「最期をどう過ごしてもらうか、チームみんなで考えられるのがやりがいです」訪問看護師インタビュー・木村 愛さん

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在宅分野で活躍する訪問看護師へのインタビューシリーズ。今回は、育児と両立しながら出産後も訪問看護師として活躍している木村 愛(きむら あい)さんを取材しました。「チームみんなで利用者さまを支えるのが楽しい」という木村さん。今回は、訪問看護師になったきっかけや病院と違ったやりがいについてお伺いしました。

プロフィール
木村 愛(きむら あい)さん
「株式会社ジェネラス 訪問看護ステーションほたる」(愛知県)勤務の36歳。専門学校卒業後、総合病院の血液内科病棟にて9年間勤務。その後、転居をきっかけに同法人に入職。趣味は化粧品のショッピングとNetflixでのドラマ鑑賞。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

■「日勤帯のみで働きたい」希望条件で見つけたのが訪問看護だった

――ご経歴と現職の仕事内容について教えてください。

専門学校を卒業して、地域の基幹病院の血液内科病棟で9年間勤務しました。その後、愛知県に転居することになり、就職活動をする中で縁があって入社したのが、現職の「訪問看護ステーションほたる」です。2年前に産休と育休を取得して、現在は子育てと両立しながら働いています。
仕事内容としては、主に体調管理や異常を早期に発見するための状態確認、排便コントロール、内服の管理をすることが多いです。ほかには、注射や点滴が必要な方の処置、ポートやストーマの管理、褥瘡ケアなどもしています。退院時のカンファレンスや、同僚との意見交換を通じて、今まで経験のない科目の知識を補いながら業務にあたっています。

――訪問看護師にキャリアチェンジしたきっかけは何ですか?

県外からの転居がきっかけです。当時は、訪問看護がやりたいというわけではなく、自分の健康を大事にするために、夜勤のない仕事がしたいなと考えていました。ハローワークで日勤帯のみで勤務可能な求人を探して、いくつか紹介してもらった中にあったのが訪問看護でした。最初は病院の見学をしたのですが、病棟で日勤帯のみで働けるイメージが湧きませんでした。それなら、日勤帯のシフトしかない訪問看護ステーションに、一度見学に行ってみようと思ったんです。
そのとき最初に見学に行ったステーションが現職の「訪問看護ステーションほたる」でした。弊社では面接前に見学会をしていて、ステーション内を見学して、1日お仕事に同行できるんです。私はその同行で、訪問看護の仕事のイメージがついて、「なんだか楽しそうだし、やってみたいな」と思うようになりました。スタッフの方もみんないい方ばかりで、馴染みやすそうだと感じたので、ほかのステーションは見ずにここに決めましたね。

――見学会参加前は訪問看護にどんな印象を持っていましたか?

学生のころに訪問看護ステーションで実習をしましたが、これほど早く自分が訪問看護師になるとは思ってもいませんでした。訪問看護は一人で対応しなければならないし、病院で働いていたときも、在宅療養に向けてのカンファレンスはベテランの看護師さんとすることが多かったので、「経験をたくさん積んだ年配の方がやるもの」という印象がありました。ただ、仕事を探しているときに、ちょうど同年代の友人から訪問看護ステーションで働き始めたと聞いていたので、「私にもできるかも?」という気持ちも少しはありましたね。

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■病院にいるときの表情と在宅での表情は、同じ病気でもまったく異なる

――訪問看護師になる前に不安はありましたか?

一人で訪問に行くことと、24時間の緊急対応が不安でした。特に内科での経験しかなかったので、行く先々で見たことのない症例を見て、判断できるだろうか?と思っていました。また、オンコール対応に関しても、自分が普段担当していない利用者さまから連絡が来た場合、私が判断して良いのだろうか…?という不安もありましたね。
しかし、見学会に行ったときにその不安を相談すると「チームで動いているから大丈夫」と言ってもらえました。訪問看護は、一人ぼっちで利用者さまのご自宅に向かうわけではなく、「病院と同じように、チームみんなでサポートするんだ」と思って安心したのを覚えています。そこで、今まで同じ環境で長く働いてきたけれど、「逆に新しいことを知れるチャンスで楽しそう!」と気持ちが切り替わりました。

――実際に訪問看護師として勤務してみて、ギャップはありましたか?

