シバリング中の血圧測定に意味はある?【看護技術Q&A~全科共通編~(fromハテナース)】

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Q.シバリング中の血圧測定に意味はある?


抗がん剤投与後、シバリングが起き発熱した患者さんがいたのですが、激しいシバリング中で血圧測定をしても正しい値は得られないと判断し、私自身は保温に努めていました。

しかし、先輩はシバリング中に何度も何度も繰り返し測定(電子血圧計で)を行っていました。

看護師免許取得直後に勤務した救急では、シバリング中は正しい値が出ないため、落ち着いてから測るよう指導されていたのですが、記憶違いだったのかと不安になりました。

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ひとこと回答


シバリング中の血圧測定では、正確な値を知ることは困難であると考えます。しかし、血圧測定を実施することで「目安の」血圧を知ることが可能です。

特に、敗血性ショックやアナフィラキシーショック時などでは、急速な血圧低下のリスクがあるため、測定する意味はあります。

シバリング時は保温も重要ですが、酸素投与とSpO2、心電図を装着し、呼吸や循環動態の変化をモニタリングできるようにしましょう。

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くわしく説明すると


こんにちは。私は、消化器外科病棟に勤務する看護師です。私の病棟では、手術だけでなく、その前後の補助化学療法も施行します。患者さんによっては、シバリングが起きることがあります。シバリングが発生している時の対応について一緒に復習してみましょう。

シバリングが起きている場合の正しい対応について


シバリングは、ウイルスや微生物の侵入、腫瘍の壊死によるサイトカインの増量、または全身麻酔後の低体温によるもの、といった何らかの理由で体温を調整する視床下部が体温を急激に上昇させる必要があると判断した場合に起きます。

シバリングは不随意運動であるため、自発的に止めることは困難です。このような状態で血圧測定を実施しても、通常より高い値や異常値が測定されます。SpO2センサーも感知が困難になり、正しい値が得られないこともあります。

では、血圧測定を実施する意味がないかというとそうではありません。重要なのは、「目安」でも血圧値をモニタリングしていくことに意味があるということです。

重症感染症で敗血性ショックが進行している場合、発熱とともにシバリングがあっても、末梢血管が拡張し血圧の低下が起きます。

このような状態のときは、目安でも血圧を知ることが重要になってきます。血圧を知ることで、昇圧剤を検討することも可能ですし、重症の感染症でなくとも、血圧によっては解熱鎮痛剤の使用も考慮できると考えます。

シバリングは、筋肉が不随意運動を起こすことで熱生産を高めています。それにより体内の酸素消費量が増加するため、まず酸素投与を行いましょう。また、SpO2や心電図によるモニタリングを開始します。そして保温を開始しながら、血圧の変化を見ていきましょう。

今回の事例では、抗がん剤を投与した後にシバリングが発生しているため、先輩は腫瘍崩壊による発熱の可能性やアナフィラキシーショックを考えたのかもしれません。そのため、血圧の変動に注意し、モニタリングを実施していたと考えます。

しかし、電子血圧計は、安静な状態での血圧測定を想定して作られています。そのため、緊急時やシバリングが発生しているような状態では、時間がかかるうえに、測定値に誤差が生じやすいと考えます。

このようなときは、手動式の血圧計を使用し、より誤差の少ない血圧を測定することが重要だと思います。もちろん質問者さまのおっしゃる通り、保温することで患者さんの不快感を軽減することも重要です。

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【イラスト】
中山有加里

看護師✕イラストレーター。著書に「ズルいくらいに1年目を乗り切る看護技術」「悲しいくらい人に聞けない看護技術」(メディカ出版)

Twitter:@musashi_0303
Instagram:zurukan.yukari33

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