肝血管腫はどういう疾患か?肝血管腫が起こる原因や症状、治療について

質問したきっかけ

私は、今度外科外来に勤務することになりました新人看護師です。患者様が人間ドックを受けた後にこちらの外科外来でフォローすることになっています。

腹部エコーの検査より、肝血管腫や疑いと診断される患者様を何度か拝見しており、医師は経過観察と年に1回から2回の腹部エコーをするよう指導しています。肝血管腫という病名だけを聞くとととても大病に感じられます。肝血管腫について色々知りたいと思いました。

質問したいこと

肝血管腫はどのような病気なのか、また症状はどんなものなのか、どのようなことが原因で起こるのかなどを詳しく知ることで、看護側から色々なアドバイスをしたいと思っています。

ひとこと回答

肝血管腫とは、肝臓で毛細血管の交わりの多い部分の一部が増殖し、腫瘍状に発育した良性の腫瘍のことです。肝血管腫の症状としては「腫瘍が肝臓の表面に突出している」などで、原因については複数の説があり、ホルモンの影響などが考えられます。

詳しく説明すると

ご質問ありがとうございます。肝血管腫はあまり耳にしない病名に感じられます。病名を聞くと手術や大変な治療が必要に思えますね。それなのに発見後のフォローは、定期的なエコー検査や経過観察で様子をみることになっています。

しかし、経過観察も一つの治療であって定期的にエコー検査などをすることで、病状の悪化や血管腫の変化を早期に見つけることに繋がります。定期検査での何らかの発見をするためにも、肝血管腫についてご説明したいと思いますのでよろしくお願いします。

肝血管腫とはどのようなものか?その治療は?また、どのように発見されるのか?それが起こりうる原因についてお話していきたいと思います。

肝血管腫は、肝臓で毛細血管の交わりの多いところが一部増殖して、腫瘍状に発育した良性の腫瘍です。良性、悪性腫瘍の判断は発見された段階での肝疾患の有無により判断されることが多く、腫瘍が2cmほどの大きさであれば、外科的・内科的な治療はせずに経過観察と定期検診となります。

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれています。不快な自覚症状がなかなか現れないために、たまたま行った人間ドックなどのエコー検査によって肝血管腫が発見されることが一般的です。経過観察ではなく何らかの治療が必要となるのは、以下のような症状がある場合です。

  • 患者様が肝炎や肝硬変である(多くはアルコール性脂肪肝)
  • 肝血管腫の大きさが3cm以上
  • 腫瘍が肝臓の表面に突出している
  • 血液凝固異常(血液検査ですぐにわかる)
  • 自覚症状がある(腫瘍が大きいことで腹部上部の圧痛、腫瘍の破裂によっての貧血症状など)

このような症状が観察された場合は腫瘍摘出などの治療が行われます。判断基準を看護側が知識として持っていると、事前にカルテを確認したり、経過観察の様子や定期検査を見比べたりすることができ、看護者からも経過観察に重要なアドバイスができるかと考えられます。

原因についてはいくつか説がありますが、詳しくわかっていないのが現状です。わかっている原因としては、遺伝性、肝硬変や肝炎などの肝機能障害、ホルモンの影響などです(統計的に出産経験の多い女性に既病が多い)。

肝血管腫の予防については、原因がはっきりわかっていないため何に気をつけるのかをうまく患者様にお伝えしにくいということになります。その中でも伝えるとするなら、肝臓に負担をかける暴飲暴食を控えることや適度なアルコール摂取適度な運動をおすすめします。これらは肝血管腫にかかわらず、患者様自身の健康維持のために良い影響となるため、看護者側からお伝えできたら良いと思います。

経過観察や定期健診は、血液検査データの確認や腫瘍肥大を確認するために何より重要です。時間が空いての診察はどんどん気持ちが離れて面倒になってしまうので、定期検診を受けるよう患者様に理解していただく指導が必要と思います。

おわりに

実は私も人間ドックを受けた身内に肝血管腫と診断された人がいます、病名を聞いたときは手術か?それとも入院か?と一瞬びっくりしました。もちろん、経過観察というのも驚きましたが、定期的にエコーをして、腫瘍の大きさの変化を観察することは必要だと思います。診察期間が空きますのでその時その時のデータをカルテからしっかり読み取れると良いですね。

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