下部消化管内視鏡検査(CF)の看護とは?ケアと観察項目を解説

下部消化管内視鏡検査(CF)は、主に消化器内科で行われる検査です。外科的な処置と比べ、一般的に身体への影響が少ないといわれます。

ただし、下部消化管内視鏡検査には合併症があり、理解してケアしなければ患者さんの変化に気付けない恐れがあります。

そこで本記事では、下部消化管内視鏡検査のケアや検査前後の観察項目を解説します。下部消化管内視鏡検査を受ける患者さんのケアに不安がある方は、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人
西川正太
看護師/保健師/保育士

大学卒業後、集中治療室や心臓血管病棟、循環器内科などで看護師として14年間勤務。主に急性期の看護ケアに携わる。現在は、3人の子育てをしながら、医療・看護・育児にまつわる記事の執筆や監修に力を入れている

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下部消化管内視鏡検査(CF)とは

下部消化管内視鏡検査(CF)とは「肛門から内視鏡を挿入し、大腸や小腸の一部を観察して病気を診断するための検査」とされています。近年大腸疾患は増えており、本検査は重要です。

下部消化管内視鏡検査は、一般的に大腸カメラと呼ばれます。先端に高性能カメラが付いた内視鏡のチューブを肛門から入れて大腸や小腸を観察します。

下部消化管内視鏡検査(CF)の解説イラスト

ここでは、下部消化管内視鏡検査の適応となる疾患、CSやGFとの違いを解説するため、ぜひ参考にしてください。

下部消化管内視鏡検査(CF)の適応となる疾患

下部消化管内視鏡検査の適応は、主に大腸疾患が疑われる方です。

大腸疾患を疑う具体的な症状は、腹痛や便秘をはじめ、下血や下痢などです。下部消化管内視鏡検査では、以下の疾患を見つけられます。

  • 大腸がん
  • 大腸ポリープ
  • 潰瘍性大腸炎
  • アメーバ赤痢

内視鏡のチューブの先端部には小さな穴が開いており、この穴から医療機器を出し入れできます。そうすることで、ポリペクトミー(病変の部分を切除する治療法)や内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術など、大腸疾患の治療もできるのです。

そのため、下部消化管内視鏡検査中に良性のポリープや早期の大腸がん(がんが粘膜下層までにとどまっているもの)が見つかった場合は、そのまま治療できる場合があります。

ただし、下部消化管内視鏡検査の実施が難しい患者さんもいます。

たとえば、S状結腸のカーブがきつい、癒着があるなど内視鏡のチューブの挿入が難しい方や腹部の手術歴がある方などです。この場合は、代わりに大腸カプセル内視鏡で検査できる可能性があります。

大腸カプセル内視鏡とは、画像撮影ができるカプセル(大きさ:直径約11mm、長さ約31mm)を水と一緒に飲むことで、カプセルが身体の中を進みながら大腸の状態を撮影できる検査です。

カプセルが消化管を通過する際の痛みがありません。

CFとCS・GFとの違い

CFとCS・GFは、以下の頭文字を取った略語です。

略語英語表記
CFColono Fiberscope
CSColono Scope
GFGastrointestinal Fiberscope

CFとCSは、いずれも下部消化管内視鏡検査のことです。

GFは、上部消化管内視鏡検査のことです。口から内視鏡のチューブを挿入し、食道や胃、十二指腸を観察します。

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下部消化管内視鏡検査(CF)の合併症

下部消化管内視鏡検査の主な合併症は、腹痛や出血、消化管穿孔です。

特に、消化管穿孔は重篤な合併症です。消化管穿孔とは、大腸や小腸などに穴が開いた状態であり、便や空気などが穴から腹腔内に漏れ出ます。

便や空気が漏れ出ることにより、炎症を起こし腹膜炎に進行する恐れがあるのです。状況によっては、開腹手術の適応となる場合があります。

下部消化管内視鏡検査(CF)の合併症のイラスト

下部消化管内視鏡検査(CF)における看護師の役割

下部消化管内視鏡検査における看護師の役割は重要です。

というのも、ケアのポイントや観察項目を理解しなければ、患者さんの異常の発見が遅れる恐れがあるためです。

ここでは検査前・検査中・検査後に分けて解説するので、ぜひ参考にしてください。

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下部消化管内視鏡検査(CF)前のケアと観察項目

下部消化管内視鏡検査をする前には以下の4つを実施します。。

  • 情報収集(既往歴や現病歴、検査の目的など)
  • 同意書と問診表の確認
  • 患者さんへのオリエンテーションの実施
  • 前処置の実施

患者さんの情報収集を行い状態を把握します。医師から検査の説明があったあと、オリエンテーションを実施し、患者さんのわからないことや不安なことがないかを確認します。

検査前の準備を進めるなかで、特に「前処置」が重要です。

前処置とは大腸にあるすべての便を出す処置です。便が大腸内に残っていると大腸粘膜の色や形を観察できないために行います。前処置が適切に実施できない場合には、検査を中止する場合があります。

