんなKさんですが、教員になって20年経ったのを機に「定年までの働き方」を考えるようになったそうです。

「看護師を育てる仕事ももちろん素晴らしい仕事だけど、看護師として、もう一度、臨床の現場に立ちたい」と思ったKさんは長年勤めた看護学校を退職し、就職活動を始めました。

ところが、看護師学校における20年の経歴は、“臨床からのブランク”として捉えられてしまい、なかなか就職先が見つからなかったそうです。

それでも臨床への復帰の思いを消すことができなかったKさんは、「わずかでも臨床に近い建研を積まなくては」という思いから治験コーディネーターへ転職しました。
転職から2年経って48歳になられたKさんですが、最近、治験を担当している病院が変わり、通勤に往復3時間もかかるようになってしまいました。

通勤時間が増えたことで時間的余裕がなくなってきたKさんは、疲労が溜まり次第に家のことが十分にできなくなってしまったそうです。

「何のために学校を辞めたんだろう?50歳になる前に希望の職場に行きたい」と思ったKさんは、ご相談のお電話をくださったのでした。

22年のブランクがネックに…希望条件別に転職先を探してみる

Kさんの希望は、「ブランクがあっても安心して入職できる病院」と「自宅から通いやすいこと」でした。

まずは、Kさんのご自宅から車で30分以内の病院をいくつかあたってみました。
しかし、看護学校の教員と治験コーディネーターの経歴は“臨床からの22年間のブランク”と捉えられてしまいまい、どこの病院もブランクのある看護師を受け入れる余裕がないようでした。

「ブランクがあっても安心して入職できる病院」と「自宅から通いやすい」といった2つの条件にあった病院は見つからず、私はKさんの希望を1つに絞ってそれぞれ探してみることにしました。

一つ目の希望である「ブランクがあっても安心して入職可能な病院」に絞って探してみたところ、Kさんの自宅から片道1時間ほどのところに「復職支援制度」に重きを置いている病院がありました。

Kさんと一緒に病院見学に行き、職場環境や復職支援の話を担当の方から直接聞いたKさんは、「ここならブランクがあっても臨床への復帰ができそう」と感じられたようです。

続いて、「自宅から通いやすい」といった条件に絞ったところ、Kさんの家の近くにデイケアサービスがありました。「臨床現場に戻りたい」といった希望から外れていましたが、仕事内容を確認するために一度見学していただきました。

デイサービスではブランクのことは特に問題にはならず、勤務時間もKさんのご家族が出かけてから出勤することが可能で退勤時間は16時半のこと。残業は、ほぼないようです。Kさんからは「家のことも無理なく、仕事と両立できそうです」といっていただきました。

厚生労働省の調査(p2)によると看護師免許を持ちながらも現職を離れている潜在看護師は、約71万人といわれています。

医療現場は、医療技術の進歩により日々医療の常識は変化するもの。「3年のブランクを経て復職したら、その変化についていけなかった」といった話もよく聞きます。家庭の事情などにより一度ブランクができてしまうと「復職してもついていけるか不安」と感じるもの。ブランクの期間が長いほど、不安は大きくなるでしょう。

看護師不足が叫ばれる今、一部の病院では潜在看護師に復帰してもらえるよう、教育プログラムを組み、無理のない短時間勤務体制を整え、安心して復職できる「復職支援制度」の取り組みが行われています。

ブランクにより転職に不安を抱えている方は、「復職支援制度」に力を入れている求人に注目してみると良いでしょう。

出典
厚生労働省「看護職員の現状と推移」(2023年3月31日)

