手術室看護師ってどうやって勉強しているの?と疑問に思う方も少なくないと思います。実際に看護学校では手術室看護師のノウハウ、手術について具体的な学習をする機会がほとんどありません。
今回は、手術室看護師になってから私が実践して良かった勉強法をまとめたいと思います。
まずは、施設に手術手技書や手順書があれば、それを読んで手術の流れを確認します。解剖生理や手術操作、手術器具などについて、わからない言葉があればこの時点で確認します。
ただし、初心者にとって手順書は「これは日本語か?!」というくらい難しいかもしれません。さらに、手順書を暗記しただけでは直接介助はできません。「ケリーを用いて〇〇動脈を3-0タイシルクにて結紮…」などと言葉で手術の流れが書かれていても、手術室看護師の介助に必要な情報はたいてい抜けているからです。
例えば、使用するケリーは弱湾?強湾?長さは何センチ?糸は何センチでどうやって用意する?糸の渡し方は?動脈の切断に用いるハサミの種類は?糸は把持するの?術野の視野の取り方は?第一助手は何を用いて介助する?などなど。
具体的な直接介助の内容は、患者さまの身体の状況や医師の手技に合わせて決まるからです。経験豊富な看護師なら予測ができますが、手順書や手技書の文面から具体的なことはほぼわからないです。
手順書や手術手技書で出てきた臓器、血管やリンパ節の走行を確認します。術中は正式名称よりも略語や英語などで会話がなされるので、一通り目を通しておくと役立ちます。
さらに、事前に各患者さまの画像を確認できればベストです。術中にも画像が出されるはずです。血管の形状や走行、腫瘍や動脈留の大きさ、位置などを確認して手術の方向性を予想します。
記録や研究のために手術の映像を残しているかと思います。手術室に保管していなければ、医師に頼んで動画を見てみましょう。手技書や手順書と照らし合わせて流れを確認し、不足や追加のポイントがあれば書き加えます。
また、動画は介助の練習にも役立ちます。例えば、心臓血管外科で人工心肺に繋ぐ際の糸掛や物品の受け渡しなど、ある程度工程が決まっているものは介助も事前に練習するべきです。同じ執刀医の手術動画を見ながら、実際に針糸、持針器やシース、送断血管などのチューブの受け渡しなどの練習が可能です。
動画を倍速にして慣れておくと実際の手術で焦らずに済みます。また、手術に入る前にもチラッと動画を流し見ると大変参考になります。さらに、細かな手術でも事前に使用する針糸や手術機器に目を慣らし、取り扱いに慣れておくと焦らないで済みます。
経験を積むと、動画上での癖や手付きなどから、顔が写っていなくとも術者が特定できるようになります。実はこれが重要です。
手術室看護師は、常に術野を見ることができればいいのですが、私たちの立ち位置からは視野が悪かったり、次に使用する器械の準備や検体を取り扱っていることもあり、いかなる時も術者がどんな作業をしているのか予測ができるようになることが必要です。
ここで初めて、先輩看護師の動きを確認します。手術の流れや解剖生理が頭に入っていれば、先輩の動きの合理性が理解できるはずです。手術前の準備、術中の器械台の使い方、物品を用意するタイミング、介助の仕方、片付けなどを学びます。疑問があれば質問しておきましょう。
また、器械台の使い方や並べ方はメモや動画、写真に記録して真似しましょう。器械台の様子は、場面ごとに手順書や手技書に書き加えます。
特に整形外科の手術で有効です。使用するシステムや器械の形状、組み立て方、数など未滅菌のものや写真があれば確認しておきましょう。また、インプラントの種類や形状、各サイズ幅も知っておくと術中に役立ちます。
100mm以上はA、それより短いものはBのドライバーを使う、さらに短いものはスモールのセットに組み込まれているなど、種類やサイズによって手術器具を使い分けることがあるからです。
初めての手術に対する直接介助看護師の勉強方法についてまとめました。繰り返し介助についた際も、ちょっとしたイレギュラーがあれば、その時の手術の流れと介助の内容、使用した手術器械を記録しておくと、緊急時や他の診療科であっても応用ができることがあるのでオススメです。
施設全体として初めての手術や外から医師を招いて行う手術などがあれば、医師と一緒に勉強会を行うとより理解が深まるでしょう。
Writer…suke
Illust…Mana.Ishiguro
Twitter:@mana_utd
記事の制作について
「レバウェル看護 看護師さん向けお役立ち情報」では、
記事の制作・公開にあたってのポリシーを定めています。
詳細は下記よりご確認いただけます。
キャリア
働く場所
選考対策
資格
その他
読みもの
連載