「大切な思い出がこぼれ落ちていく」若年性アルツハイマーの実状

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2018年に放送されたドラマをきっかけに、「若年性アルツハイマー」という病気が注目を集めるようになりました。若年性アルツハイマーは老人性認知症と比べて進行が早く、また初期症状に気づきにくいなどの特徴があります。

今回は若年性アルツハイマー病とはどんな病気なのか、またどう向き合っていくべきなのかなどについて解説します。

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若年性アルツハイマーとは


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2018年の秋に放送され、話題となったドラマ『大恋愛』。その主人公が患っていたことから、若年性アルツハイマー病が改めて広く認知されるようになりました。

アルツハイマー病は脳の中で2種類のタンパク質が異常に溜まってしまうことで脳細胞に損傷を及ぼしたり、神経伝達物質が減少することによって脳が萎縮したりして起こる病気です。

しかし段階ではまだ、アルツハイマー病の根本的な原因についてはわかっていません。

認知症の原因は半数以上がアルツハイマー病であるため、主に60代以上の高齢者になるにつれて増える傾向がありますが、40代あるいは50代の若い世代で発症するケースもあります。これが若年性アルツハイマー病です。

高齢者のアルツハイマー病の原因とは違い、若年性アルツハイマー病の大半の原因は「遺伝」と考えられています。

若年性アルツハイマーの症状


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若年性アルツハイマーの主な症状は次の3つです。

記憶障害


若年性アルツハイマー病でまず見られる症状は、物忘れなどの記憶障害です。

通常の物忘れだと、あることを忘れていたこと自体を後々思い出すケースが多いです。しかし、若年性アルツハイマー病で起きる記憶障害では記憶自体できていないため、「何か忘れている」ということを思い出すことすらできません。

そうして、決めたことを覚えていない、約束を忘れてしまったなど、他の人に言われて初めて気づくのです。このような症状が出た場合は若年性アルツハイマー病を疑う必要があります。

見当識障害


若年性アルツハイマー病になると、計算したり日付を読んだりすることが苦手になります。

たとえば外出しても、「どうして今この場所にいるのかわからない」「今何をしているのかわからない」という状況になり、外出したきり迷子になってしまったり、トイレの場所がわからなくなって失禁してしまったりなどといった支障が出てきます。

見当識障害を発症するようになると、患者さんは記憶と現実に起きていることが違うと感じ、パニックを起こしたり強い不安にかられたりすることが増えていきます。

身体機能の低下


ほかにも、病気が進行してくるにつれてコミュニケーション能力や身体機能の低下が見られるようになります。

排便・排尿障害などが出て、日常生活を他の人のサポートなしで過ごすことが困難になっていくでしょう。
その結果、ベッドの上でしか生活できなくなってしまうこともあります。

若年性アルツハイマーは進行速度が速い


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若年性アルツハイマーと老人性認知症の症状はほぼ変わりませんが、大きく異なるのが病気の進行速度です。

高齢者のアルツハイマー病の場合は年単位で少しずつ病気が進行しますが、若年性アルツハイマーの場合は月単位で進行するとされ、次々と症状が現れます。

そのため自覚症状を感じはじめた頃にはすでに病気が進行していて、仕事や日常生活にさまざまな支障が出てしまうケースも多いのです。

初期症状に気づきにくいにもかかわらず、早期発見が重要と言われているこの病気。不安を抱いたらすぐに診察を受けることが大事です。

若年性アルツハイマーの治療法


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若年性アルツハイマー病の具体的な治療方法はまだ見つかっていません。できる治療としては、薬で病気の進行速度を遅らせていきます。

主に脳細胞の損傷を防ぐもの・脳の働きを改善するものの2種類の抗認知症薬を使って治療します。

病気自体は完治しませんが、日常生活における不安やトラブルを少しでも減らすことができるため、本人だけでなく家族の負担も軽減できるでしょう。

とにかく早期発見・早期治療が大切です。

軽度の段階での発見は、治療や生活改善次第で元の生活に戻る可能性も全くのゼロではありません。進行を遅らせることもできます。

少しでも疑わしいと感じたり、周りから異変を指摘されたら、すぐ受診し検査を受けることが大事なポイントとなります。

若年性アルツハイマーとどう向き合っていくか?


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治療だけに目を向けるのではなく、家族や周囲がどうやって向き合っていくかも重要になります。

患者さん自身はどうして症状が出ているのか、なぜ自分がこのような状態になっているのか理解できません。そのため、同じような失敗をなんども繰り返してしまうことも多いです。

そんな場合もイライラしたり怒ったりするのではなく、その都度理解して寄り添ってあげましょう。

また、患者さんがさまざまなものを理解しやすいように工夫したり、失敗を起こしにくいような環境を作ることで日常生活を不安なく過ごせるようになります。

患者さんの症状の内容や発症スピードに沿った適切なケアができるように、若年性アルツハイマー病についての理解を深めておきましょう。

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