心身の回復につながるアプローチ方法を学び、指導者を目指せるグループ

2021.3.12

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◆はじめに

心は目に見えないため、直接治すことはできません。しかし、心身への献身的かつ適切なアプローチによって、良い状況へと導いてあげることは可能です。今回は、ギャンブル依存症患者を支援している法人や、タッチケアの普及に努めている団体、ホリスティックケアの普及に努めている団体を紹介します。実践で役立つ情報も多いので、看護の幅を広げたい方はぜひ読んでみてください。

 
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◆一般社団法人グレイス・ロードとは

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グレイス・ロードは、ギャンブル依存症に苦しむ方の回復支援および家族のサポートに尽力している一般社団法人です。依存症者の社会的自立を目的とした、ギャンブル依存症専門の回復施設を運営しています。

《ギャンブル依存症》

ギャンブル依存症は、ギャンブルをやめたくてもやめられなくなる病気です。ギャンブルをやめられないだけでなく、ギャンブル衝動をコントロールできない、ギャンブルが原因で生活に支障をきたしてしまう、心身に深刻な問題が発生してしまうなどの弊害があります。
ギャンブル依存症は本人の意志や家族の愛情だけで克服することはできないため、当事者は適切な治療を受ける必要があります。
ただ、ギャンブル依存症の相談場所はあるものの、多くの方がそれを知らずに苦しみ続けています。そのため、「自分はギャンブル依存症かもしれない」「家族がギャンブル依存症の可能性がある」といった悩みを抱えている方が、相談しやすい環境を整えることが大事です。

《グレイス・ロードが運営する施設》

山梨県内にて、デイケアセンターを運営しています。デイケアセンターでは、ギャンブル依存症患者の社会的自立に向けた回復プログラムの提供や生活訓練、就労支援などを行っています。また、日常生活を取り戻して自助グループに通う習慣を身につけるためのプログラムや、就労支援および社会復帰に向けたプログラムを実施するナイトケアハウスも運営しています。

施設スタッフの中には、グレイス・ロードで回復プログラムを修了し、回復し続けているギャンブル依存症の当事者です。当事者だからこそ、寄り添った支援を可能にしています。その中には看護師としての経験を活かし、依存症患者のケアにあたっている方もいます。

◆グレイス・ロードのプログラム

ここでは、同法人が実施しているプログラムを具体的に紹介します。

1週間のプログラムとして、スポーツプログラムやレクリエーションなどが曜日別で行われています。平日に毎日実施されているグループミーティングは、回復の柱となるプログラムです。参加者は、過去の話を話したり聞いたりすることで、過ちの本質と向き合っています。そのほか、自助グループに通う習慣を身につけるためのプログラムが毎日行われています。

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▲グループミーティングの様子/画像提供:一般社団法人グレイス・ロード

ボランティア活動も、大事なプログラムの一環です。障害者支援施設での草刈りボランティアや駅前の清掃ボランティアなどを通し、社会との新たな付き合い方を学びます。

また、感情の調整力を身につけるための「セルフレギュレーション」や、問題行動の改善を目的としたコミュニケーションスキルワークなど、対人関係で必要なスキルを養うためのソーシャルスキルトレーニングも行われています。

◆詳細情報

一般社団法人グレイス・ロード
https://gracelord.jp/

◆日本タッチケア協会とは

日本タッチケア協会は、タッチケアの普及に努めている非営利団体です。 より良い親子関係の確立および子どもの健全な育成の支援を目的として、1998年に設立されました。主に、タッチケアというふれあいの専門家を育成するための指導者認定講習会や、学術的研究支援などを行っています。

◆タッチケアとは

「タッチケア」は、親子の温かいコミュニケーションや、赤ちゃんの発達促進を目的としたマッサージです。近年、親子のスキンシップ不足や幼児虐待といった問題が急増しています。これらを防ぐには、赤ちゃんと保護者が心と体をしっかりと触れ合わせ、絆を深めることが大切だと同団体は考えます。そこで、親子の心身の絆を深めることに重きを置いたマッサージ手法を、「タッチケア」と当会が命名し、その普及に努めています。

タッチケアでは赤ちゃんと見つめ合い、語りかけながら素肌に触れ、マッサージや手足の曲げ伸ばしなどを行います。タッチケアによって、赤ちゃんの情緒が安定する、ストレスホルモンが減少するといった効果があるといわれています。また施術者にも良い影響を及ぼすことが確認されています。

