一般的に看護師という仕事からイメージされるのは、医療に従事するという「やりがい」や「安定性」が強いのではないでしょうか。しかし一方で、専門性の高さゆえに求められることが多く、非常に厳しい職場であることも事実です。そのため、看護師が転職を考えるケースは少なくありません。
厚生労働省が発表する「看護職員就業状況等実態調査結果」によると、看護師としての通算就業年数でもっとも多いのは「5年~10年未満」という層。全体の19.3%という割合が調査結果として出ています。なお、その次が全体の18.1%を占める「5年未満」で、逆に20年以上・30年以上と就業しているのは各10%という割合です。全体の4割近くが10年未満で転職していることを考えると、決して離職率が低いとはいえません。また、現在看護師でない人の約6割が「就業年数10年未満」という結果も出ています。
<看護師が転職を考える原因>
では、いったいどんな理由で職場を離れてしまうのでしょうか。転職の具体的な理由は、大まかに以下のような内容です。
・人間関係における困難が大きい
・看護師の他に興味のある仕事があった
・ハードな勤務体系が自分に合わない、夜勤の負担が大きい
・育児や家事との両立が難しい
・看護師としての責任の重さを心苦しく思うようになった
どのような仕事にも当てはまることですが、転職の原因は上記のようにさまざまです。ただし全体を通していえるのは、その背景に「ストレス」が垣間見えるということ。看護師という仕事そのものの難しさが根底となって、転職したいという気持ちが出てくるケースも少なくないでしょう。
例えば人間関係や働き方のような理由なら、看護師という仕事は辞めずとも、就業先や病院の種類を変えることによって解決できます。ただし「看護師」という立場に違和感がある場合は、全く別の業界に飛び込むことも視野に入れなくてはいけません。
看護師の多くは仕事に魅力を感じ、強い志を持って働いていることでしょう。苦労を重ねながらも、生涯続けていく覚悟で看護師になった人が多いはずです。それならば、やはり医療の業界で看護師として転職するのが得策でしょう。では看護師として転職するのに、いったいどのような方法があるのでしょうか。
<求人サイトや人材紹介会社に登録する>
どの職種においても、もっともポピュラーなのが求人サイトや人材紹介会社の活用です。しかしこの方法で職場を探す場合、いくつか注意すべき点があります。
例えば求人サイトから応募を考えているのであれば、募集要項はとにかく隅から隅まで確認すること。各種手当を含んで計算された基本給なのか、記載されている休日の表記と自分の認識に相違がないか、申し送りの時間を考慮したシフト設定になっているかなど。少しでも疑問がある際には、必ず応募時などに問い合わせしてみましょう。
中には求人情報に、その病院で働くメリットが記載されているケースもあります。その際には、内容に具体性があるのかをじっくりと考えることが必須です。スキルアップを目指す人なら教育体制、働き方を重視する人なら平均の残業時間や有給の取得率など、自分のキャリアプランに合った環境であるかをしっかりと見極めてください。
また、人材紹介会社のサポートを受けるのであれば、その登録先の対応に注目しましょう。まずは、こちらの希望条件がきちんと相談できるかが大切です。基本的に人材紹介会社は人手を求めており、中にはこちらが意図しない就業先を紹介されることもあります。あまりにもレスポンスが早い、問い合わせ時の対応が気にかかるといった際は、他の人材紹介会社を探した方が良いかもしれません。
<知人に紹介してもらう>
看護学校時代の同級生や恩師、現在の職場で先に転職した先輩・同期などを頼るのも1つの手です。信頼のおける仲間からの情報が最も正確なので、その人がいる職場の様子を聞いてみたり、求人情報を確認してみたりするのも良いでしょう。
<ハローワークを活用する>
ハローワークで取り扱っている案件には、「地元に密着している」という大きな特長があります。そのため、地域で厚い信頼を得ている病院を探すには最適な方法です。また、病院以外にも法務省による更生施設や役所などの母子保健課・高齢者支援課、市区町村管轄の社会福祉施設など、行政機関で働く看護職の募集も見られます。医療現場から少し離れたい人にとっても、非常に有効な情報を得ることが可能な場です。
求人サイトから見つけた、人材紹介会社や知人に紹介してもらったなど、いずれも自分自身の目で確かめた情報ではありません。そのため、良さそうだと思える求人に巡り合ったら、できるだけ事前に職場見学をしておくと良いでしょう。施設の設備や規模感、実際に働いている職員たちの様子、患者様との接し方など。実際に目にした情報から、本当に自分に合った環境であるのかをチェックしてください。
もし求人サイトで職場を探しているなら、その募集情報の中に「見学可」と記載していることがあります。その際には、遠慮せず積極的に申込みましょう。また、明確な情報はなくとも、希望すれば見学できるところは少なくありません。そのため、自ら問い合わせて見学の許可をもらう方法も頭に入れておいてください。なお、ホームページ上だけで見学依頼を受け付けているケースもあるため、候補である就業先のホームページは必ず見ておきましょう。
看護師が活躍している場所は、病院だけではありません。その一例を以下にご紹介しておきます。
<訪問看護ステーション>
通院することが難しい患者様に、在宅での医療サービスを行なっている事業所です。患者様のご自宅を医師と共に訪問し、処置を行ないます。地域医療に興味のある人は、この訪問看護師という道も検討してみましょう。
<介護などの福祉施設>
介護老人保健施設やデイサービス、老人ホームなどの他、各種福祉施設を利用されている方の健康管理を担当する看護職があります。主にバイタルチェックや健康に関する指導などを通し、その利用者様たちをサポートする仕事です。基本的に日勤のみのシフトなので、体力面を考えて転職する人に最適だといえます。
<保育園>
園児や職員の健康管理、適切な衛生状態の確保、健診の補助、保健指導といった業務をメインに行なう看護職です。また、場合によって職員の補助として保育に参加することもあるでしょう。子どもとの触れ合いを楽しみながら働くことができ、心機一転するにはおすすめの職場です。
このように、看護師の資格を活かして仕事ができる場所はたくさんあります。また、医療の現場という厳しい環境で働いてきた中では、別職種でも通用するスキルが多く身についているでしょう。たとえ看護師の仕事しかしたことがなくても、異業界に飛び込んでみるのは見当違いではありません。もちろん求人の中には、未経験からでもチャレンジできる仕事がたくさんあります。自分がどのように働き、どんなキャリアを歩んでいきたいのかを考え、転職を進めてみてください。
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