
人手不足が叫ばれている医療従事者は、仕事が忙しい状況にあることも珍しくないでしょう。しかし、その最中でも医療事故を起こさないよう、作業に工夫を凝らしたり、技術力を磨いたりしなければいけません。また症例の少ない疾患と出会った際には、患者さんの気持ちにどう寄り添うかが求められるケースも出てきます。
そこで本記事では、有用な医療機器を開発している企業、教育教材の開発に尽力している企業、頭頸部がんの当事者やその家族の拠り所となっている法人を紹介します。
1977年に設立されて以来、OEM・ODMを通して、医療分野の創造力とIoTの情報技術を培ってきた株式会社マーク電子。現在ではそれらを活かし、医療従事者側の目線に立った自社製品の開発も行っています。
医療業界全体が安心・安全な医療を提供できるように、そしてすべての人が健康でいられるように、社会貢献している企業です。

点滴時には、適切に滴下しているかどうか測定する必要がありますが、その際には同社が開発したDR-MARKが活躍するでしょう。
同製品は、本体を点滴筒に取り付け、スマートフォンやタブレット、PC等と連携を行い点滴の滴下状況をリアルタイムに遠隔で確認ができるスマート型医療機器です。ドップラーレーダーを活用した特許技術が用いられているため、患者さんが動いても計測を正確に行えます。
滴下異常時や点滴終了時には通知が届くため、ほかの作業に取り組んでいる場合でも効率良く対応できるでしょう。

看護師が多く活躍する医療現場は、日本が超高齢社会に突入していることもあり、需要増加による人手不足が深刻化してきています。人材不足が起こると医療現場は忙しさを増し、十分注意していても、時として医療事故につながってしまう可能性もあるのが実情です。
そうした医療事故を未然に防ぐために、点滴治療をサポートしてくれる同製品の利用を考えてみるのも良いかもしれません。
株式会社坂本モデルは、医療現場のリアルな声に耳を傾け、その声を反映させた教材製品の開発に努めている企業です。
同社が手がけるのは、モデル人形をはじめ、注射や吸引・栄養、排泄などの看護シミュレーターが中心。教材に求められる耐久性はもちろんのこと、人体により近い質感、そして製品としての総合的な美しさを追求しています。

“きんちゅう”くん IIは、皮膚だけでなく、肩峰や筋肉についてもリアルに再現されている看護シミュレーターです。
トレーニングする際は、同製品を実際に触診したり、つまんだりしたうえで穿刺します。穿刺の位置と深度をLEDライトの点灯とブザー音による正誤で確認できるため、上腕筋肉注射と皮下注射のスキルアップを目指せます。
また、同製品を人に装着し、注射される患者さんの立場を体験することも可能です。患者さんが穿刺時に何を感じるのかがわかれば、実際の現場でどのような声かけをしたら良いのか浮かんでくるかもしれません。

モデル人形の”問診さん”の特長は、コミュニケーション力を高めるための機能が充実していることです。同製品にはマイクやカメラが内蔵されており、遠隔からの対話および画像撮影が行えます。
そのほか、演習後のフィードバックにも活用できるよう、録画機能を備えているのもポイント。自分の言動を客観的に把握することで、良い部分はさらに伸ばして、弱みに感じる部分は対策を講じられます。
なお、同製品は実習モデル人形としても活用することが可能です。実際に医療手技をしながら会話が行えるため、さまざまな状況を想定してトレーニングできます。
上腕部筋肉内・皮下注射シミュレーター(装着型)「“きんちゅう”くん II」
問診トレーナー「”問診さん”」
特定非営利活動法人 頭頸部がん患者友の会は、実際に舌がんの手術を2度経験し、それによる不自由さも実感したという佐野敏夫氏が、長年にわたって行ってきた口腔リハビリにより回復した折に設立した法人です。
頭頸部がんの当事者やその家族が、自分の気持ちを語り合ったり、情報交換したりできる場を設け、自分らしく生きていくための道標となるべく活動しています。

頭頸部がんとは、耳や鼻、口腔、咽頭、唾液腺などに発生するがんを総じて指したものです。
治療方法には、手術療法や放射線療法、薬物療法、免疫療法が挙げられ、単独もしくは集学的治療が行われます。こうした頭頸部がんの治療により、口腔内の免疫が低下したり、乾燥したりなど、がんとはまた別の障害や疾患が発生するケースもあるため、口腔ケアおよびリハビリが重要となります。
同法人では、年に数回「頭頸部がん患者友の会」を開催しています。過去の演題としては、「患者様の体験に基づいたリハビリ方法」「走題誤嚥性肺炎予防のための口腔ケア」「誤嚥性肺炎の予防と口腔ケアのガイドライン」などがあり、頭頸部がんの当事者やその家族のみならず、医療従事者にとっても有益な情報が得られます。

また、近年は新型コロナウイルスの影響により、オンラインでの患者会を実施。元来、現地への移動が難しかった方でも、参加しやすいという魅力があります。
そして、2022年1月27日にも、zoomを用いた「オンライン患者会」が予定されています。実際に頭頸部がんの領域に携わっていたり、関心を持っていたりする医療従事者の方は参加してみてはいかがでしょうか。
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