病院で働く看護師の中には、別の職場に転職したいと考えている方もいるのではないでしょうか。看護師の主な働き口といえば病院やクリニックが連想されますが、実際にはほかにもたくさんの職場があります。この記事で病院以外にも看護師が活躍できる仕事や職場を知り、転職を検討している方は今後の参考にしてみてください。
一般的に看護師の働き口といえば病院、というイメージは大多数の人にあるのではないでしょうか。実際、平成29年の日本看護協会による調査では、平成28年の看護職員就業者155万8340人のうち62.6%が病院に勤めているという結果が出ました。しかし、裏を返せばその他37.4%の看護師は病院以外の職場に勤めているということです。たとえば、病院の次に多かった就業場所は診療所で全体の20.6%でした。全体を見ると看護師の約4割が病院以外で働いているという数字は、世間のイメージに対して意外な結果であったといえるでしょう。
企業に雇われる看護師の主な業務は、社員の健康相談や急病とケガの応急処置、健康診断の補助です。中には、メンタルカウンセリングを行っている場合もあります。企業での勤務は、特にデスクワークや決まった作業をこなすのが得意な看護師に向いているでしょう。
1.変則勤務がない
企業で働く看護師には基本的に変則勤務がありません。土日祝日の休みが多いため、家族や友人と予定を合わせやすいでしょう。残業が少ないうえに夜勤もなく、看護師としての働きやすさは抜群といえます。
2.命に関わる業務の少なさ
業務で複雑な医療行為をすることはなく、患者さんの命の危機に直面することもほとんどないため精神的な負担が少ないのも魅力の一つです。医療行為のプレッシャーに弱いという方にも向いているでしょう。
3.出会いがある
健康診断やカウンセリングを通して、企業の社員と仲良くなれるケースもあります。うまくいけば、社内恋愛に発展する可能性もあるでしょう。
1.PC作業や事務手続きが多い
企業では書類や文書の作成が多く、病棟勤務と異なる業務内容に戸惑うことがあります。単純作業の続くデスクワークがつまらないと感じる方には、業務が苦痛になる場合があるでしょう。
2.看護経験が活かせない
今まで培った病棟の経験や技術はあまり役に立ちません。一方で、企業勤務から病院などの医療現場へ戻る際には、知識と技術の面に不安を覚える可能性があります。
介護に関わる職場を希望するのであれば、老人保健施設や特別養護老人ホーム、グループホームなどの施設が転職の選択肢としてあげられます。主な仕事は、入所者の健康管理、点滴や投薬などの医療行為、緊急時の対応です。介護の現場では、特に高齢者との密なコミュニケーションが必要とされるため、人と関わるのが好き、社会福祉に興味がある、季節行事が好きという方に向いているでしょう。
1.役割分担がされている
高齢者施設は介護士と看護師の役割分担がされているため、看護業務に専念しやすい環境です。他職種とのカンファレンスも活発なので、看護師の視点で活躍できるでしょう。
2.信頼関係が築きやすい
高齢者施設は入所者と長い付き合いになります。毎日関わる中で、お互いに親近感が生まれやすいでしょう。ゆっくり時間をかけて看護したい人にもおすすめです。
3.年中行事やイベントを楽しめる
普段からオリエンテーションを取り入れている施設は、明るく活気があります。正月のお餅つきや夏祭りなど、季節を感じるイベントも仕事の楽しみになるでしょう。
1.少数派の立場
一般的に高齢者施設では、看護師よりも介護スタッフの人数が多いです。似たような業務を行っていても、介護スタッフと看護師とでは異なる視点で利用者に接しています。そのため、時には意見が食い違うことも。少数派であるがゆえに、看護師の思いは伝わりにくかったり、意見が通りにくかったりする場合があるようです。
2.オンコール対応がある
夜勤に対応するのは基本的に介護スタッフですが、緊急時は看護師に連絡が入ります。必要があれば出勤することもあり、オンコール当番日は気が休まりません。
3.精神的に辛いことが多い
身体機能も認知能力も低下していく高齢者は、病気や老化により徐々に動けなくなることがあります。場合によっては、自分が何をしているのかも分からなくなり無反応になってしまう方も…。反応がない相手だからこそ、悲しさや虚しさを感じることも少なくありません。
在宅看護の重要性が高まっている近年、訪問看護や訪問入浴も看護師にとって注目したい職場です。看護師は自宅で生活している利用者のお宅へ伺い、健康管理や生活介助、医療行為を行います。在宅医療や家族看護に興味がある、毎日同じ業務はしたくないといった看護師に適した職場といえるでしょう。
