
看護師として受け持ち患者さまから、受け持ち拒否をされることはとてもつらく、悲しい気分になることだと思います。私も受け持ち拒否をされた経験があります。
自分では患者さまのことを思い、自分なりに看護計画の立案から、処置・介助などたくさんのことを行います。しかし、看護師も患者さまも人間です。それぞれに、合う合わない…といった相性のようなものがあるかと思います。
また、自分の行った行動が患者さまに対しなんらかの嫌な印象・不快に思う行動に見られてしまうこともありますよね。
今回は受け持ち拒否を経験した看護師さんからのご意見をまとめ、どうのようにしていけば受け持ち拒否にあう可能性を低くしていくかを考えていきたいと思います。
「呼吸器病棟に配属されて2年目の頃。突然師長から呼ばれました。私が受け持っていた60代のある患者さまから師長に、「あの看護師の受け持ちを外して欲しい」との訴えがあったとのことでした。私はその話を聞いたとき、ショックで師長の言葉に涙が溢れそうになりました。
師長はそんな私の様子を察してくださり、「受け持ち拒否はあることだから気にしないで」と言ってくださいました。
でも、やっぱりショックで…後になってわかったことですが、私の容姿が幼く・いかにも頼りなさそうに見え、不安になったのだそうです。
でも、アナムネ聴取に快く応じてくださっていただけに拒否されてしまったことは私にとってはとてもつらく・無念な思いばかりが残りました。あれから5年経ちますが、受け持ち患者さまに拒否されないか、少し怖い気持ちがありますね」
「私が受け持ち拒否をされてしまったのは、患者さまのせいではなく自分自身のせいだと反省しています。
我が循環器病棟は早期リハビリ・早期離床が目標です。それを良いことだと思い、患者さまの「きつすぎる」という気持ちを察して差し上げられなかったんです。術後の患者さまにマニュアルとおりのリハビリ・早期離床を促してしまいました。
心臓の術後は大きな不安を伴うことをわかっているつもりになり、良かれと思いおっこなった声かけ・ケアに患者さまのお顔が曇るようになり、口もきいてくれなくなり、結果受け持ち拒否になりました。
その後もその患者さまとは気まずくなってしまいました。それ以降は注意を払っていますが…苦い経験でした」
「受け持ち拒否に至るまで、ちょっとした気持ちのすれ違いがありました。私たち看護師はいつも忙しく動いています。
そのことを言い訳にしたつもりはなかったのですが、患者さまのご希望に添えないことが積み重なり、信頼関係が崩れ、ついには受け持ち拒否という結果にまで…。
私たちにしてみれば、“少し待っていてください”の“少し”が患者さまには長い時間に感じられてしまう。わかっているはずなのに、私の行動が良くなかったです。
きちんとコミュニケーションを図っていれば、こんなことにならなかったのに…と今でも後悔です。
この受け持ち拒否から、患者さまとの関わり方を今まで以上に考えることになったので、結果的には学びになったのですが…。申し訳ない気持ちは変わらないですね」
☆コミュニケーションをきちんと図ること
⇒“患者さまの声”を聞き、患者さまの思いを重んじる。コミュニケーションは看護の基礎です。コミュニケーションは必要不可欠なのです。良い信頼関係を築くためには重要な要因ですね。
Case1のように、「見た目が幼くて不安」、「新人看護師で不安」などの患者さまの声があるケースでは、患者さまは病気にシビアになっており、その新人看護師個人への不安というより、自分の病への不安という要素が受け持ち拒否につながったと考えられるので、必要以上に落ち込まないことです。
受け持ちの看護師ではなくなっても、担当になった時など積極的にコミュニケーションを図ることで関係の改善ができれば、新人看護師の自信につながる可能性があり、建設的な関係を築くよう努力し、次回への糧とするのが望ましいと思います。
☆人間は人それぞれ、その方の個性に合わせ看護を行なう
⇒計画の立案・目標設定などを画一的に行なわない。このことは看護という仕事ではとても重要な要因の一つですが、なかなか個々に合わせておこなうことは難しいのかもしれません。
Case2の場合、経験からくる過信があった可能性があります。看護の難しいところでもありますが、「経験」は看護をしていく上でとても必要なものでありながら、時に「経験」という「知識」が“気付き”を遅らせる可能性があることを認識することも大切です。
リハビリ初期の重要性、患者さまに回復して欲しいからこその看護師の思いを伝えた上で、患者さま本人のご意向をしっかり聞き取ることが必要です。
また患者さまは健康な状態ではないがゆえに、2分前には「大丈夫」であったとしても、3分目には「限界」となる可能性もあり、こまめな声かけをし、状況の変化に合わせた患者さまのメンタルを考慮した柔軟な対応をしていくことが望ましいです。
☆根拠のある説明を行なう
⇒根拠のある説明や声かけには説得力があり、患者さまが看護師を認め身を委ねる(任せることができる)ことへのきっかけになります。勉強し、経験したことからどんどん行えることが増え、看護師として成長することができます。毎日が発見と勉強の繰り返しなのかもしえませんね。
Case3では、看護師本人がすでに気づいている通り、「患者さまが理解されている」ことがとても重要でした。
「わからない状態で待つ」ということが、忙しく動いている看護師とはまったく違った時間軸を体感し、不安や不満を生じさせるということを忘れてはいけません。
事前の説明や予想される待ち時間があることなどを少しでも事前に伝え、説明できているだけで、患者さまの不安や不満はかなり軽減できます。
もし、受け持ち拒否にあってしまったら…患者さまや他のスッタフへのフォロー・自分の役割の引き継ぎなど、しなければならないことがとても多いです。
しかし、受け持ち拒否を受けた看護師は、精神的に追い込まれる可能性があるので、受け持ち拒否に合う可能性とその対処について、日頃から心に止めておく必要があります。
受け持ち拒否にあうと、しばらくは自分自身でも受け持ち看護師になることが怖いかもしれません。しかし、あまり自分を責めずに、その原因をしっかりと自分の知識に変え、次のチャンスに掛けてみるのもいいですね。
一旦、受け持ちを外れてしまうと、なかなかその患者さまとのコミュニケーションが難しくなってしまいます。しかし私たちは看護という仕事のプロです。
プロ意識をきちんと持ち、もしまだわだかまりのような気持ちがあったとしても、今までと変わらずに積極的に関わっていけると、受け持ち拒否を越え、より深い関係が築ける可能性があるかと思います。
理想論かもしれませんが、積極的にコミュニケーションを図り、関わっていけるといいですね。ただし、患者さまの方からあからさまに避けられていると感じた場合は、無理はしないよう気をつけてください。
あなたは頑張り過ぎてはいませんか? 受け持ち拒否にあったら、原因を考えるばかりではなく、きちんと休息(息抜き)を取ることもとても重要です。しっかりと休息を取ることで、自分自身を今一度振り返ってみてはいかがでしょうか?
受け持ちを離れるときは、必ず他の看護師へと引き継ぎが行われます。その際に気を付けておきたいことがあります。それは、それまでの経過やその患者さまの情報の共有です。
もし自分しか気づいていない何かしらの情報があるのなら、簡潔にまとめ、わかりやすく伝達できるようにしておくといいですね。
受け持ち拒否をした患者さまご自身も、心にわだかまりを持っています。再び同じ苦しみを患者さまに与えないためにも、次の受け持ち看護師がズムーズに引き継げるよう工夫してみてください。
”受け持ち拒否”はとてもつらいことです。
でもそのことを糧として、今後の看護に役に立てていけるようにできるといいですね。
少しでも、この記事を読み、お力にしていただければ嬉しく思います。
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