《いろいろな手法》

胸やお腹をマッサージする際は、赤ちゃんを仰向けに寝かせて行います。マッサージする側もリラックスして、赤ちゃんの目を見つめながら声をかけてあげましょう。背中をマッサージする場合は、赤ちゃんをうつ伏せに寝かせます。マッサージする際、赤ちゃんの両手はバンザイさせましょう。腕やてのひら、足は、両手で包み込むように優しくマッサージします。どの部位をマッサージする際も、ただマッサージするだけでなく、しっかりと赤ちゃんと交流し、一番喜ぶ方法を見つけてあげることが大事です。タッチケアは、決まった手法に縛られず、赤ちゃんとママが心地よい時間を持つことを推奨しています。

なお、さらに詳しいタッチケアの手法を知りたい方は、当会の公式サイトをご確認ください。

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▲当会の紹介チラシ/出典元:日本タッチケア協会

《タッチケア指導者認定講習会》

タッチケア指導者認定講習会は、母子支援・子育て支援に努める専門家の養成を目的とした講習会です。医師や看護師、助産師といった医療従事者、保育士などの専門家を対象に、タッチケアの理念や基本・応用知識、実演方法などを教えています。出産後の親子のケアに役立つ知識やスキルを習得できるので、興味がある看護師さんは参加してみるとよいでしょう。

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画像提供:日本タッチケア協会

◆詳細情報

日本タッチケア協会
https://touchcare.net/

◆ホリスティックケアルーム&スクールつむぎの森®とは

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ホリスティックケアルーム&スクールつむぎの森®は、解剖学・生理学・心理学に基づいたアセスメントやボディリーディングアロマセラピー、タッチケアなどをベースに、心と身体を全体的な視点からケアする「ホリスティックケア」の普及に努めています。

同団体は、女性専用のホリスティックケアサロン「ケアルームつむぎの森®」を運営。妊産婦や乳幼児、成人、高齢者、医療的ケアが必要な方など、あらゆる方の心と身体を癒すトータルケアを提供しています。また、看護大学や幼稚園などでの講師活動および、医療・保育従事者や発達支援者らに向けたタッチケア講座も各地で開催しています。

◆ラヴィングタッチケア®

《セッションメニュー》

ラヴィングタッチケアは、心地よいタッチによって心と身体を癒やすケア手法です。緊張の緩和や痛みの軽減、呼吸改善、ストレスホルモンの軽減、体内環境の整備などの効果があるとされています。乳幼児から高齢者まで、あらゆる方への施術が可能です。
施術では、コンサルテーションやフットバス、全身へのラヴィングタッチケアなどを行います。

《ラヴィングタッチケア基礎講座》

ラヴィングタッチケアのノウハウを学ぶための講座です。座学や実践を通し、ラヴィングタッチケアの理論や実践テクニックを習得します。
病棟などで実際に患者さんに触れる機会が多い看護師さんは、新たなケアの手法として取り入れてみてはいかがでしょうか。

《乳幼児のためのラヴィングタッチケア指導者養成講座》

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赤ちゃんへの愛情を優しいタッチで伝える「ラヴィングベビータッチ」の指導者育成のための講座です。看護師や助産師、保育士などを対象に、乳幼児を持つ家族への正しいタッチケアの指導方法をレクチャーしています。タッチケア指導者として必要な知識やスキルを習得できるので、妊婦指導を行う看護師さんや助産師さんなどにおすすめです。

◆ホリスティックリフレクソロジー

《セッションメニュー》

ホリスティックリフレクソロジーは、足裏へのアプローチによってリラックス状態へと導くマッサージ方法です。施術では、コンサルテーションや足裏の反射区への施術、下腿へのオイルトリートメントを行います。
小さいお子さんや疾患がある方にも行えるソフトな施術なので、緩和ケアなどに取り入れることもできます。

《ホリスティックリフレクソロジー講座》

マンツーマンでリフレクソロジーの手技をレクチャーする講座です。足裏の反射区へのアプローチ方法やコンサルテーション理論、下肢へのオイルトリートメント方法などを、5ヶ月かけて学びます。

◆詳細情報

ホリスティックケアルーム&スクールつむぎの森®
https://www.tsumuginomori.com/

 
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