看護師から救急救命士になるには?資格取得の流れや国家試験について解説

看護師から救急救命士へ!資格の取得方法を解説のイメージ

「看護師から救急救命士になるにはどのようにすれば良いの?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。救急救命士は、心肺停止で危篤状態となった患者さんに蘇生処置を行う仕事です。本記事では、救急救命士の特徴や今後のキャリア、看護師との違いを解説します。救急救命士の資格を取得するメリットやデメリット、必要なスキルや適性も紹介します。救急の現場に興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

救急救命士とは

救急救命士は、事故や急病などによって生命が危険な状態にある患者さんに対し、迅速な救命処置を行う国家資格(専門職)です。主に、救急現場から医療機関へ搬送するまでの間における処置を担いますが、法改正に伴い、現在は病院到着後の救急外来などでも医師の指示のもとで救命処置をサポートする役割を果たしています。

災害時には怪我した患者さんの緊急度や重症度を確認し、搬送や処置の優先順位を決定できるのが特徴です。消防機関の救急隊員として活動するケースが多く、迅速な判断と適切な救命処置が求められます。

出典

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救急救命士のキャリアと可能性

救急救命士は、救急現場から医療機関への搬送まで患者さんの救命を担うだけでなく、病院内でも役割を果たせるようになっています。厚生労働省の資料(P2)によると、2021年10月の救急救命士法の改正により、救急救命士の救急業務は病院到着までの搬送だけでなく、病院到着後の入院まで担当できるようになりました。

看護師として身に付けた医療知識や患者さんへの対応経験を活かしながら、救急現場だけでなく、病院内でも救急救命士としての知識や技術を活かせる場が広がっています。

救急救命士と看護師の違い

救急救命士と看護師は、どちらも人の命を守る仕事ですが、担う役割や活動する場所、できることには違いがあります。ここでは、仕事内容や医療行為、年収・給与の違いについて説明します。

救急救命士と看護師の仕事内容や役割の違い

救急医療の最前線で初期対応に特化する救急救命士に対し、看護師は医療機関や地域社会でトータルな療養ケアを担うという特徴があります。仕事内容や職場の違いを比較すると、それぞれの資格でできることを把握しやすくなります。

職業役割職場
救急救命士医師の指示のもとで、心肺停止で危篤状態の患者さんに蘇生処置を行う消防署、海上保安庁、病院の救急外来など
看護師医師の指示のもとで、治療や療養中の患者さんのケアを行う医療機関や介護施設、保育園、企業など

参考:厚生労働省「救急救命士について(P1)

救急救命士と看護師では、主に救命処置と療養中のケアという役割の違いがあることが分かります。また、救急救命士は消防署や救急外来などの救急に関わる職場、看護師は医療機関に加えて介護施設や企業など、より幅広い職場で働いています。

出典
厚生労働省「救急救命士について」(2026年8月20日参照)

救急救命士と看護師が行う医療行為の違い

救急救命士と看護師では、資格によって認められている医療行為の範囲が異なります。救急救命士は、医師の指示を受け、定められた条件のもとで救命処置を行います。代表的な処置には次のようなものがあります。

  • ラリンゲアルマスクや気管内チューブ、食道閉鎖式エアウェイによる気道確保
  • 乳酸リンゲル液を使った静脈路の確保及び輸液
  • 低血糖発作症例のある患者さんへのブドウ糖溶液の投与

救急救命士には生命の危機にある患者さんへ行う救命処置について、一定の医療行為が認められています。一方、看護師は医師の指示を受けて診療の補助を行うため、担当する医療行為の範囲が異なります。看護師から救急救命士を目指す場合は、この違いを理解しておくことが重要です。

出典
厚生労働省「救急救命士について(P6)」(2026年8月20日参照)

救急救命士と看護師の年収や給与の違い

救急救命士と看護師では、平均年収に違いがあります。ここでは、それぞれの平均年収を比較したうえで、看護師の給与が高くなる理由と、消防職として働く救急救命士の給与について説明します。

