吸引源の製品開発と、感情・心をサポートする取り組みを行う組織

2023.4.3

本記事では、災害時でも平時のように壁掛式吸引器を使用できる吸引源を開発した企業、上手に怒りをコントロールするためのアンガーマネジメントの普及に努める法人、死別前から死別後まで寄り添ったグリーフケアの大切さを説く法人を取り上げます。
災害時における安定した医療提供に関心がある看護師さん、患者さんやその家族はもちろん、自分の感情や心と向き合う必要性を感じている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

アルバック機工株式会社

長年にわたって培ってきた真空技術を活かして、基幹産業を支えているアルバック機工株式会社。小型真空ポンプ・小型真空機器を製造販売する一方で、代替エネルギー産業や医療福祉産業に向けた商品開発にも取り組み、社会のさらなる発展に貢献しています。

吸引アウトレット付きポータブル吸引源「救引Gen」

▲画像提供:アルバック機工株式会社

患者さんが自力で排出できない痰や手術による出血などを吸引するため、病室や手術室の壁には吸引器を接続するアウトレット(接続口)が備え付けられています。
この壁掛式吸引器を使用するには壁配管が必要ですが、災害によって停電や断水といった問題が起きて壁配管が不通になると、同時に壁掛式吸引器の使用も困難になるでしょう。
しかし、そうした壁掛式吸引器が使用できない状況下でも、患者さんの喀痰吸引が必要なケースが出てくるかもしれません。

そうした万が一に備えられるよう、同社が開発したのが吸引アウトレット付きポータブル吸引源「救引Gen」です。

同製品はバッテリーを内蔵しているだけでなく、AC100VとDC12Vの自動車用ソケットの電源にも対応。そのうえ軽量で持ち運びしやすいため、災害時だけでなく平時でも壁配管がない場所での処置など活用シーンを選びません。
また、アウトレットはJIS規格準拠で、ピン式とシュレーダー式の2通りを用意しています。
タイプが異なるため使用できないという心配がなく、壁掛式吸引器を接続すれば通常通り使用することが可能です。

▲画像提供:アルバック機工株式会社

さらに、使用時の操作は電源をオンオフするだけといたって簡単、バッテリー残量の確認もチェックボタン一つ、ABS樹脂を使用した本体でメンテナンスが容易と、扱いやすいポイントが詰まっているのも魅力と言えます。

救引Genの用途として下記使用が見込めます。
・災害時や非常時の吸引設備のバックアップ
・吸引用のアウトレットがないエリア
・アウトレットが足りないエリア
・患者搬送時
・吸引ラインを分けたいエリア(一般患者と感染症患者など)

災害大国とも呼ばれる日本だからこそ、医療を継続できる設備を平時から使用し整えておくことが大切になってくるのではないでしょうか。
設備を整えることで医療従事者が安心できれば、ひいては患者さんの安心にも繋がってくるかもしれません。

詳細情報

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会

自分と異なる部分を理解して受け入れ、お互いを尊重しつつ繋がるためのカギとして、アンガーマネジメントを推進する一般社団法人日本アンガーマネジメント協会。同法人では、個人向けの講座と企業向けの研修を用意し、アンガーマネジメントの習得をサポートしています。

アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントは、アメリカでも広く取り入れられている心理教育・心理トレーニングです。
怒る必要がある場合には上手に怒り、そうでない場合には怒らずに済むよう、怒りの感情をコントロールできる状態を目指します。

同法人が行う「アンガーマネジメントファシリテーター養成講座」

同法人では、アンガーマネジメントの専門家を育成する「アンガーマネジメントファシリテーター養成講座」を実施しています。
受講方法は、各地域の会場で2日間にわたって行われる講座を受講するか、オンラインで映像視聴・確認テストとオンラインライブ授業を受講するかの2通りです。
また、認定試験はどちらの受講方法でもオンライン上で行われます。
オンライン上での受講や認定試験は、なかなか会場まで足を運ぶ時間がないという看護師さんにとってもありがたいのではないでしょうか。

▲画像提供:一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
各地域の会場で2日間にわたって行われる講座を受講する場合

講座カリキュラムは、「アンガーマネジメント入門講座デモ」「アンガーマネジメント入門講座理論解説」「アウトプットトレーニング」「アンガーマネジメントファシリテーターとしての心構え」などです。
アンガーマネジメントについて、まったくのゼロからスタートしても順を追ってしっかりとスキルを身につけられるので安心して受講できるでしょう。

認定試験に無事に合格すると、アンガーマネジメントファシリテーターの資格を取得することが可能。取得後には、自己研鑽のための各地域の支部による勉強会やイベント、全国のアンガーマネジメントファシリテーターとの懇親会などに参加できます。

▲画像提供:一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
オンラインで映像視聴・確認テストとオンラインライブ授業を受講する場合

仕事に活かしたり、自分の心のために活用できたりする資格の取得を考えている看護師さんは、詳細を確認してみると良いかもしれません。

一般社団法人 京都グリーフケア協会

グリーフケアと真摯に向き合う思いを形にするべく、3年の時をかけて設立された一般社団法人 京都グリーフケア協会。グリーフケアに関するスクール運営をはじめ、講座・セミナー・シンポジウムの開催や研究サポートなど、多方面から人材育成に取り組んでいます。

グリーフケアとは

グリーフケアは、一般的に死別によって大切な人を失った際、遺族が体験する「悲嘆(グリーフ)」に対して支援することです。
しかし、グリーフへの適応力やプロセスは一人ひとり異なるため、同法人では大切な人との死別前にも注目した、本人・家族・遺族に対する包括的な支援をグリーフケアとしています。

看護師・助産師向けの「グリーフケアスクール」

同法人が取り組む看護師・助産師向けの「グリーフケアスクール」は、「基礎級」「上級」「アドバンストグリーフサポーター資格取得コース」の3コースに分かれています。

▲画像提供:一般社団法人 京都グリーフケア協会

基礎級と上級は3ヶ月計6日間にわたって行われる講義で、Zoomを用いたライブ講座を実施。オンラインのため、遠方にお住まいの方でも受講しやすいのが魅力と言えます。2023年8月以降は、ライブ講座と対面講座が組み合わせて実施され、職場を離れて自分を見つめなおす機会にもできるでしょう。
アドバンストグリーフサポーター資格取得コースについては、2日間の集中講座です。

開催人数は3名~6名ほどと少人数制で、講師との意思疎通が図りやすく、疑問も質問しやすい環境が整えられています。
すぐにその環境に馴染めることから、グリーフケアの習得に集中できるのではないでしょうか。

カリキュラムでは、グリーフやグリーフケアについての概念から、本人・家族・グループと対象に合わせたコミュニケーションの取り方やケア方法、遺族会運営に必要なファシリテータースキルまで幅広く取り上げられているのが特長です。
医師や看護師、遺族の方などさまざまな立場の方が講師になるので、多角的で臨床現場での実践に役立つグリーフケアを学ぶことができます。

▲画像提供:一般社団法人 京都グリーフケア協会

グリーフケアは緩和ケアやターミナルケアはもとより、産婦人科やICUといった現場で求められるケースもあるでしょう。
生死と向き合う機会がある看護師さんや助産師さんは、本人・家族・遺族のグリーフにより一層寄り添えるよう、グリーフケアのスキルを深めてみると良いかもしれません。

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