術中だけじゃない?! 手術室看護師が患者様とじっくり関わりを持てる時間とは

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◆はじめに

手術室看護師と患者様の関わりは、「手術の時だけ」なんて思っていませんか?

もちろん緊急手術では、病院に到着して直ぐに手術室へ運ばれる(緊急性が高い場合は、ドクターヘリから救急外来を介さずに手術室に運ばれてくる)場面もあります。しかし多くの予定された手術では、手術室看護師が手術前に患者様と関わりの時間を持ち、「手術」の組み立てを行っています。

今回は、『手術室看護師が術前に患者様と関わりを持てる時間』についてご紹介します。

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術前外来での情報収集と術前カンファレンス

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以前は、手術室看護師は手術室で患者様をお待ちしてお迎えするところから関わりがスタートすることが多くありました。しかし、近年では入院日数の短縮化により患者様が入院される前から、退院に向けての準備や入退院に関する不安に対応していくことが重要だと言われています。

手術においても、患者様が入院される前から術前外来にて患者様とコンタクトを図ることで、適切な麻酔方法や術式を検討したり、リスクを導き出すことで個別的に対応できるシステムが構築されるようになってきました。

多くの施設で、麻酔科医による術前外来が行われるようになりました。手術が決まった患者様から麻酔科医が情報を得て、リスクをアセスメントしています。それと同様に手術室看護師も患者様から事前に情報を得る動きがあります。麻酔科医の術前外来に同席する形をとる施設もあるようです。

入院前に患者様とお会いしてそのリスクを把握することはもちろんですが、直接お話をしたり表情を伺いながら会話を行ったりすることで、手術に対する思いや、もともとの性格、キーパーソンなど幅広くその人を知ることができます。

多くの場合、手術の前日に入院される患者様が多いので、術前訪問の際は、既に緊張や不安で一杯の姿を目にすることが多いと感じます。術前外来でお会いする時との比較で、患者様の気持ちの変化や反応を観察させていだだいています。

また、術前外来から手術までは時間があるため、リスクに対して必要な道具を用意したり、人員を確保したり準備をすることができます。必要があればカンファレンスを開いて、医師や看護師、臨床工学技士など手術に関わるスタッフそれぞれの専門的意見を交換し、情報共有や方向性を揃えることが可能になります。

 
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術前訪問での関わり

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ほとんどの場合、手術を担当するスタッフが術前訪問を行いますが、それが難しい場合には、代わりのスタッフにお願いして書類と情報を受け取ります。

術前訪問でお会いする患者様は、入院したばかりで落ち着かない状態の方が多くいらっしゃいます。緊張されていて、不安や恐怖心がある方、「もう諦めた」「まな板の上の鯉だよ」などとおしゃる方、手術や疾患に対する受容ができていない方も多くいらっしゃいます。

手術前なので、手術室看護師としては、手術室当日の流れ(入室から麻酔導入、麻酔覚醒から退室、ご家族の待機方法など)を説明していくところです。しかし、その説明で恐怖心や不安を増強させてしまう患者様もいらっしゃるため注意が必要です。

一方で、「知らないことが怖い」と感じておられる患者様に対しては、写真などを使って細かく状況や目の前に来るであろう手術器具、痛みを感じる処置など説明させていただくこともあります。

術前外来からの情報や、術前訪問でお会いしたときの様子から、一人一人の患者様に対して必要だと思われる内容を判断して対応しています。

また、術前訪問は患者様から情報を得られる場でもあります。術前の体調や身体の状態を観察し、術中の体位に無理がないか、術前から抱えている傷や疼痛などの症状を詳しく確認します。

当日に手術室に入室する際に、確認する事項を前日にも確認しておくと、術前準備の際に落としが少なくなります。

例えば、義歯、コンタクトレンズ、アクセサリーの有無、湿布や磁気等の使用など手術室入室前に確認する事項ですが、明日はこんな内容を確認しますよと伝えておくと「磁気テープを剥がしておかなくちゃ」などと患者様も理解してくださいます。

中でももっとも重視されることは、アレルギーです。場合によっては器械が使えない、薬品が使えない、手術の順番を変更しなくてはならない、手術の中止が検討されるなど、計画の変更が必要になるからです。
手術では直接体中にアレルギー物質が触れるため、少しのアレルギー症状でや疑いであっても慎重な対応が必要になります。

手術当日での関わり

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近年は、患者様が手術室に入室される際、鎮静を行わずに歩行入室で入室をされる施設が増えてきました。
手術に対する受け入れを促すことに繋がる場合や、本人確認や術前の状態確認(バイタルサインをはじめ、その人の通常を把握できる)が正確にできるなどメリットがあります。

当日、間接介助を担当する手術室看護師が術前訪問を行なったり、担当の麻酔科医が術前訪問を行なうことができた場合は、マスクを外して「昨日伺った担当の〇〇です」と伝えるだけで、患者様の緊張された表情が解れて笑顔が見えることもあります。
バーコードリーダーや写真の照らし合わせだけでなく、確実な本人確認のためにも術前訪問は有効です。

手術への入室前に、患者様の状態を確認してから入室をします。
「手術着を着て帽子を被っていたから誰かわからなかったよ」などと会話しながら入室できる方もいますし、「怖くて目が開けられない、手を握っていてほしい」とおっしゃる方もいます。
いずれも術前外来や術前訪問で患者様と関わりを作っていたからこそ対応できることです。術前訪問ができた患者様とできなかった患者様とでは、看護師として支えられる範囲や内容が変わってきます。

しかし、一方で、術前外来・術前訪問を行なったにもかかわらず、見落とされていた情報が手術直前に発見されることがあります。
もっとも多いのが身体状況です。術前訪問に伺った際に、私たちも服から出でいる皮膚に関しては状態を観察しますが、胸部や腹部、背中など洋服で隠れてしまっている部分までを見ることができないのが現状です。
帯状疱疹や感染症などが見つかり、手術ができないと判断せざるを得ない場合もあるので、注意が必要です。

◆おわりに

「手術室看護師は患者様と関わったり会話をしたりする時間が少ないのではないか」と考える方もいらっしゃると思います。

しかし、手術室看護師は術前外来から術後訪問を通して、患者様の変化や状態を観察しています。
特に術前では、安全に手術を行うために患者様の協力を経て、サインイン(麻酔導入開始)までの間に全身状態の確認を徹底して行い、必要があれば早期に対応していくことが重要です。

安全に、そして少しでも患者様が恐怖心を軽減し、安心して手術を終えて退院されるためには、手術室看護師と患者様の信頼関係の構築が必要なのです。

手術室看護師は、手術チームの一員として術前から術後まで患者様としっかりと関わる時間を持ち、じっくり計画を立てて手術を担当し、一人一人の患者様と向き合うことができるのです。

 
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