救急救命士の平均年収看護師の平均年収
約335万3,000円約524万7,000円

参考:職業情報提供サイトjobtag「救急救命士」「看護師

看護師の平均年収が高い理由の1つとして、夜勤手当や危険手当といった病院ならではの手当が給与に加算されていることが挙げられます。夜勤手当は、夜勤の回数によって手当の金額が変わるため、勤務体系が年収に影響します。一方、消防職の救急救命士は地方公務員として勤務するので、勤続年数に応じた昇給や時間外勤務手当などがあります。そのため、勤務先によっては、看護師より高い収入になる場合もあります。

出典
職業情報提供サイトjobtag「救急救命士」「看護師」(2026年8月20日参照)

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看護師から救急救命士になるには

看護師から救急救命士を目指す場合、まずは救急救命士国家試験の受験資格を得る必要があります。ここでは、受験資格の取得から試験準備までを説明します。

救急救命士の受験資格を得る

平成3年8月15日時点で、看護師免許を取得していた(または養成所に在籍していた)方は受験資格がありましたが、厚生労働省の医政局地域医療計画課「本ワーキンググループ開催の経緯と今後の進め方等について(P1)」によると、以降は以下の条件が設けられています。

  • 指定を受けた大学や短期大学、専門学校(2年以上)を卒業する
  • 救急隊として5年以上または2,000時間以上の勤務に加え、養成所での6ヶ月以上の課程を修了する

看護師として働きながら救急救命士の資格取得を目指す場合は、現在の勤務状況と照らし合わせ、どのルートで受験資格を得るかを検討する必要があります。受験資格を得るまでのルートは、教育機関で学ぶ方法と、救急隊員としての実務経験を経る方法に分かれます。看護師としてすでに勤務している場合でも、看護師としての勤務経験だけで救急隊員としての実務経験を満たすことにはならないため、必要な条件を確認しておくことが重要です。

出典
厚生労働省 医政局地域医療計画課「本ワーキンググループ開催の経緯と今後の進め方等について」(2026年8月20日参照)
厚生労働省「救急救命士国家試験の受験資格認定手続きについて」(2026年8月20日参照)

大学や専門学校ルートで目指すのが一般的

救急救命士を目指す場合、指定を受けた大学や専門学校などで必要な課程を学び、国家試験の受験資格を取得するルートが一般的です。救急隊として5年以上、または2,000時間以上の勤務経験を積む方法もありますが、消防職として働くには公務員試験を受ける必要があり、看護師からの転向では難しい場合があります。また、指定校の中には、看護学校で履修した科目の単位認定により、一部の授業が免除されるケースもあります。

国家試験を受ける準備をする

救急救命士国家試験を受験するには、試験の日程や試験科目を確認し、計画的に学習を進めることが大切です。ここでは、国家試験の具体的な日程や試験科目について説明します。

試験の日程や試験科目を確認する

救急救命士国家試験は年1回実施されており、試験の日程は厚生労働省の「第49回救急救命士国家試験の施行」から確認できます。試験科目には、基礎医学や臨床救急医学総論、臨床救急医学各論が含まれます。

看護師の資格を持っていても、国家試験の試験科目は免除されません。看護師として身に付けた医学や人体に関する知識を活かせる部分はありますが、救急救命士として必要な知識を改めて学ぶ必要があります。受験に向けて学習を始める際は、試験日だけでなく出題範囲も確認し、必要な科目を整理しておきましょう。

出典
厚生労働省「第49回救急救命士国家試験の施行」(2026年8月20日参照)

救急救命士の資格取得の難易度と合格率

厚生労働省の「第48回救急救命士国家試験の合格発表」によると、救急救命士国家試験の合格率は、94.4%でした。合格率は高い水準ですが、受験資格を得るまでに必要な課程を修了し、救急医学や病態、外傷、救急救命処置など幅広い知識を身に付ける必要があります。看護師免許を持つ人は、これまでの臨床経験や知識を試験対策に役立てられる可能性もあります。ただ、看護師とは異なる救急救命士特有の知識もあるため、試験範囲を確認しながら学習を進めることが大切です。

