点滴の種類とその特徴、また1号液と3号液の違い

質問したきっかけ

私は、混合病棟で勤務して1年目の看護師です。緊急入院となった患者さんが、救急外来から病棟に来るときに、点滴は1号液をされていることが多いのですが、病棟で医師が出す点滴の指示は3号液が多いです。他にも点滴は種類が多く、自分なりに調べても違いがよくわかりません。先輩看護師にも聞けず、困っています。

質問したいこと

点滴の、1号液と3号液の違いをわかりやすく教えてください。また、他の点滴の特徴も教えていただけたらと思います。

ひとこと回答

1号液の点滴は開始液と呼ばれており、カリウムが含まれていないのが主な特徴です。病態が判明するまでの間に使われることが多く、その間に電解バランスや病態をみて、その後点滴を変更していきます。3号液の点滴は維持液と呼ばれ、一日に必要な水分量を点滴すれば、通常の状態だと水分・電解質を必要量維持できるような内容になっています。

詳しく説明すると

病棟での日々の勤務お疲れ様です。看護をしていくうえで、自分の受け持ちの患者さんの点滴を知っておくことは大切ですよね。ご自身で違いに気が付き、調べようとされる熱心なお気持ちのお力になれればと思います。ぜひ今後の看護に活かしていってくださいね。

点滴といっても範囲が広く、大きく分けて、中心静脈から点滴をする栄養輸液製剤(高カロリー輸液製剤)と、末梢静脈から点滴をする電解質輸液製剤があります。今回はご質問内容が1号液・3号液の点滴ということで、末梢静脈から点滴をする、電解質輸液製剤についてお話したいと思います。

点滴について理解し看護をしていくためには、「浸透圧」という言葉の理解が必要です。「浸透圧」とは、濃度が異なる二つの液体が、水分しか通さない膜を通じて隣にあったとき、濃度を一定にしようと水分が濃度の高いほうに移動することです。

点滴はこの原理を利用して患者さんの状態にあったものを医師が選択します。この浸透圧の考え方で、体液と同じ濃度の点滴を等張性、体液より薄い濃度の点滴を低張性、体液より濃い濃度の点滴を高張性といいます。

今回体液と表現したものには、細胞外液を指します。点滴を理解するためには、細胞外液のほかに細胞内液、細胞外液と細胞内液それらの浸透圧を維持するために自由に行き来する自由水を知っておく必要があります。

点滴をしている患者さんの看護を深めるにはそれらも理解していくと、より患者さんの病態を理解した観察ができるようになっていくかと思います。点滴の内容が理解できたら、ぜひ学びを深めてみてください。

電解質輸液製剤の種類


等張電解質輸液製剤
細胞外液と浸透圧がほぼ等しいです。細胞内に水分の移動がないため、血圧を維持する目的で使用することができます。

■生理食塩水
水に塩(NaCl)しか入っていない。カロリーはない。
■リンゲル液
生理食塩水に、カリウム(K)やカルシウム(Ca)を足したもの。
■乳酸リンゲル液
リンゲル液に乳酸を足してさらに細胞外液に近づけたもの。乳酸は肝臓で代謝されるため、肝機能障害がある患者さんには適さない
■酢酸リンゲル液
上記の乳酸の役割を、酢酸で補ったもの。
※各液に、糖質を加えたものもある。糖質を加えた点滴は、500mlの点滴1本あたり200kcal前後のカロリーがあるものが多い。

低張電解質輸液製剤
5%ブドウ糖液と、生理食塩水または乳酸 リンゲル液または酢酸リンゲル液との配合液です。その配合の比率によって1号液~4号液に分類されます。

■1号液
カリウム(K)を含まないため、腎不全患者への投与が可能。緊急時や病態が定まっていないときの短時間に点滴をされることが多く、電解質バランスや病態をみて、他の点滴に移行していく。
■2号液
細胞内液補充液とも呼ばれ、総電解質量が多いため、2号液の点滴をする際には高カリウム血症に注意する必要がある。細胞内が脱水傾向の時の改善を目的として点滴をするが、近年他の点滴で代用されあまり使用されていない。
■3号液
維持液と呼ばれる。通常の状態(不感蒸泄の亢進や体液の異常な喪失、腎機能障害などがない状態)で、経口摂取ができない場合に、一日に必要な水分量を点滴すれば、通常の状態だと水分・電解質を必要量維持できるような内容になっている。緊急性を要さない場合の点滴の選択として、 多くの場面で使用される。
■4号液
3号液からカリウムが無くなったような内容。高カリウム血症・腎不全の患者さんに使用される。総電解質量は一番少ない

5%ブドウ糖
浸透圧は細胞外液とほぼ同じですが、電解質を全く含んでいません。5%のブドウ糖の点滴をすると、糖分はすぐに代謝されてしまうため、実質は真水を点滴しているような、自由水の水分補給となります。また自由水が多いため、大量に点滴をすると細胞浮腫を引き起こすため注意が必要です。

おわりに

点滴といってもたくさん種類がありますよね。点滴内容と同様に、体液や浸透圧は患者さんの病態を理解して看護をしていくうえでとても大切ですが、言葉も難しく苦手と感じやすい部類ではないかと思います。今回のように、患者さんと関わりながら日々の看護で疑問に思ったことをひとつずつ積み重ねて、ますます素敵な看護につなげていってください。応援しています。
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