体位変換前後に気管吸引を実施する理由は?

質問したきっかけ

脳外科病棟で働いています。先日、寝たきりの患者さんを受け持ったのですが、先輩から「痰が多いから体位変換の前後で痰を取ってみてね」と言われました。私は、体位変換後に行うと効率よく体位ドレナージが効いて痰が取れると思いました。

質問したいこと

なぜ、体位変換前後で痰を取る必要があるのか教えてください。

ひとこと回答

体位変換を実施する前に吸痰することで、気道クリアランスを維持できます。また、体位変換によって下側になる気管への痰の流入を予防できることも挙げられます。

詳しく説明すると

こんにちは。私は集中治療室に勤務する看護師です。集中治療室では、人工呼吸器を使用している患者さんや呼吸状態が悪い患者さんがいます。必要に応じて気管吸引を実施しますが、なぜ体位変換前後で気管吸引をする必要があるのか一緒に勉強していきましょう。

気管吸引が必要なのは、痰の自己喀出が困難な患者さんです。意識レベルが低下して自己喀出できない状態や、頚部の手術による疼痛で自己喀出が困難な状態、痰が気道内に貯留して窒息のリスクがある場合などに気管吸引が必要になります。

術後で気管吸引が必要な患者さんの場合は自己体動が可能であるため、体位ドレナージができています。また、意識もあることから痰の貯留や呼吸苦等があれば訴えがあるため、気管吸引を実施するタイミングがつかみやすいです。

しかし、意識レベルが昏睡の患者さんの場合は異なります。呼吸音を聴取し、痰の貯留を認めた場合に気管吸引を行うのも一つの方法ですが、体位変換前後で気管吸引することにより、気道クリアランスをさらに向上させることが可能です。

その理由として以下のことが挙げられます。

右側臥位を実施すると、重力によって左側にあった痰が右側の気管や気管支に貯留します。この状態で気管吸引を行うと、体位変換後に左側に移動する痰を除去することが可能です。その後、左側臥位へと体位変換を行います。

次は逆に、右側臥位では取り切れなかった痰が重力によって移動し始めるため、左側臥位をとった際に気管吸引を実施することでさらに痰が除去でき、気道のクリアランスが向上するのです。この時にスクイージングやバイブレーションを実施することで、気道に張りついている痰が外れ、吸引できる可能性があります。

おわりに

たしかに、体位変換後でも気管吸引を実施すれば痰は吸引できると思います。しかし、体位変換前に痰を取っておくことで、よりよい呼吸状態が提供できるのも事実です。実践から得られることも多いと思いますので、ぜひ試してみてくださいね。
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