「在宅でも安らかに最期を迎えられる」と知ったのが、想像していたより良かったところです。病院では、多くの患者さまが「退院して家に帰りたい」と言っても、医療依存度が高いために退院はおろか、外泊すらもできませんでした。在宅看護についての知見がある人も少なく、医師が「家で治療はできません」と言えば、どうすることもできなかったんです。しかし、「最期まで家で過ごしたい」という方を在宅でサポートできないわけではありません。さまざまなサービスを使えば、医療依存度が高い方でも家で過ごせます。そのため、在宅看護はすごく良いいなと訪問看護師になってから日々感じています。
実際、ターミナル期の利用者さまはとても苦しんでいらっしゃいますが、在宅でご家族と触れ合うときに垣間見える表情は、病院にいる方とまったく違います。ご家族は何もしてあげられずに辛く思うこともあるかもしれませんが、利用者さまの表情を見ていると、家で最期を迎えられるのは素敵だなと感じますね。

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■「素敵な最期にしてあげたいね」みんなで支え合っている感じがすごく好き

――訪問看護の面白さ・やりがいについて教えてください。

病院だと治療をすることが最優先になってしまいますが、訪問看護だと付き合いが深く長くなり、利用者さまの人となりが分かってくることがとても楽しいです。たとえ週に1度だけの訪問でも、家に行くだけで病院より本当に深い付き合いができます。

また、一人の方をチームメンバーが交代で訪問しますが、みんなで考えて、みんなで支え合っている感じがすごく好きです。いまステーション内のチームは8名いて、ほぼ30代で同世代が多く、経歴がさまざまなので、それぞれの得意分野の知識を共有し合いながら協力しあっています。ターミナル期の方についてみんなで話し合ったり相談し合ったりして、「素敵な最期にしてあげたいね」と語り合っていますよ。

――訪問看護の大変なところは何ですか。

在宅で療養を続ける中で、どうしても利用者さまの辛さを受け止めないといけないときがあることです。深く長く関われるのが訪問看護のやりがいである一方、毎回辛いお気持ちを受け止めることが精神的に負担になることもあります。そのため、当ステーションでは、チームみんなでフォローし合うよう工夫しています。

あとは、オンコールの待機について気になる方が多いと思いますが、私にとっては、待機とはいえ家にいられるので、夜勤よりも全然負担はありません。担当の日は電話が気にはなりますが、出動にならずに電話相談で終わることも多く、頻回に鳴ることはないので、そこまで負担に感じる必要はないと思います。

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■私の訪問を楽しみにしてくれる方が、一人でも増えればうれしい

――訪問看護師として大切にしていることは何ですか?

治療よりも、その方の人生や考え方を優先することです。まず、利用者さまの生活や人となりを理解して関係性を築く、そして寄り添いながら、病気が悪くならないようにケアするよう心がけています。もちろん、看護師として伝える必要があることはきちんと伝えますが、「その人の人生がより豊かになるように」と意識していますね。

あとは、靴は綺麗に並べる、水回りを使ったら綺麗に片付けるなど、来たときよりも綺麗な状態で帰る、といった配慮も必要です。病院だったら適当で良いというわけではないですが、人のお宅に入るので、基本的なことにも気をつけるようにしています。

――今後の目標について教えてください。

利用者さまが、私の訪問を楽しみに待っていてくれるような看護師になりたいです。利用者さまは独居の人が多いので、話し相手が来るのを楽しみにしている方もいます。実際ケアに入る前には、日常の話をすることがほとんどで、私としてもその会話がとても楽しいです。これからも、コミュニケーションを取りながら、ケアできれば良いなと思っています。

――訪問看護に興味があるけど迷っている、または訪問看護の素晴らしさを知らないというナースへ一言お願いします。

訪問看護や職場が合うかどうかは、見てみないと分からないので、ぜひ見学するべきだと思います。私自身も、最初はなんとなくの気持ちで見学した当ステーションで「働きたい」と感じました。職場の雰囲気を見て、働くイメージがつくかどうかを感じるのが良いと思いますよ。

私は実際、「訪問看護ステーションほたる」に入職してみて、30代の同世代が多く、熱く語り合いながら仕事ができることにやりがいを感じています。出産後も働けるか不安でしたが、子育て中の職員が多いので、助け合いながら充実して働けています。ぜひ一歩踏み出して、自分に合う職場を見学して見つけてほしいです。

――ありがとうございました。

▼記事に関連する施設の情報はこちら(看護のお仕事)

訪問看護ステーションほたる

 
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