2016.9.1
骨粗鬆症と聞いて、骨の病気だと思う方は多いと思いますが、実は全身の病気なんです。
骨折のリスクが高い方をケアするときはとても気を使いますね。
骨粗鬆症の知識を補って、患者さんへのケアに活かしていきましょう。
その病名の通り
骨が
粗くなり
鬆(す)が入った
症状。
鬆(す)とは、「す」が入った大根などと言うように、時季を過ぎた根菜類に細かい穴ができてしまったあの状態を指します。
正常な背骨のX線写真を見ると、建物の「梁」に相当する骨梁が張り巡らせ、緻密にコンパクトになっています。骨梁はカルシウムの繊維で、骨の中に縦横にびっしりと詰まっています。
ところが、骨粗鬆症の骨のX線写真では、骨梁がまばらで、特に横の骨梁はなくなり、粗く穴があいた状態になっています。
そこに圧力が加われば、すぐに潰れるだろうと想像できます。
このように弱くなった骨が骨粗鬆症の骨です。
つまり、「骨強度が低下して、骨折しやすくなる疾患」です。
骨の強さ、骨強度は骨の量と骨の質の両方から決定されます。
影響が大きいのは骨の量で、骨強度の70%は骨量で決まりますが、30%は骨の質によって決まります。その結果、骨が弱くなると骨折しやすくなるのです。
骨粗鬆症がどんな病気かと言うときに重要なのは、「骨折しやすい状態」だということです。
「骨折してないから大丈夫」とは言い切れず、骨折していなくても骨が弱くなっていて、いつどこの骨が折れるかもしれない、そういう状態になった「全身の病気」が骨粗鬆症なのです。
骨粗鬆症は、自分では状態を把握するのがとても難しい疾患です。
骨粗鬆症があっても、すぐに骨折するとは限りませんし、無症状のままでいる場合もあります。
比較的気づきやすい自覚症状としてあげられるのは、背中や腰の痛みです。
痛みは就寝時や安静にしているときにはほとんどありません。
痛みはいすに座っていて姿勢を変えたときや立とうとしたときに起きたり、座ったままや立ったままで長時間同じ姿勢を続けたときなどに起こります。
背骨を構成している椎骨が押しつぶされ、つまり脊椎の圧迫骨折となり、筋肉に負担がかかるようになったり、周囲の神経が刺激されることで、痛みを感じる状態になったのです。
「閉経後の骨粗鬆症」
骨吸収と骨形成という骨の代謝には女性ホルモンであるエストロゲンが大きく関わっており、閉経によってエストロゲンが欠乏状態となり、骨の代謝異常が起きるのです。
「続発性骨粗鬆症」
たとえば、甲状腺の病気や栄養不良、関節リウマチなどで骨代謝異常が起こったり、薬の副作用で起こったりという原因がはっきりしている骨粗鬆症の場合。
X線写真・・・既存骨折の有無、変形の有無
骨密度・・・DXA法:微量なX線を利用した測定法
MD法:X線を利用した測定法
超音波による測定法
骨代謝マーカー・・・以下の2種類あります。
骨吸収マーカー:破骨細胞が働いて骨が溶けだしている状態を血液や尿中に溶けだした成分を測定
骨形成マーカー:骨をつくる骨芽細胞が作り出す物質の量を測定
女性は特に気をつけていきたい骨粗鬆症。
入院前からどんな生活を送っていたのかも、重要なアセスメントの項目になると思います。
閉経後どれくらいたっているのか?運動はしていたか?などなど、生活習慣から予防できる骨粗鬆症なので、患者さんの生活歴も参考にしながらケアしていきましょう。
いかに骨折をしないで過ごせるか?を患者さんと一緒に考えていくのも、患者さんへの自己管理を促すことにつながります。
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