看護師と准看護師の給料の違いとは?分類別に違いを比較してみよう

2015.10.25

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「看護師と准看護師の給料はいくらか。違いを知りたい」と考えている方もいるでしょう。一般的に高収入だと言われがちな看護師の仕事は、統計上でも比較的高収入で、その額は准看護師を上回るものです。

このコラムでは、看護師と准看護師の平均収入や収入の差、収入の差が生じる理由について解説します。コラムを読んで、今後のキャリアプランに役立ててください。

看護師・准看護師とは

一般的に看護師と呼ばれる仕事には、「看護師」と「准看護師」の2種類があります。どちらも看護業務を行う仕事であり、両者が同じ職場で働くことも珍しくありません。しかし、看護師と准看護師は、それぞれ専用の免許が必要な別の仕事なのです。なお、准看護師と対比して、看護師のことを「正看護師」と呼ぶこともあります。

では、看護師(正看護師)と准看護師とはそれぞれどんな仕事か確認してみましょう。

看護師とは?

看護師は、厚生労働大臣が認定する国家資格です。病気や怪我を患っている人の看護や診療の補助を、自ら判断して行えます。

主な仕事内容は、血圧・体温・脈拍などの測定や点滴、注射・採血、食事介助や排せつ介助などの入院患者に対する対応、そのほかカルテの記載、カンファレンスへの参加などです。

准看護師とは?

准看護師は、都道府県知事が発行する公的資格です。仕事内容は看護や診療の補助などで、看護師とさほど変わりません。ただし、看護師と異なり、医師や看護師の指示がなければ業務を行うことができないという特徴があります。

なお、資格試験を実施するのは都道府県ですが、合格すれば全国で働くことが可能です。

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看護師と准看護師の給料

看護師と准看護師は、資格は異なるものの、共通して看護業務を行う仕事です。しかし、両者の待遇は異なります。本項では看護師と准看護師の給料について確認してみましょう。

看護師の平均収入

厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均収入は以下のとおりです。

【看護師の平均収入(男女計)】

月給:33万8400円

年間賞与:85万7500円

年収:491万8300円

看護師の平均月給は約34万円、平均年収は約492万円という結果でした。

なお、全職種(男女計)の平均月給は約33万円、平均年収は約488万円なので、看護師は比較的収入の良い仕事だといえそうです。

さらに、全職種(女性)の場合は、平均月給が約27万円、平均年収が約383万円なので、看護師を女性の割合が大きい仕事として見れば、特に高収入な仕事だといえるでしょう。

准看護師の平均収入

厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、准看護師の平均収入は以下のとおりです。

【准看護師の平均収入(男女計)】

月給:28万8000円

年間賞与:67万4100円

年収:413万100円

准看護師の平均月給は約29万円、平均年収は約413万円という結果でした。

給料で比較すると、看護師のほうが准看護師よりも高収入な仕事だといえそうです。

では、この差が生じる理由について次項で確認してみましょう。

参照元

厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450091&tstat=000001011429

※企業規模計(10人以上)を参照。全職種は産業計(民営+公営)を参照。

※平均年収は、「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で算出。

◆看護師と准看護師の違い5つ

看護師と准看護師には平均収入に差があります。それは、両者の間に、昇進のしやすさや資格の取りやすさ、活躍できる職場などで違いがあるからです。本項ではその違いについて確認しましょう。

1.資格の違い

前述のとおり、看護師と准看護師では資格が異なります。

看護師資格は、厚生労働大臣(国)によって発行される「国家資格」です。一方、准看護師の資格は各都道府県知事が発行するので、国家資格には該当しません。

2.仕事内容の違い

看護師と准看護師で、基本的な仕事内容にはそれほど差はないといえるでしょう。

どちらも点滴や注射、採血、食事介助、排せつ介助、手術の補助、カルテの記載などが日々の業務です。

ただし、准看護師は「保健師助産師看護師法」により、医師・歯科医師または看護師の指示を受けて業務を行うことを義務付けられています。そのため自分の判断で看護を行うことはもちろん、准看護師から看護師に指示をすることもできません。