1.寄り添った看護を展開できる
利用者の意見を尊重した援助が可能で、自分の行った看護が与える影響を直に感じることができます。家族へのサポートも行いやすいでしょう。
2.単独行動が多い
移動中やステーション内でも、ほかの看護師と関わることが少ないでしょう。そのため、人間関係に悩むことが少なくなり穏やかに職務が行えます。
3.毎日が新鮮
毎日違うお宅に訪問するので、同じことの繰り返しに疲弊するようなことはありません。常に新しい気持ちで仕事ができます。
1.急変時の対応は過酷
急変があるとバイタル測定や救命処置、救急車要請、家族や主治医への報告などを1人で対応する過酷な状況になります。
2.精神的にキツい
相性にもよりますが、担当をほかの看護師に変えるようクレームが入ることがあります。また、夜間・休日のオンコールや緊急対応があると充分な休息がとれない日もあるでしょう。
3.忘れ物をすると大変
限られた時間にすべての業務を終わらせなければならないので、予想外の事態が起こるとバタバタしてしまいます。訪問先に行くときや帰るときに忘れ物をしないよう細心の注意が必要です。
幼稚園や保育園など、学校で子どもを相手に活躍している看護師の職業といえば、養護教諭です。子どもの体調不良やけがへの対応、不登校児のサポートやカウンセリングが主な業務となります。子どもが好き、夜勤ができないといった看護師に向いている職場といえるでしょう。ただし、養護教諭になるには養護教諭の免許が必要です。
1.落ち着いて仕事ができる
たくさんの業務を抱えることがないので、時間に追われることなく自分のペースで仕事ができます。
2.体力を使わない
勤務時間の多くを保健室で過ごすため、病院勤務の看護師に比べ体力の消耗が少ないでしょう。身体的介助をすることもほとんどありません。
3.学校行事など一緒に楽しめる
運動会や学園祭など、学校全体が盛り上がるイベントは楽しみの一つです。宿泊研修や修学旅行にも同行でき、仕事をしながらお出かけ気分も味わえます。
4.プライベートが確保できる
残業は少なからずありますが、夜勤はありません。養護教諭はクラス担任や部活の顧問を受け持つことも少なく、基本的に土日祝日の休みが取りやすいです。
1.責任が重い
骨折をはじめとする大きな事故や、給食によるアナフィラキシーショックへの対応など、緊急時の応急処置は自分で判断しなければなりません。
2.子どもの学校行事に参加できない可能性
行事はどの学校も同じような時期に行われます。自分の子どもの行事予定が勤務先の学校と重なってしまうと、勤務を優先しなければいけなくなるでしょう。
3.子どもの問題が複雑化している
多感な子どもたちの精神的サポートは簡単ではありません。子どもを取り巻く環境が複雑化している現代では、いじめやSNS被害などの解決が非常に難しくなっています。
上記で挙げた職場に比べて求人数は多くないものの、ほかにもさまざまな看護師の働き方があります。ここでは、それらの職業や職場の仕事内容とメリット・デメリットを知りましょう。
治験コーディネーターは、治験内容や薬の説明、データ管理といった治験のサポートを行います。治験コーディネーターのメリットは、夜勤がなく土日に休みやすい点や福利厚生が整っているケースが多い点などです。一方デメリットは、看護業務に携われないことや担当施設が選べないこと、薬に関して学ばなければならない知識があることなどが挙げられます。
ツアーナースとは、学校や会社の旅行などに同行する看護師を指します。ツアーナースのメリットは日常から離れてさまざまな場所に行けることや、その土地ならではの経験ができるという点です。しかし、看護師の付き添いは基本1人のため業務に重い責任が伴うことと、単発アルバイトが多く収入が安定しないことはデメリットといえるでしょう。
健診センターで働く看護師の仕事は、健診の補助や外来業務です。巡回健診の場合は、医師と看護師が会社や学校に赴いて健診を行います。メリットは仕事が日勤のみ、ブランクがあっても復帰しやすい、アルバイトや派遣としてでも勤務が可能という点です。デメリットには給料の安さや、休みのとりづらさが挙げられます。
イベントナースとは、大会やイベントを行う会場の医務室で待機し、急病人やけが人が訪れたときに処置をする看護師を指します。イベントナースは日常とは違う環境で働けることや、待機中の自由時間が多いことが主なメリットです。ただし、単発の仕事がほとんどのため収入が安定しないことと、長時間労働の場合もありしっかり体調管理を行わなければならないことがデメリットとしてあります。
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