慢性閉塞性肺疾患の症状解説・看護を行う際に気をつけたいポイント

2016.12.13

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現場で業務に携わっていると耳にする「COPD」。いったいどんな疾患なんでしょうか?在宅で療養されている方が多いのでなかなか院内で見かけることはないかもしれませんが、高齢者に多い疾患の一つとして、今回は、よく耳にするけど具体的によくわからない「COPD」についてお話しします。

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COPDとは?

「COPD」とは慢性閉塞性肺疾患のことです。

・COPDの概念・定義
慢性に持続する咳・痰・気道閉塞症状があり、徐々に呼吸困難へと進行する呼吸器疾患。肺気腫と慢性気管支炎が組み合わさった疾患の総称です。

COPDに含まれる慢性気管支炎は、2年連続して、冬季に少なくとも3カ月以上、ほとんど毎日咳や痰が続く病態で、肺結核や気管支拡張症などの特定の原因がないものをいいます。
また、肺気腫は終末細気管支より末梢の気腔が、びまん性、均一性に永久的に拡大した病態をいいます。
これらの病態が組み合わさった状態を慢性閉塞性肺疾患「COPD」と言います。

COPDの症状は?

COPDの症状には、慢性に持続する咳と痰があり、除々に進行して呼吸困難となります。
呼吸困難の初期症状としては、階段や坂道での息切れがあり、その後歩行距離の短縮、更に労作時呼吸困難、体動時呼吸困難へと進行します。いずれも息のしにくさを特徴としています。

COPDの検査項目と検査数値目安は?

呼吸機能検査では、気道閉塞の存在を1秒率の低下により簡単に検出する事ができます。

1秒率70%以下では、気道閉塞があると考えられます。さらに残気量が35%以上に増大する、体プレチスモグラフで測定される気道抵抗の増大、オッシレーション法で測定される呼吸抵抗の増大があります。

呼吸困難が発生すると血液中の酸素飽和度の低下が起こり、パルスオキシメーターの数値が低下します。

COPDの患者さんへの対応方法

COPDを発症する方は、喫煙をされている、もしくは喫煙されていた方に多いと思います。

COPDの患者さんは急性増悪を回避し、呼吸困難を緩和しながら在宅での生活を送りQOLを上げていくことが大切です。

COPDの予防の第一は禁煙です。疾患経過のどの時点で禁煙してもそれ以後の進行を遅らせる事が出来ます。治療には、体位排痰法や胸部叩打法などの物理的療法に加えて、去痰薬により去痰を促進するものもあります。
気道痙攣やそれに伴う咳には、気管支拡張薬の吸入・内服を行います。呼吸困難があり低酸素血症があるときは、鼻カニューレにより酸素吸入を行います。

在宅でのケアとして、在宅人工呼吸・吸引・気管切開などの自己管理教育や、日常生活の注意点などの教育も必要になってきます。

また、息切れの閾値を上げるために、呼吸筋の柔軟性を保持する運動や散歩などの体力づくりもケアの中に取り入れていきます。

また、医療機器の使い方やメンテナンス方法、異常時の対応、医師の処方通りの設定で行うことなどの重要性についても教育が必要です。

高齢者に多い疾患であるため、在宅療養では家族と地域の支援が重要です。

おわりに

COPDについてお話しましたが、いかがでしたか?
在宅療養されている方が多いとお話しましたが、COPDや他の疾患で入院することも考えられるので、いつ担当になっても慌てないように知識と技術が必要です。

また、将来の健康のために、喫煙されている方もご家族が喫煙されている方も、この記事を読んでCOPDを理解し禁煙にチャレンジしてはいかがでしょうか?

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