職場の雰囲気を実際に見て感じることで、納得のいく転職ができた

Kさんは「臨床現場に戻りたい」気持ちと、「家のことをしながら定年まで働けるのか」という思いの間で悩みましたが、最終的にデイサービスへの転職を決められました。

デイサービスを見学して、「利用者さんの話を親身になって聞くことで安心してもらえる。そういった看護も必要とされている」と感じられたそうです。

また、「臨床の現場は懐かしかったけれど、そこは私が育てた看護師たちに任せることにします」とおっしゃっていました。

Kさんの学びを受けた看護師さんたちは今も全国各地で活躍しています。Kさんが教員として努めてきた20年は、これからも臨床の現場で活かされていくでしょう。

最後にKさんからは、「実際に現場を見て確認することで、納得のいく転職ができた」とお礼を言っていただけました。

業務量が多く夜勤のある看護師は、「結婚・子育て・介護など、家庭との両立が難しい」といった理由で看護職から離れていく方は多くいます。医療現場以外の職種に転職する方も、少なくありません。

しかし、なかには「看護師として人の役に立ちたい」「せっかく看護免許を取得したから、それを活かしたい」という思いで、臨床現場に戻ってくる方もいます。

とはいえ、上記でも述べたように、長期のブランクから復職する看護師さんにとって、「現役時代の知識はもう通用しないのでは?」といった不安は大きいようです。また、結婚や子育て、介護など、生活環境が変わったことで「以前と同じように働けない」という方もいるでしょう。

レバウェル看護は、これまでの経歴やスキル、生活スタイルとすり合わせて、あなたにとってやりがいを持って働ける職場をご提案します。もし、少しでも「臨床現場に戻りたい」「看護師免許を活かせる仕事がしたい」といった気持ちがあるのであれば、お気軽にご相談ください。「あなたがあなたらしく」働いていける職場を一緒に探していきましょう。

誰かに聞いて欲しい悩みはありませんか

転職成功のポイント

ここでは、ブランクのある看護師が転職を成功させるポイントを紹介します。復職や転職を希望する看護師さんで、ブランクがあることに不安を抱えている方は参考にしてみてください。

希望条件を明確にしてみる

まずは、職場に求める条件を書き出してみましょう。「看護スキルが積める職場」「復職支援制度に重きを置いている職場」「日勤のみで働ける職場」「自宅から通いやすい職場」などがあるかもしれません。闇雲に求人を探すよりも、転職先の職場に希望する条件を明確にすることで、自分に合った職場を見つけやすくなります。

希望条件を叶えられる求人を見つける

希望条件を明確にしたら、それをもとに求人を探してみましょう。「看護スキルを積みたい」「復職支援があると安心」という方は病院への転職が向いているかもしれません。「日勤のみの職場」を希望するのであれば、夜勤のない病院の外来やクリニック、検診・健診センター、デイサービスの求人を探すと良いでしょう。
とはいえ、すべての条件を叶えられる求人を見つけるのは案外難しいもの。もし、希望する条件が揃った求人が見つからなかった場合は、条件を一つに絞って探してみるのもおすすめです。

職場見学に行って、実際の職場をみる

実際の職場を見学して実際の仕事内容や雰囲気を確認することで、納得のいく転職に近づけるでしょう。もし、希望条件における優先順位が低い職場であっても、一度見学に行くことで、自分なりのやりがいを見つけられる可能性があります。

レバウェル看護に相談する

「自分だけで希望条件に合う転職先を見つけるのは難しい」「ブランクを受け入れてくれる職場が見つからない」という方は、看護師の転職を専門とする転職エージェントの「レバウェル看護」にご相談ください。レバウェル看護では、アドバイザーがあなたのスキルや希望条件をヒアリングしたうえで、求人をご提案。復職支援制度に力をいれている職場を紹介することも可能です。

レバウェル看護では、転職・求人サイトには記載されていない求人も取り扱っているので、1人で求人を探すよりも広い選択肢から職場を選べるのが魅力。また、職場見学や面接の日程調整もアドバイザーが代行するので、忙しい方もスムーズに転職活動が進められます。ご提案した求人はじっくり悩んでOK。サービスはすべて無料なので、お気軽にお問い合わせください。

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