初めてのプリセプターデビューをされるみなさん、経験の無いことをするのはとても不安ですよね。新人さんが入職して数週間が過ぎ去り、悩みや新たな不安が出ているプリセプターも居るのではないでしょうか。
今回はそんなプリセプターデビューのみなさんへ、昨年1年間、悩みや不安を乗り越えてプリセプターを経験した先輩看護師からのアドバイスをお伝えしたいと思います。
プリセプターをやっていく中で悩んだときの参考にしてくださいね。
「プリセプターになりたての時期は、『指導の加減』にとても悩みました。
例えば、時間のない中で細かいところまで言うべきなのか、自分で考えて答えが出るまで待つべきなのか…。言い方は記憶に残るよう強く言うべきなのか、あまり強く言い過ぎるとくじけてしまうのではないかなど、どこまでどういう指導をするべきなのかという加減が難しかったですね」
「残念ながら『これが指導の正解』というマニュアルはありません。自分と相手の性格によって教え方は変わってくると思います。
大事なことは、プリセプターとプリセプティの関係性を深めていくこと。これは関わることでしか作れないとものだと思います。
お互いを知り合っていくことで、『このプリセプティには、こういう伝え方が必要なんだ』と見えてきたし、プリセプティの方も私の教え方を理解して、どんどん吸収できるスピードが早くなっていったという気がします。
始めの頃はとにかくプライベートの話などもして、『プリセプティがどんな子なのか』を知るようにしていきました。性格の相性はありますが、新人は緊張しているということも考慮して、プリセプターから心のハードルを下げてあげるといいのかなと思います」
「新人看護師を教える立場として上下関係は大切にしたかったので、友達のようにフレンドリーになり過ぎてはいけないと思い、ある程度の距離感を保つように意識していました。
そうしたら、相談して欲しかったことを、私ではなく違う看護師に相談していたと後で知り、プリセプターとして落ち込みました」
「プリセプターとしてプリセプティには自分に一番に相談して欲しいものですが、ひとりですべてを抱える必要はありません。患者さんを診るときに他職種と連携を図っているように、新人看護師の指導も『病棟全体(チーム)で育てる』ことができれば、一番いい環境だと思います。
プリセプターは教える立場としてプリセプティと程よく距離を保ちながら、プリセプティが助けを必要としている時にはすぐ手を差し伸べられる姿勢でいることが大切なのだと、この1年で学びました。
他の看護師に相談された時はショックでしたが、次第にチーム内での役割ができていき、弱音を吐ける先輩がいたり、厳しいけどやる気にさせる先輩がいたりなど、色々な人が関わることでプリセプティが働きやすい環境ができたので、今は良かったなと感じています」
「私が担当したプリセプティーは私よりも年上でした。社会人としては私よりも先輩ですが、ここでは先輩として指導しなければならない状況。どう接すれば良いか悩み、葛藤することがよくありました。きっとプリセプティにも気を遣わせていた気がします」
「これからプリセプターになる人の中にも、社会人経験のある目上の方をプリセプティに持つケースもあると思います。
目上の方ですので業務外の部分では敬意を払う必要がありますが、看護師としては自分が先輩です。プリセプティも『一人前の看護師になる為にしっかりと指導して欲しい』と願っていると思いす。
お互い尊敬し合う部分を持つことで良好な関係が築けるので、仕事面では信頼されるしっかりとした指導をし、プライベートでは相手を敬う言動を取るなど、メリハリを持って接することが信頼関係を築く鍵になると思います。
偉そうに言いましたが、実はプリセプティについて2、3ヶ月くらいは、私が目上のプリセプティに曖昧な態度を取ってしまい、相手を戸惑わせてしまいました。
それで少しトラブルみたいになってしまって、その時に正直に気持ちを伝えたところ、社会人経験者であるプリセプティから『看護師としては何もわからないのでしっかり教えて欲しい』と言ってもらえ、お互いを尊重し合える仲になりました。
立場や役割はありますが、やっぱり人間同士なので正直に話し合うことが大切だと、プリセプターをやって実感しました。今後の看護にも指導にも生かしたいです。みなさんも頑張ってください」
「プリセプターに任命されてからとにかく毎日が憂鬱な気分でした。私は部活動やアルバイトで指導をした経験が無く、指導すること自体に不安がありました。指導って性格に向き不向きがあると思うんです。経験したことが無いことですし、とにかく不安でした」
