2024.2.1
「未経験でも保健師を目指したい」看護師1年目のDさんの場合
幼い頃から「病気を予防してあげられる人になりたい」という気持ちを抱き、保健師になるという夢をもつDさん。保健師を目指して就職活動するものの、求人数は少なく、経験者を求められていることが壁となっていました。そこで、引っ越しを伴っても良いから、未経験者も保健師として働ける事業所を紹介してほしいという相談を受けました。レバウェル看護のアドバイザーは、Dさんの希望条件を踏まえて事業所に交渉をしてみました。
スポーツ選手や歌手のように「幼い頃からの夢を叶えた」という話を聞くと、すごいなと関心することはありませんか?
今回お話しするDさんも、幼い頃になりたかった夢をずっと持ち続けていた人でした。
Dさんがまだ小学校に上がる前のことです。いつも遊んでくれる近所のおばさんが、ある日突然寝たきりの生活になってしまった、ということがあったそうです。
幼いDさんには、どうしておばさんが急にベッドから動けなくなってしまったのかわからず、病気がとても怖いと感じたのでした。
その後、母親から、おばさんは食事や生活習慣が良くなかったから病気になったのだと聞き、自分がそのことを知っていたら病気にならないように注意してあげられたのに、と強く感じたそうです。
しばらくして、おばさんは病院に入院し、もう二度と会うことはできませんでした。その出来事は、小さなDさんの心に強く印象に残ったのでした。
「病気を予防してあげられる人になりたい」その思いをずっと抱えていたDさんは、大きくなると「保健師」という仕事があることを知りました。
保健師になれば、病気にならないための幅広いアドバイスができる、そう思ったDさんは「保健師になる」という夢を持ったのです。
保健師は、主に保健所・病院・大学・大きな企業などで活躍しており、健康管理や病気予防のアドバイスを行っています。
保健師になるには、看護師免許と保健師免許の両方が必要です。保健師は離職率が低く、新しい求人が出ることも少ないと言われています。
厚生労働省の「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、保健師の実人員は以下のようなデータになりました。
保健師 | 5万5,595人 |
看護師 | 128万911人 |
引用:厚生労働省「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
上記の表を参考にすると、看護師は保健師の約23倍の人数がいるとわかります。看護師と比較すると、保健師の求人の少なさや条件の厳しさが仕事探しを難航させているといえるでしょう。
Dさんも新卒時の就職活動を頑張りましたが、保健師の求人は看護師に比べると少なく、求人があっても未経験は難しいと断られたそうです。Dさんはひとまず普通の総合病院で看護師として働き始めたのでした。
勤め先で新しい患者さんが入院してくるたび、「病気になる前にもう少しこうしていればよかったのに」と考えてしまい、もどかしくなるDさん。
「引越ししてもかまわないので、未経験でも保健師として働ける事業所を紹介してほしい」と今回、相談の電話を下さったのでした。
保健師の求人はやはり少なく、どの募集要項にも「経験者」という記載がありました。しかし、実際に事業所へ電話をかけて事情を説明し、未経験でも雇ってくれるところを探すと、県を跨いで4つの事業所から会ってみてもよいと回答をもらえました。
そのうちの1つ、経験豊かなケアマネージャーと福祉士のいる事業所では、未経験でもサポートはできるので、保健師の知識があって熱意の感じられるDさんなら歓迎すると仰ってくださいました。
Dさんもその事業所の雰囲気や仕事内容に惹かれ、すぐに採用が決まりました。
実はこの事業所の募集要項にも「経験者」と書かれており、初めに電話に出て下さった事務の方にも、「経験者のみの募集なんです」といわれていたのです。
病院のWebサイトや公共の募集ページといった求人掲載内容は、長い間情報が変更されていないことがあります。個人の転職活動では難しいですが、アドバイザー経由で連絡・交渉をすれば、隠れていた求人を見つけることも可能です。
1年目の看護師という多忙な日々の中で、Dさんは諦めることなく、希望条件を叶えられる方法を探し、ご相談下さいました。だからこそ、保健師への道を見つけられたのです。
認定看護師を取りたい人、介護との両立をしたい人など、忙しい日々の中で、理想を叶えるのは大変かもしれません。しかし、目指すことをやめなければ、夢や目標に少しずつ近づけます。
夢を叶える人はすごいです。
でも、それはもしかすると、「最後まで諦めなかった人」なのではないか、Dさんの転職を見届けながら私はそう感じたのでした。
未経験分野や求人数の少ないものに挑戦する際は、諦めずに仕事探しをすることが大事です。どのような条件でなら求人を見つけられそうかを考え、活動に活かしましょう。
今回お話ししたDさんを例に挙げると、保健師という夢を叶えたいからこそ、引っ越しを伴ってもかまわないという条件を提示しています。その旨を説明したうえで、事業所側から話を聞いてもらえる結果につながりました。転職の際は、優先度の低い条件を外したり、勤務先の範囲を広げて探してみたりすることも重要です。
就職や転職で達成するのが難しい条件であっても、最後まで諦めない姿勢が大切です。求人によっては情報が古く、問い合わせ次第で応募が可能となる場合もあります。また、目指したい分野の知識があることをアピールすれば、未経験から挑戦したいという気持ちを評価してもらえるかもしれません。
自分で事業所へ問い合わせるのが難しい内容であっても、アドバイザーの交渉を通じて条件を緩和してもらえる可能性があります。夢や目標に向かって進みたいという看護師は、レバウェル看護の転職支援サービスをご活用ください。レバウェル看護なら、医療・福祉に詳しいアドバイザーがあなたの希望を汲み取り、最適な求人をご提案いたします。
「レバウェル看護」を使うと、より詳しく話を聞くことができます。どんな転職先があるのか等も事前に知ることができます。
記事検索
よく検索されているワード
2024.3.19
2024.3.18
2024.3.15
2023.7.26
2020.3.20
2022.9.5
2020.3.20
2019.3.12
2020.10.21