看護の現場力向上と専門的な知識の学びを後押しする組織

本記事では、実践的な医療英語や各種フレーズが学べる講座を開講する法人、看護助手や電子カルテの実務能力認定試験を実施する協会、摂食症の当事者・ご家族に向けた交流会と予防啓発活動を行う支援団体をご紹介します。

外国人患者への対応力を磨きたい方や、資格取得でスキルアップを目指す方、患者さんやご家族への理解を深めたい看護師さんは、ぜひ参考にしてみてください。現場で活かせる学びを得て、日々の看護の質を高めるためのヒントが見つかります。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

特定非営利活動法人 医療英語学習支援協会

医療現場の国際化が進む中、言語や文化の壁を越えたコミュニケーションを支援しているのが、特定非営利活動法人 医療英語学習支援協会です。もともとは2013年まで有志による学習グループとして活動していましたが、2014年秋に東京都から認証を受け、NPO法人として正式に設立されました。

同法人では、看護師をはじめとする医療従事者や医療系の学生、広く一般の学習者を対象に、医療英語や英会話を学ぶ機会を提供しています。医療英語の学習に興味・関心がある方がどなたでも気軽に参加できるような学びの場を整えています。

現場で活きるフレーズが身につく各種講座

外国人患者さんの対応や電話での問い合わせ、検査や処置の説明など、医療現場で英語でのコミュニケーションに戸惑った経験を持つ看護師の方もいるのではないでしょうか。
一般的な英会話スクールでは触れない専門的な会話やフレーズを、ニーズに合わせて効率よく学びたいと感じる場面は少なくありません。

そこで注目したいのが、内容やテーマに合わせてそれぞれ異なる教本を使用しながら学べる、同法人の多彩な医療英語講座です。
講義形式とは異なり、患者と医療従事者のモデルダイアログを使った音読やペアワーク、日英変換練習といった双方向の演習を多く取り入れているのが特長。レッスンでは、日本語とレッスン用の英語を交えて進められるため、英語に苦手意識がある方でも安心して取り組めます。

オンライン講座にはZoomが活用されており、場所を問わず遠隔地からでも受講できます。2026年度の講座は、月曜午後や火曜夜間に行われ、シフト勤務の合間にも受講しやすい時間帯が用意されている点も魅力です。
学習項目は、2026年度を例にあげると、電話対応や痛みの聞き取り、検査や服薬指示など、日常の看護現場で役に立つ表現が中心となっています。さらに、これまでに学んだ内容をしっかり復習できる隔月のフォローアップクラスや、歯科分野に特化した講座など、ご自身の目的に合わせて選べます。

オンラインに加えて現地会場で集まる対面講座(通称「オフ会」)も開催されています。
オンライン講座も対面講座も、それぞれの教本の学習項目に沿って進められているため、仲間と一緒に無理なく学びを深められる環境です。

語学の習得は、単なる知識の蓄積にとどまらず、多様な文化を理解することでコミュニケーションを円滑にし、人と人とのつながりを深めるきっかけにもなります。
現場でのコミュニケーションを円滑にする同法人の講座を、ご自身のスキルアップに役立ててみてはいかがでしょうか。

詳細情報

全国医療福祉教育協会

めまぐるしく変化する医療・福祉の現場に向け、時代に即した人材の育成と能力認定に取り組む、全国医療福祉教育協会。医療現場のIT化やサービス性の向上に対応できる人材を送り出すため、医療機関の事務部門や学術機関などの賛同のもと2003年に設立されました。

現在は、特定非営利活動法人職業技能専門教育研究機構から認定を受け、各種認定試験を通じて教育水準の底上げや、現場で活きる接遇力の向上に注力しています。単なる計算スキルにとどまらず、患者さんへの接し方やITツールの運用力まで含めた、現場で役立つ総合的なスキルを証明する活動を続けている組織です。

