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DVT(深部静脈血栓症)の観察すべき項目を知りたい

質問したキッカケ

病棟に勤務している経験3年目の看護師です。先日入院された下肢のDVT(深部静脈血栓症:以下DVTと表記します)の疑いのある患者さんが入院され、私が担当することになりました。これまでDVTの患者さんを見たことがなく、どのような看護をすれば良いのかわかりません。

質問したいこと

DVTの患者さんに対して、注意した方が良い観察項目にはどのようなものがあるのか教えてください。

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ひとこと回答

DVTは、よく知られている名称としてエコノミー症候群という呼び方がありますが、長時間の座位姿勢によって下半身の血液循環が悪くなり、下肢に血栓ができるものです。この血栓が遊離し、肺の動脈内に入り肺血栓塞栓症を起こしたり、脳梗塞や心筋梗塞を発症したりする恐れがあります。看護師がDVTを見抜くために注意した方がよい観察項目は、浮腫や疼痛などによる身体の状態変化です。


詳しく説明すると

DVTの発生頻度はここ10年位で約30倍にも増加しており、DVTによって急性肺血栓塞栓症を発症した場合の死亡率は14%以上とも言われています。更に、心原性ショックを起こした場合の死亡率は30%という高い確率になるほど危険なものです。そのため、DVTを早期に発見すること、適切な医療処置を行うことが必要になります。

DVTになりやすいリスク因子


  • 長時間同一体位での座位や臥床
  • 四肢の麻痺や固定をしている
  • 静脈内カテーテルを留置している
  • 術後や集中治療による絶対安静の状態
  • 大腿骨骨折の手術前後
  • 血栓ができやすい素因がある(血液性)
  • 以前にDVTを発症したことがある
  • 止血剤や女性ホルモン薬を服用している
など

下肢DVTの症状


  • 浮腫:ほとんどが片側のみで圧迫性浮腫を認める
  • 疼痛:歩行時に痛みを生じることが多い
  • 腫脹:左右を比較して1cm以上の周囲径の差がある
  • 皮膚の変色:赤色やチアノーゼ色
  • 緊満感
  • 倦怠感
など

これらは、DVTを早期に発見するための観察項目と言っても良いものばかりです。DVTを見抜くための看護師の観察項目を改めて挙げてみたいと思います。

DVTを見抜くための観察項目


■疼痛や腫脹、皮膚色の変化
下腿が急に腫脹し疼痛が起こり、血栓ができたことで血流がうっ滞し、下腿の腫脹や疼痛、あるいはチアノーゼなど下腿の皮膚色が変化します。片側だけにこのような症状が起きた場合は注意が必要です。すぐに医師に報告し診察の依頼をする必要があります。

■大腿部や脹脛部(ふくらはぎ)の左右差
定期的に大腿や脹脛の太さをモニタリングし、左右差を認めた場合は医師に報告し診断を仰ぎます。

■浮腫
血栓による塞栓によって循環障害が起こり、片側だけに浮腫が起こります。中枢性の浮腫であれば両側に起こります。

■Homansテスト(ホーマンズ徴候)
下腿に血栓がある場合に、膝を軽く押さえて足関節を背屈させると腓腹部に痛みが生じます。これをホーマンズ徴候と言い、血栓の有無の判断に使用される場合があります。

■Loewenbergテスト(ローエンベルグ徴候)
下腿に血圧測定用のカフを巻いて加圧していくと、100~150mmHgの圧で下腿に痛みが生じます。腓腹筋の圧痛は、DVTの徴候です。

■表在静脈の怒張
表在静脈の怒張が見られた場合は、その上の位置に血流障害があることが多いです。

■足背動脈、腋窩動脈の触知困難か触知不可能
DVTがあると、動脈の触知が弱くなったり触知できなくなったりします。

■呼吸困難や胸痛
血栓が肺動脈に詰まり肺塞栓となり、肺梗塞が起こった場合には、呼吸困難や胸痛が起こります。長時間安静状態にあった人が臥床した状態から座位になった際に呼吸困難や胸痛が起きる場合があります。それは、DVTから急性肺血栓塞栓症を発症した可能性が高く、これらの症状も頭に入れておくべき重要な観察項目です。

また、DVTが原因で血栓が詰まった際、すぐには症状が現れない場合もありますので、DVTのリスクが高い患者さんに対しては定期的に心電図やSpO2のモニタリングを行い、異常の早期発見に努めることも大切です。

おわりに

DVTを早期に発見するためには、患者さんの身近にいる看護師の観察は大変重要で、DVTを早期に発見するという意味では、看護師の継続した観察力が必要です。お話してきた観察項目は、日常の中で気に留めながら観察していれば気づくものがほとんどだと思います。DVTの患者さんの観察・看護、頑張ってくださいね。応援しています。

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