「自分もまだ知らないことがあるのに指導なんて不安が募りますよね。それでもプリセプティはあなたを頼りにしてきます。困った時はその都度、プリセプター経験をしてきた先輩に相談してみると、具体的なアドバイスをもらえますよ。
1年を振り返ってみると人を教えることは、今まで行ってきた自分の看護や技術の再発見に繋がったり、看護師として自分を見つめ直すとてもいい機会になりました。プリセプティから気付かされることや学ぶこともたくさんありました。
プリセプターの1年間はあっという間でしたが、やりきった達成感が自信になるので、指導が不安な人もぜひ頑張ってください。1年後にはきっと成長した新しい自分に出会えますよ!」
「プリセプティが看護業務の独り立ちするをする前に、きちんと業務が遂行できているか確認するため、プリセプターがプリセプティの後ろで見守っている期間があります。
その際、その場ですぐに教えたいことがありましたが、患者さんがいる前で注意すべきかどうか…迷うことがよくありました」
「プリセプティの後ろで見守っていると、つい口を挟みたくなってしまう場面はあると思います。
しかし、プリセプティが独り立ちするためには、プリセプティが自分で患者さんに信頼されること、関係を築けることが大切ですので、むやみに口を出してはいけません。
その場で言うか言わないかのポイントは、『今すぐに指導しないと、患者さんに不利益になってしまうことなのか』ということです。
もし必要と判断したら、たとえ患者さんの前であってもその場ですぐに伝えて、患者さんが安全に治療が受けられるようにしなければなりません。
可能な場合は、対応後に一度退室して、ナースステーションへ戻ってから「どうしてダメだったのか」を細かく説明をしてあげることで同じミスを繰り返しにくくなります。
逆にその場で指導をしなくてもよい場合は、口を出さずに見守ることが必要です。
その後、ナースステーションへ戻ってからしっかりと指導します。
この場合でも、プリセプティ自身の考える力を育てるため、「どこがダメだったか」考える時間を設けるようにすると良いと思います」
「プリセプティーが、ある看護師に苦手意識を持っていて、その人から立て続けに注意をされた事があり、『もう仕事に行きたくない』と泣かれてしまったことがありました。
この時は泣いているプリセプティを前に、本当にどうしたらいいのかと悩みました」
「社会に出たら自分と合わないと感じる人とも一緒に仕事をしなければなりません。特に新人看護師には厳しく接する看護師も少なくないと思います。
プリセプターは自分とプリセプティの関係以外にも、他の看護師とプリセプティの関係も気をつけなければなりません。
もしプリセプティが他の看護師とうまくいっていない場合は、具体的に何が原因で苦手意識をもってしまったのか、プリセプティが感じている“思い”をゆっくり傾聴してください。話を聞いてもらうという行為自体がとても重要です。
もちろん改善が必要な場合には、上の人に相談するなど、対策を取ることも必要です。
また私の場合は、私が新人の時に先輩から『何があってもあなたの味方だよ』と言われた言葉を思い出し、プリセプティにもそう伝えました。
するとプリセプティは前向きになって、最後まで頑張ってくれました。
先輩から受け取った大事なものを後輩へ受け継いでいく…それがプリセプター制度の良さなんだと私は思います」
これからプリセプターになる人は、『プリセプティを一人前の看護師に育てなくては』というプレッシャーを感じていると思います。
しかし、プリセプティはプリセプターが1人で育てるのではなく、病棟全体で育てていくことが望ましい環境と言えます。
プリセプティは関わる患者さんやスタッフから様々な事を学んで吸収し、身についたことを自然と自分の看護に生かせるようになっていきます。
プリセプターはプリセプティの成長を暖かく見守っていくと同時に、”いざという時”に助けてあげられる存在でいることが大切です。
新人看護師が悩み、戸惑っている時は、自分が新人だった頃を思い出して、『自分のプリセプターはどんな風に指導してくれたか』『先輩がかけてくれたどんな言葉が役立ったか』といった自分の経験を振り返ることで、効果的な指導ができたり、プリセプティの支えになれると思います。
プリセプターをやっていく中で自分自身にも新しい発見があり、プリセプティからも学ぶこともあります。プリセプターを終えた1年後には、ひと回りもふた回りも成長した自分に出会えるチャンスです。
お互いに尊敬し合う部分を発見し、ふたりで高め合いながら良い看護が出来ると良いですね。
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