看護助手と電子カルテの実務能力認定試験

医療の現場では、医師や看護師の不足に加えて情報のデジタル化が進んでいます。こうした変化に伴い、看護チームを足元から支える存在や、システムを適切に扱える人材の重要性が高まってきました。
そうした現場のニーズに応えるのが、同協会が実施している「看護助手認定実務者試験」と「電子カルテオペレーション実務能力認定試験」です。

「看護助手認定実務者試験」は、医療施設で即戦力として活躍するための知識や技能を評価する仕組みです。看護助手には、看護チームの一員として専門的な判断を伴わない療養上の世話や、診療補助に関わる周辺業務を担う役割があります。
試験ではチーム内での役割や患者さんの心身の理解、現場で必要な基本技術といった領域から学科問題が出題されます。合格基準は原則として正答率6割以上とされており、一般受験の方は自宅で受けられる在宅受験が可能です。

一方の「電子カルテオペレーション実務能力認定試験」は、医療ITに関する基礎知識と、実務に必要な操作スキルを多角的に確認します。
試験では文部科学省のカリキュラムに沿った教育用電子カルテソフト「C&C電子カルテシステムⅡ」(※)を使用するのが特徴です。基礎知識を問う学科問題に加えて、実際のソフトを用いた診療録の作成や出力を行う実技問題が出題されます。
一般受験の学科問題にはインターネット経由で臨むIBT方式が採用されており、自宅のパソコン環境から受験可能です。合格基準はこちらも原則として正答率6割以上となっています。

どちらの試験も、現場で役立つ実践的な能力を証明する手助けとなります。多忙な看護の現場において、円滑な業務連携やチーム医療の質を維持するための力強い後押しとなるでしょう。

※「C&C電子カルテシステムⅡ」は、ケアアンドコミュニケーション株式会社が開発・販売している教育用ソフトウェアです。

摂食障害よりみち

▲画像提供:摂食障害よりみち

当事者やそのご家族を支えつつ、社会全体の認知と理解を深める活動に取り組む、摂食障害よりみち。心と身体のSOSが食行動として現れる摂食症(摂食障害)に対し、正しい知識の発信と啓蒙普及に力を注いでいます。

医療や教育の現場では、本疾患に関する学びや適切な対応方法を習得する機会が、まだ十分とはいえません。こうした現状を踏まえ、当事者やご家族が孤立しないための居場所づくりに取り組んでいます。
また、メンバーには摂食症を経験した看護師、管理栄養士、薬剤師などといった医療資格を持つスタッフをはじめ、多彩な経験や知識を備えた方々が在籍。専門的な視点と当事者の心情の双方に寄り添いながら、地域社会や行政、医療機関とも連携し、誰もが安心して相談できる環境整備を推進しています。

交流会や講座で広げる理解と支援

日々患者さんと向き合う医療現場において、摂食症に対する看護や関わり方にふと難しさを感じた経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。学生時代の講義や実習で詳しく扱う領域が限定的であることも多く、十分な知識を整理できないまま現場での対応に不安を抱えるケースはめずらしくありません。

こうした背景を受け、同支援団体では、当事者やそのご家族を支えながら、正しい理解を社会に広めるための交流会や講座といった予防啓発活動を行っています。

たとえば、当事者やご家族に向けた交流会では、対面だけでなくオンライン(Zoom)も活用し、地域を問わず安心して悩みや実情を共有できる場を用意。治療法を直接提示するのではなく、それぞれの体験や思いを分かち合うことで、心の重みや孤独感を和らげる交流の場をつくっています。

また、摂食症に関する基本的な知識や関わり方を伝える講義をはじめ、啓発リーフレットやポスターの配布、教職員や保護者を対象としたワークショップも実施。食事時の声掛けのヒントや、食行動に現れるサインが「心のSOS」であることを伝え、周囲が適切な距離感で寄り添うための理解づくりを進めています。

これらの取り組みには、同支援団体に所属する看護師もともに携わり、医療的な知見と当事者目線の双方を大切にしたアプローチを行っている点が特長です。
当事者やそのご家族のリアルな声やケアのヒントに触れることは、医療従事者にとっても日々の看護や摂食症に向き合う関わり方を深める貴重なきっかけとなるでしょう。

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