仕事
2020.3.20
「どんな看護師になりたいか」と聞かれる場面は、看護学校の入試や就職、職場など幅広くあります。自分の経験や体験、病院の理念に沿った看護師像など、その場に合った回答を考えるのがおすすめです。また、分かりやすく伝えるためには、話す順序も大切になります。このコラムでは、「どんな看護師になりたいか」に対する答え方のポイントを例文付きでご紹介。回答の仕方に迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
面接官が「どんな看護師になりたいか」と尋ねる理由は、患者に対する看護対応の方法や看護師としての適性を判断するためです。看護師の採用面接だけではなく、看護系の大学や専門学校などの入試面接でも聞かれることが多い質問でしょう。「どんな看護師になりたいか」とは、言い換えると理想の看護師像や看護観を聞かれているのと同様です。つまり、看護師になるにあたって大事にしたいことを伝えると良いでしょう。あまり難しく考えずに、最初は授業で習ったことや実習で感じたこと、今までの体験などから考えてみてください。
自分がどんな看護師になりたいかわからないときは、さまざまな方向から理想の看護師像を思い描いてみると良いでしょう。
自分、もしくは身近な人が入院したときや治療を受けたときの看護師の対応から、理想の看護師像を見つけるのも一つの方法です。「看護師の優しい対応で痛みが軽減した」「迅速に対処してくれたことで大事に至らなかった」など、自分もこんな看護師になりたいと思った瞬間を思い返してみましょう。そこから、「患者に寄り添った看護を提供したい」「笑顔で優しい雰囲気の看護師になりたい」「一人ひとりの患者と丁寧に関わりたい」など、理想の看護師像を見つけます。
アセスメントとは、患者の病状を観察して、今後どのようなことが想定されるのか、どのような
看護ケアが必要なのかを考えて対応することです。的確なアセスメントによる説明ができる看護師は、患者やそのご家族の信頼を得られるでしょう。そのため、病院は患者の状態を見てアセスメントができる看護師を求めています。
アセスメントの習得のためには、観察力や洞察力、推察力が必要です。さらに、医療に関する幅広い知識や技術を磨かなければなりません。「的確なアセスメントができるように、小児医療の知識を身につけたい」「ご家族に納得してもらえるようなアセスメントによる説明ができる看護師になりたい」など、アセスメントの習得を目指した看護師像から「どんな看護師になりたいか」を考えてみるのも良いでしょう。
患者や看護技術以外にも、働き方に重視した見つけ方もあります。たとえば、「医師や他業種と連携を取り、チーム医療に貢献できる看護師になりたい」「ワークライフバランスを整え、長く働き続けられる看護師になりたい」「新人や後輩に技術を教えられる看護師になりたい」など、自分の理想の働き方を想像し、看護師像へと繋げていくのもおすすめです。
面接でどんな看護師になりたいか聞かれたときは、答え方にもコツがあります。ただ、「◯◯な看護師になりたいです」と伝えれば良いのではなく、理論的に相手に伝えなければなりません。特に話す順序に注意しましょう。
面接で相手に分かりやすく伝えるためには、話す順序が大切になります。基本的に以下の流れで伝えるのがおすすめです。
面接ではダラダラと長く話してしまうのは良くありません。話が長くなってしまうと、結局何が言いたいのか、話の本質が相手に伝わらなくなってしまうからです。そのため、理由やエピソードは短く端的にまとめるように心がけましょう。
面接で「どんな看護師になりたいか」と質問されたときには、具体的なエピソードを入れたり、今後の目標を示すのがポイントです。また、志望する病院の業務内容とリンクさせるのも良いでしょう。
「どんな看護師になりたいか」を分かりやすく伝えるために、「なぜそう思うのか」という具体的なエピソードを含ませるのがポイントです。しかし、看護学校への入試や就職の面接の場合、まだ看護経験がなくエピソードが思い浮かばないこともあるでしょう。その際は、自分が入院したときの体験や、今までに出会った看護師の印象などから想像してみます。
就職や転職の面接では、病院の理念に沿った回答を用意するのがポイントです。病院の採用担当者は、自院の理念や医療方針と応募者の看護師像との間に大きなズレが生じていた場合、採用を躊躇せざるを得ません。あらかじめ、病院の求人やWebサイトなどを見て応募先の病院の特徴を確認しましょう。病院の理念や業務内容に沿っていれば、自分の看護師像も伝わりやすくなります。また、採用担当者に好印象を与えることもできるでしょう。
なりたい看護師像を伝えるだけではなく、そのために「今後何ができるのか」「どうしていきたいのか」という具体的な目標をはっきり伝えるようにします。転職であれば「認定看護師になりたいです」など具体的なキャリアアップを目指す姿勢を伝えるのもおすすめです。また、目標がはっきりしていると、どのような働き方をしたいのかが明確に伝わります。
ここでは、面接で「どんな看護師になりたいか」と聞かれたときの答え方を例文付きでご紹介します。自分の立場や面接の状況に応じて、回答の仕方を考えてみると良いでしょう。