前処置は以下の手順で行われるのが一般的です。

手順注意点
1検査前日の夜に自宅で下剤を服用・診察で検査日が確定したときに下剤をあらかじめ処方
・服用を忘れないように事前に説明
・前日は低残渣食を摂取。患者さん自身で準備する場合はおかゆや具のないうどんなどを摂るよう指導。キットを使う場合は渡して指導。
2来院したあと、腸管洗浄剤の服用を開始腸管洗浄剤:ニフレックの場合は、2Lの水に溶かし、1時間で1Lずつ服用
3排便のたびにナースコールを押す便の状況を確認するため、トイレは流さないように説明
4残渣物がない透明な便になるまで腸管洗浄剤の服用を継続・便の状態をスケールで確認
・腸管洗浄剤を飲み切っても透明な便にならなければ、追加の下剤が必要であることを説明
5透明の便になったら検査室に搬送ふらつき、転倒の可能性があるため車椅子で搬送
6検査前にブスコパンやグルカゴンを投与緑内障の既往がないか確認

通常、ご飯を食べてから排便するまで約24~48時間かかります。

ただし、前処置では、数時間で便をすべて排出するため、脱水や悪心をはじめ、腹痛や血圧低下をきたす恐れがあります。

脱水予防のために適宜水を飲んでもらい、症状がある際にはすぐにナースコールで知らせるよう説明してください。

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下部消化管内視鏡検査(CF)中のケアと観察項目

下部消化管内視鏡検査中は、主に消化管穿孔の症状に注意することが大切です。腹痛や出血をはじめ、以下の症状に気をつけてください。

  • 反跳痛(腹部を押したときより離したときのほうが痛い)
  • 筋性防御(腹部全体、もしくは一部が板のように硬くなる)

ほかにも、内視鏡のチューブ挿入による痛みが強くなると、迷走神経反射を起こし徐脈や血圧低下をきたす恐れがあります。そのため、患者さんに痛みの有無を確認しながら、不安な様子があれば適宜声掛けをし、観察を続けましょう。

また、検査中は患者さんに深呼吸を促し、全身の力を抜いてもらうようにかかわることが重要です。というのも、全身に力が入った状態だと、腹圧がかかり内視鏡のチューブを進められないためです。

患者さんを左側臥位にして、おしりを突き出し膝を曲げてもらいます。さらに、内視鏡のチューブの進み具合に合わせて、患者さんの身体の向きを変えながら検査を補助します。

下部消化管内視鏡検査(CF)を受ける患者さんの姿勢

下部消化管内視鏡検査(CF)後のケアと観察項目

下部消化管内視鏡検査後の観察項目は、腹痛と出血の有無、バイタルサインです。

検査中から引き続き、腹痛の訴えに注意してください。

これは「遅発性穿孔」といって、検査後から時間が経って腹痛を訴える場合があるためです。さらに、治療したところと離れた部位を打診して痛みを訴える場合は、腹膜炎の状態となっている恐れがあります。

医師に報告して、患者さんを観察するとともに、採血データやバイタルサインをチェックしましょう。

また、多くの病院では、前投薬の効果が消失したら、検査当日より飲水と消化の良い食事が再開となります。この際も、腹部症状の訴えがないか注意してください。

以下の記事では、下部消化管内視鏡検査後の注意事項と看護について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

下部消化管内視鏡検査(CF)後のケアのイラスト

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まとめ

下部消化管内視鏡検査は、主に消化器内科で行われる検査です。外科的な処置と比べ、一般的に身体への影響が少ないといわれます。

ただし、出血や消化管穿孔など合併症の発見が遅れると、患者さんは重篤な状態となる恐れがあります。

本記事を参考に下部消化管内視鏡検査の看護への理解を深め、異常の早期発見に努めましょう。

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