出典
厚生労働省「第48回救急救命士国家試験の合格発表」(2026年8月20日参照)
資格が取得できる・活かせる職場があります

看護師が救急救命士の資格を取得するメリット・デメリット

看護師から救急救命士を目指す場合、救急医療に関わる働き方を広げられる一方、資格取得までに時間や費用がかかります。また、資格を取得した後の仕事内容や給与が現在の看護師としての働き方と変わる点も把握しておきましょう。ここでは、救急救命士を取得するメリットとデメリットを説明します。

救急救命士を取得するメリット

救急救命士の免許を取得することで、看護師とは異なる立場から救急・救命に携われるようになります。特に、事故や急病などの現場で患者さんに直接対応し、命を救うための処置を行いたい人にとって、新たなキャリアの選択肢になります。看護師として培った経験も活かしながら、救急医療に関する知識や技術をさらに深められる点もメリットです。

救急救命士を取得するデメリット

救急救命士の免許を取得するには、受験資格を得るための教育機関を修了する必要があり、一定の準備が必要になります。看護師として勤務しながら目指す場合は、仕事と学習を両立する負担が生じるのもデメリットです。また、救急救命士として働く場合、看護師とは職場や業務内容、活動範囲が変わるため、勤務先によっては十分に資格を活かせないケースがあるかもしれません

看護師から救急救命士として働くのに必要なスキルや適性

救急救命士として働くには、知識や技術だけでなく、現場で求められる能力や適性を備えていることも大切です。特に身体的な負担への対応力や状況を見極める力、救命に対する意識が求められます。具体的には、以下の3つが挙げられます。

  • 過酷な現場でも動ける体力
  • 重症の患者さんが多い場所でも冷静な判断ができる力
  • 人を救いたいという強い意志

これらのスキルや適性は、救急救命士として患者さんへの対応を続けるうえで必要になります。看護師として働く中で、自分が救急現場でどのように動きたいのか、どのような役割を担いたいのかを考えることも、適性を見極める材料になります。

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看護師と救急救命士によくある質問

看護師と救急救命士によくある質問についてQ&A形式でまとめました。

看護師と救急救命士はどっちが難しい?

第48回救急救命士国家試験の合格率は94.4%、第115回看護師の合格率は88.3%です。看護師と救急救命士の資格の合格率を見ると、やや救急救命士のほうが高いものの、どちらが難しいとはいえません。資格取得までにかかる期間は救急救命士が2年なのに対し、看護師は最低3年です。人によっては看護師になるほうが困難だと感じるかもしれません。

救急救命士と看護師の資格を両方持っているメリットとは?

救急救命士と看護師の資格を両方取得するダブルライセンスは、それぞれの専門知識を組み合わせて救急医療に関わる際に活かせます。看護師として患者さんのケアを経験しながら、救急救命士として救命処置の知識も身に付けることで、自分のキャリアを考える際の選択肢を広げられます。転職を考える場合は、両方の資格を活かせる求人を転職エージェントに相談し、希望する働き方に合う求人を紹介してもらう方法もあります。

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まとめ

看護師から救急救命士を目指す場合、受験資格を得るためのルートや国家試験について理解しておくことが大切です。看護師としての経験を活かせる部分がある一方、救急救命士として新たに学ぶ知識もあります。両方の免許を取得するダブルライセンスも選択肢の1つです。自分が救急医療で担いたい役割を考えながら、今後のキャリアを検討してみてください。

「自分に救急救命士の適性があるのか分からない」「資格取得を目指しながらサポートしてほしい」とお悩みの方は、ぜひレバウェル看護にご相談ください。レバウェル看護では、専任のキャリアアドバイザーが救急救命士を目指す方におすすめの看護師の職場を紹介します。救急救命士の資格を活かせる求人についてもアドバイス可能です。求人情報の受け取りはLINEやメールで可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人
「レバウェル看護」編集部
「レバウェル看護」は累計利用者数47万人(※)を超える看護師専門の転職支援サービス。 編集部の制作体制には看護師経験者や現役看護師を交え、これまでに1,000記事以上(※)を執筆。看護師にとっての悩み・不安・疑問を一番に相談する"相談窓口"になることを目指し、医療・介護の現場で尽力している方々をサポートするためのコンテンツを発信中。 (※)2023年6月時点
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