副腎皮質ステロイドの一種であるコルチゾールの作用について知りたい

質問したきっかけ

4月に卒業したばかりで、内科病棟に勤務している新人看護師です。先日、医師による新人対象の勉強会があり、副腎皮質ステロイドの一種でコルチゾールというホルモンの話が出たのですが、正直よく理解できず頭の中が混乱しています。

質問したいこと

副腎皮質ステロイドの一種であるコルチゾールの役割や作用について知りたいです。

ひとこと回答

コルチゾールは、副腎皮質ステロイドの一種です。この副腎皮質ステロイドホルモンであるコルチゾールは基本的に、脳や体がストレスに適応できるように体を調整する、という役割を持っています。その作用は、抗ストレス作用や抗炎症作用などが主なものです。

詳しく説明すると

ご質問ありがとうございます。副腎皮質ステロイドの話は難しいと感じることがありますね、よくわかります。コルチゾールの作用についてできるだけわかりやすくお話したいと思いますので、一緒に確認してみてくださいね。

コルチゾールとは


コルチゾールとは、副腎皮質ステロイドと呼ばれるステロイドホルモンの一種です。コルチゾールは体のストレスに反応して分泌されるため、「ストレスホルモン」とも呼ばれます。人が何らかのストレスを受けたとき、そのストレスの強さに応じてコルチゾールが分泌され、交感神経系を刺激して脳や体を覚醒させます。副腎皮質ステロイドであるコルチゾールは、ストレスに対応するためにさまざまな作用を発揮するのです。

コルチゾールには、炭水化物・糖質・脂肪・たんぱく質などの栄養素の代謝を促進する作用があり、脳や体が必要とするエネルギーの産生を促す働きもあります。また、副腎皮質ステロイド系の抗炎症薬として使用されたり、免疫機能を抑制したりする作用などを有しているのも特徴の一つ。人が生命を維持するために必要不可欠のホルモンだといえます。

コルチゾールの作用


副腎皮質ステロイドホルモンであるコルチゾールには次のような作用があります。

  • 抗ストレス作用
抗ストレス作用は、コルチゾールの基本となる作用です。ストレスに反応して分泌され、交換神経を刺激し体の緊張状態を保ちます。脈拍や血圧を上昇させるほか、運動機能を増すことで脳を覚醒状態にします。

  • 抗炎症作用
炎症は体の防衛反応の一つです。炎症を起こすことでその部位に痛みを感じて、その部位の治癒や修復を促す働きをします。しかし、その治癒や修復にはエネルギーが消費されるため、生命が危機に瀕しているような場合には、コルチゾールが分泌されて炎症を抑えることによりエネルギー消費を抑制します。それにより、体が活動するためのエネルギーを保つことができます。

  • 免疫抑制作用
抗炎症作用と同様に、短期的に免疫作用を抑制することで体の活動エネルギーを確保する作用です。コルチゾールが分泌されるような状況下(ストレス)においては、体の免疫力が落ちている場合が多いため、抵抗力が低下し病気に罹りやすい状態であることが考えられます。その状態が長期に及ぶと、ガンなどの疾病の発症リスクの増加につながります。

  • 糖の新生促進と血糖値の上昇作用
筋肉内のたんぱく質をアミノ酸に分解して肝臓内でグリコーゲンに変え、グリコーゲンをブドウ糖に合成する働きを糖の新生といいます。ブドウ糖は脳内で活動エネルギーとして使用されますが、ブドウ糖が不足する(絶食や飢餓状態)状態に陥った際は、糖の新生が起こり筋肉が分解されることになります。
また、絶食や飢餓状態に陥った際は、脳内のエネルギーが不足して生命維持が困難になることも…。それを防ぐためにコルチゾールは、脳以外の場所でブドウ糖が使用されることを制限し、血液中の血糖値を上昇させるよう作用するのです。

  • 脂肪分解促進作用
糖の新生が起こるような状況下において、脳以外の場所での糖の消費が制限されるため、コルチゾールは脂肪の分解を促進して糖の代替エネルギーとして体の組織に供給します。

おわりに

いかがでしたか?副腎皮質ステロイドは、内服薬や外用薬でもよく使用されるホルモンです。頭の中を整理して自分なりにそれらの作用を理解しておくことが大切だといえます。詳しく知ることで、なぜその患者さんに副腎皮質ステロイドが使用されているのかがわかりやすくなると思います。日々新しい知識を積み重ねて頑張ってくださいね。
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