看護学校の入試などで聞かれた場合は、素直な言葉で「理想の看護師像」を伝えます。まだ、実践的な看護経験がないので、難しく考える必要はありません。ただし、周りの受験者との印象に差をつけるためにも、何かしらのエピソードや具体的な理由を述べるようにしましょう。
「私は、穏やかで笑顔を絶やさない看護師になりたいです。理由は、私が小学生の頃に骨折で入院した際に、担当してくださった看護師さんがとても優しく、ニコニコしていたのを覚えているからです。当時の私は、痛みや寂しさで落ち込み、泣いたり、食事が進まなかったりすることがありました。しかし、担当の看護師さんの優しい雰囲気と笑顔のおかげで、少しずつ気持ちが明るくなったのを覚えています。また、看護師さんとの会話を楽しめるようになり、治療やリハビリにも前向きに取り組むことができました。私も同じように、患者さまに安心してもらえるような笑顔を心がけ、穏やかに接することができる看護師になりたいと思っています。」
「私は患者さまの気持ちに寄り添える看護師になりたいです。私の祖母は病気がちでしたが、「看護師さんは何でも話を聞いてくれる」と言って病院に行くのを嫌がることがありませんでした。その姿を見て、病状のことだけではなく、一人ひとりの気持ちに寄り添うことが大事だと知りました。将来、患者さまの気持ちに寄り添った看護が提供できるように、日々の生活のなかでも、家族や友人の気持ちに寄り添って過ごすよう心がけています。」
就職試験の面接では、看護学校で習ったことや実習での体験を踏まえて述べると、さらに具体性が出てきます。また、失敗から学んだ反省などを取り入れ、今後の目標へ繋げるのも良いでしょう。
「私は、どのような状況でも冷静に対応し、的確な判断ができる看護師になりたいと思っております。看護実習のときに、待合室で待っている患者さまが急に倒れることがありました。私は、患者さまの名前を呼びかけることで精一杯でしたが、その間に看護師さんたちが医師を呼んだり、脈や呼吸を確認したりと的確に判断し、行動していました。その姿を見て、自分の未熟さを反省するとともに、どのような状況でも冷静に対応できる看護師になりたいと思いました。そのためにも、先輩方の行動をよく観察し、自分にできることから実践していきたいと思っております。」
「私は、患者さまの状態からアセスメントを考え、個別のケアを提供できる看護師になりたいと考えております。私の父が病気で入院した際に、担当してくださった看護師の方が、父の病状や今後のケアについて分かりやすく教えてくださりました。そのおかげで、私も安心して父の看病ができました。この経験から、患者さまの状態をアセスメントし、個別のケアを考えることで、ご家族も安心して過ごせることを実感しました。私もアセスメント能力を身につけるために、日頃から広い視野で物事を考えるように心がけております。また、患者さまや先輩方の声に耳を傾け、柔軟な対応ができるよう努力したいと思っております。」
職場の上司との面談でも「どのような看護師になりたいか」と聞かれることがあります。自分の現状と照らし合わせて、今後どのように働いていきたいかを伝えましょう。
「私は、仕事と家庭を無理なく両立し、ワークライフバランスを保てる看護師になりたいと思っています。以前の私は、家庭よりも仕事を中心に生活していました。しかし、夫が骨折で入院したことをきっかけに、サポートしてくれる家族がいるからこそ働き続けられることに気づかされました。現在は家族と休日を合わせて一緒に過ごす時間も大切にしています。ワークライフバランスをしっかり保って、一日でも長く貴院の看護師として働きた続けたいと考えています。」
「私は今年で8年目を迎えるため、今後は培ったスキルや知識を後輩に教えられる看護師になりたいと思っています。私は急性期と慢性期の病棟で勤務した経験があり、それぞれの病気や患者さまへの対応の違いも学びました。また、最初は患者さまの対応で精一杯でしたが、現在はご家族への対応にも慣れ、自分の成長を実感しています。今まで先輩方から教わったことや、失敗から学んだ経験を活かして、新人や後輩にも丁寧に教えられるよう心がけていきたいです。」
転職するときには、希望先の病院に沿った回答を考えましょう。これまでの経験をどう活かしていきたいのかを具体的に述べることで、看護師像が伝わりやすくなります。
「私は、認定看護師の知識と技術を活かせる看護師になりたいと考えております。5年前から小児病棟で看護験を積み、小児プライマリケア認定看護師を取得しました。勤務している小児病棟では、喘息などのアレルギー疾患から難病までさまざまな子どもたちが治療を受けています。一人ひとりの子どもたちと関わる中で、子どもの健康問題に深く関心を持つようになりました。また、治療だけではなく、子どもの健康維持や予防にも関わりたいと考えるようにもなりました。今後は認定看護師の知識やスキルを活かし、さらに視野を広げて小児医療に携わりたいと考えております。」
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