【現在の医療の現場から】看護師だから考える“人間の尊厳”とは

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高齢化社会が進み、さまざまな医療の領域で認知症の患者さんが増えたように感じます。また寝たきりではない高齢の患者さんもかなり増えたのではないでしょうか。

そんな現在、看護師として働いていると、”人間の尊厳”について考えさせられる出来事に直面する機会が、少なからずあります。

今回は、看護の現場で考える”人間の尊厳”について、3人の看護師さんに話を伺いました。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

高齢者に赤ちゃん言葉で話しかける同僚

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私は介護老人保健施設に務める看護師です。長く一般病院の急性期を経験し、その後、いくつかの特養を転職しました。
どの職場でも感じたことですが、同僚たちが利用者に赤ちゃんことばで語りかけることが正しいのかどうか、という問題です。

もちろんコミュニケーションはその人とその相手との関係性によることろが大きいので、一概に正解がないのはわかっているのですが、はじめて入所されてきた方にも、はじめから上から目線というか、自分たちが保護者で、利用者さんが赤ちゃんのような物言いをするスタッフの多さに戸惑います。

スタッフに質問すると、「親しみを込めている」、「相手を安心させるため」という答えがたいがい返ってきます。
中には、こうしたスタッフの態度に怒る利用者の方もいて、そういう人に対してはしていないと言う同僚がほとんどでした。

しかし、それが当たり前になっている環境を、私自身はすんなり受け入れることができずにいます。

どんなに高齢になったとしても、ひとりの人間として何かがそんなに変わったのでしょうか? 自分のことを自分ですべてできなくなるから? 人の世話になるから?
私は仕事をしている中で、今もその答えを探しています。

 
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精神疾患の患者さんに見る”生きる”ということ

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私は精神科専門病院の閉鎖病棟で勤務しています。ここにいると「自分を生きる」とはどういうことかと考えさせられることがあります。

たとえば患者さんは、自分の意見を話しているようでも、それは病気が言わせている言葉のようにも思えることがよくあります。

誇大妄想や被害妄想の患者さん、躁鬱の患者さんなど、さまざまな方との会話は、「本来のその人の言葉なのだろうか?」と考えると、本来は違う人格があるように感じることがあるのです。
そうだとすると、「今、目の前で話しているこの人は何者なんだろう?」とも思ってしまうのです。

また、精神科にいて、つらいと感じるのは、患者さんのご家族のことです。
入院させたらまったく会いに来なくなるご家族もいて、ひどいケースでは、連絡すら取れなくなります。

きっとご家族には、それまでにそうとうなご苦労があったのだろうとは思うのですが、やはり私は看護師として患者さんにいつも向き合いますので、家族から「なかったこと」にされている患者さまの姿、その患者さまが家族を思うような発言をされると、とても複雑ないたたまれないような気持ちになります。

「普通に自分を生きる」ということがいかに奇跡なのか、ここにいるとよくそう考えます。この世界はストレスに満ちていますし、まともに生きている方が稀なことなのでは、と思えてくるのです。

そして、目の前の患者さんの本当の姿、本当の心は、どんなものなのだろうか、と思うのです。

私を変えた認知症患者さんとの向き合い方

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先日テレビで「ユマニチュード?」という認知症患者との向き合い方を見ました。看護師の言うことをまったく聞いてくれなかった認知症の患者さんが、「ユマニチュード」を実践したところ、驚くほど協力的になったのです。

それを身につけるのは難しことかもしれませんが、私はそこから学んだ精神をヒントに、認知症患者さんと向き合うことにしました。

すると驚くほど、今までとは違うつながり方ができるようになったのです。
それと同時に、私の中の認知症の患者さんへの意識も変わりました。

認知症の患者さんは、たしかに記憶が曖昧になったり、おかしな言動を取ることがあります。ですが、ちゃんと一人の人間として尊重しながら接していくと、自分を取り戻し、しっかりと自分らしさを出してくれるのです。

高齢とともに脳の萎縮などが起こるのはしかたのないことなのでしょう。
しかし、人間は死ぬまで感情を失わないそうです。その感情を生み出しているのは、”その人のこだわり”や”その人らしさ”なのだと感じます。

私たち看護師はそのことを忘れずに、患者さまに向き合っていくことがとても大切なのだと、あらためて思うこの頃です。

お話くださった3人の看護師さん、ありがとうございました。

さて、これをお読みいただいた看護師のみなさんは、このような思いを抱かれたことはありますか?看護の現場で、「自分を生きる」「人間の尊厳」ということについて、どんなことを感じられているでしょうか?

私は老人病棟で、自分で起きることも話すことも食べることもできないのに、管から栄養を摂り、寝たきりで、介護や看護されるままになっている患者さんたちのお世話をしたことがあります。
その時、今回お話しいただいた3人の方のようなことを考えました。

「自分を生きている」とはどういうことなのか。
そこで看護師がするべきことは何なのか。

高齢化が加速していくこの国で、看護師として働く私たち。忙しい日々の中でも、看護師ひとりひとりがこうした問題に向き合い、もっと話し合っていけたら良いなと思いました。

※HUMANITUDEおよびユマニチュードの名称およびそのロゴは、 日本およびその他の国における仏国SAS Humanitude社の商標または登録商標です。

 
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