3.昇進のしやすさの違い

看護師と准看護師は、昇進のしやすさも異なります。准看護師は看護師へ指示ができないので、部長や師長、主任になれないのが一般的です。そのため、管理職になるには看護師資格を取得していることが条件という職場も少なくありません。

准看護師は正看護師にキャリアアップすることもできるので、昇進したい人は、正看護師の資格を取ると良いでしょう。

4.活躍できる職場の違い

看護師と准看護師では、募集している医療機関にも違いがあります。准看護師を募集している医療機関は、比較的安価で雇えるという利点から個人病院やクリニック、介護施設での募集が多い傾向です。准看護師は、より地域に根ざした職場で働くことが多いといえます。

一方、高い看護基準を目指している病院や高度な医療技術、救急時の対応が求められる大学病院などでは正看護師の募集がほとんどです。准看護師の採用は限られているため、自分が働きたい病院の募集状況を事前に確認すると良いでしょう。

5.プラスの資格の取りやすさ

看護師には多様な専門分野があり、対応する専門資格もさまざまあります。認定看護師や専門看護師、保健師などが例に挙げられるでしょう。ただし、こうしたプラスの資格を取るには、看護師資格の所持が条件になっている場合が多く、准看護師だと挑戦できないケースも少なくありません。そのため、キャリアアップを考える准看護師は「まずは看護師資格を目指す」というのが一般的です。

参照元

厚生労働省「保健師助産師看護師法」

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准看護師から正看護師へのなり方3つ

准看護師が正看護師になるには看護師学校養成所で2年の課程を終了し、看護師国家試験に合格する必要があります。2年課程には、全日制・定時制(昼間・夜間)・通信制の3つがあるため、それぞれのライフスタイルに合わせて学ぶことが可能です。

1.全日制

全日制は准看護師資格を有することが受験要件となります。ただし中学校卒業後に准看護師となった人は、3年以上の実務経験が必要です。全日制は准看護師資格取得後、最短で看護師資格の取得が可能というメリットがあります。

2.定時制

定時制も全日制と同じく、准看護師資格を有することが受験要件となります。中学校卒業後に准看護師となった人は、3年以上の実務経験が必要という点も同じです。働きながら正看護師の資格を取得したい方は、定時制を選択すると良いでしょう。ただし定時制は、2年課程を終了するまでに3年を要します。

3.通信制

通信制は、准看護師資格を有しており実務経験7年以上であれば受験要件を満たします。こちらも働きながら正看護師の資格を取得したい方におすすめといえるでしょう。座学は主に通信教材による学習で、実習は病院等での見学実習です。登校日は養成所によって異なりますが、2年間で50日以上と規定されています。登校時には、授業を受けたり事例検討(紙上事例演習)を行ったりするのが一般的です。

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准看護師は廃止される?正看護師への一本化とは

准看護師は第二次世界大戦後に看護師が不足していた状況を受け、看護師増員のために導入された制度です。当時は高校への進学率が少なかったため、中学校卒業が看護師養成所の入学要項とされました。

しかし医療技術の進歩と共に、看護のニーズは年々複雑になり多様化。現場の看護師には、より自律的な判断や行動が求められ、従来の准看護師養成の教育水準では対応できないケースも出てきています。そのため日本看護協会は、准看護師養成所を看護師養成所に転換し、看護師養成の一本化を目指しています。

准看護師には「正看護師に比べ給料が低い」「自分で判断して看護が行えない」などのデメリットがありますが、「取得にかかる期間が短く、働きながらでも勉強ができる」というメリットもあります。准看護師免許は手に職をつけて働きたい主婦や、すでに社会人として働いているが看護師を目指したい人にとっては魅力的な資格といえるでしょう。

正看護師と准看護師、どちらの資格が合っているかは各々の生活環境や考えによって異なります。しかし、どちらの資格も需要は豊富です。まずは准看護師を目指すか、それとも看護師を目指すか、自身のライフスタイルや希望に合わせて考えてみると良いでしょう。

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