救急車、どうして有料化されるの?【ナースの豆知識】

2016.3.30

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http://www.photo-ac.com/

看護師として働いていると、救急車のサイレン音が日常的に聞こえてきます。搬送されてくる患者様も多く、救急車の有料化は気になりますよね。

高齢化が進み、救急車の出動回数が増加していると言われている中で、救急車が有料化されるかもしれないってどういうことでしょうか?日本だけなのでしょうか?

では、どうして有料化が求められているのか?

近年、風邪や飲酒後などでも救急車を利用する人が増えているようです。その為、救急車の出動回数の増加、到着時間が遅延することにより傷病者への対応が遅れる可能性が出てきます。

消防庁によると平成25年の救急車出動件数は前年に比べ、1.0%増の約74万件と増加傾向にあります。
(参考URL: http://www.tfd.metro.tokyo.jp/

そして、救急車の維持と出動には、各自治体の予算が年間約2兆円使われています。利用する側のモラルと自治体の予算の面、また今後進む高齢化により救急車の出動回数が増えると予測されます。

このようなことから財務省の財政制度等審議会財政制度分科会での有料化の検討が求められています。

 
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海外の救急車は有料なの?

海外では、救急車がすでに有料化されていている国があります。アメリカでは州により異なりますが約3万円前後、また利用時間と距離により加算されることもあります。

シンガポールでは原則は無料ですが、救急車が不要なのに利用した場合には料金がかかります。日本を含む香港など少数の国が無料です。それぞれ国により異なるようです。
(参考URL: http://www.fmed.jp/

日本ではどうなるの?

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財務省の財政制度等審議会財政制度分科会が2015年5月に行われました。

モラルの低下と救急車の維持管理と出動の際に使われる予算、また今後の高齢者の増加で利用者が増えると予測される面から、全ての人ではなく、緊急性がなく軽症で自分で病院に行ける人の場合は、ある範囲で負担をしてもらうよう今後検討されていくようです。

今後も話し合われるということでしょうね。

看護師や医療職ではない一般の方には、救急車を呼ぶか判断が難しい場合もあると思います。そんな時に便利なのが、都市部を中心に開設されている相談窓口の存在です。

東京消防庁には24時間体制の「救急相談センター」があり、看護師に相談できる体制を整えています。また、その時に診察可能な施設の紹介まで行っているようです。そのような窓口を利用することで、救急車を呼ぶかどうかの初期判断ができるのではないでしょうか。

海外では国によって救急車が有料の場合もあるので、海外に旅行やビジネスで行った際は、救急車を利用せずに過ごせるように病気やケガには十分に気をつけましょうね!

 
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