准看護師はどんな資格?看護師へのスキルアップも目指せる!

2020.2.18

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准看護師という資格は、正看護師と何が違うのでしょうか。両者の業務内容は同じですが「自分の判断で動けるかどうか」が一番の違いです。また、准看護師と正看護師では資格取得の方法も異なります。裁量や給料などの差はありますが、正看護師よりも早く資格が取れ、早く看護業務に携われるといったメリットがあるのも大きな特徴。本コラムでは准看護師の概要について解説しますので、ご自分のキャリアの参考にしてみてください。

准看護師の仕事とは

准看護師は、業務範囲は正看護師と同じです。しかし、いくつかの細かい違いがあり、それによって業務に制限があります。

正看護師との3つの違い

1. 免許の発行元が違う
まず、正看護師と准看護師はそれぞれ免許の発行元が違います。正看護師は厚生労働大臣発行の免許=国家資格であるのに対し、准看護師は都道府県知事発行の免許です。

2. 自分の判断で業務を行えるかどうかが違う
この2つの業務の範囲に差はありませんが、正看護師は指示なくして自分の判断で動ける一方、准看護師は「医師・歯科医師または看護師の指示のもと」に動くと法律で定められています(「保健師助産師看護師法第6条」)。

3. 履修時間、実習時間、学歴の要件が違う
また、必要な履修時間、実習時間がそれぞれ違います。
・履修時間:正看護師…3,000時間以上、准看護師…1,890時間以上
・実習時間:正看護師…1,035時間以上、准看護師…735時間以上
・課程:正看護師…3年課程、准看護師…2年課程
・学歴要件:正看護師…高校卒業以上、准看護師…中学校卒業以上

准看護師の方が学歴要件が緩やかで、履修・実習時間が少ないのが特徴です。

准看護師の3つのメリット

准看護師の主なメリットとしては、
1. 資格を取るまでが正看護師よりも短いので、その分学費がかからず、早く看護職につける
2. 働きながら資格取得ができる
3. 同年に何回も受験できる
が挙げられます。

次の項目から、准看護師の資格について詳しく見ていきましょう。

 
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准看護師資格を取るためには

准看護師になるには、2つのルートがあり、中には働きながら目指せるコースもあります。

中学卒業後に准看護師養成所(2年)、高等学校衛生科(2年)に行き、試験を受ける

一番最短でなれるルートです。准看護師養成所は全国にあり、医師会で設立されたものが多いです。

1. 入学要件、試験
入学の要件は中学校卒業です。試験はそれぞれの自治体により異なりますが、国語・作文・数学・理科・社会・英語から2、3科目出題されます。

2. 准看護師養成所のカリキュラム
全日制:朝~夕方まで授業が行われます。授業は週3日~5日で、学校によって異なります。
半日制:午後~夜間に授業が行われます。週5日の授業の所が多い傾向です。午前中は医療機関で看護助手として働きながら、資格を取ることもできます。志望する場合は、無理なく通えるかどうか時間割を確認しておきましょう。
どちらも2年生のときに、病院での看護実習があります。

3. 奨学金
奨学金にはいくつかの種類があり、それぞれ付与条件が異なります。

自治体の付与する奨学金

准看護師養成所に通う人を対象とした奨学金があり、毎月の授業料程度の金額が付与されます。卒業後、指定された病院で一定期間勤務すると、返済が免除されます。

病院に付属する学校の付与する奨学金

病院によってそれぞれ制度が異なります。卒業後、一定期間その病院で勤務することが条件のものと、特に条件を設けていないものとがあります。受ける際には、付与条件や返済免除条件をよく確認しましょう。

日本学生支援機構の付与する奨学金

卒業後、返還が必要ですが、他の奨学金と同時に受けられる場合があります。

高校卒業後に看護大学、短大、専門学校に行き、試験を受ける

高校卒業後、看護大学・短大・専門学校に進学し、准看護師の試験を受ける方法です。

准看護師試験について

准看護師試験は都道府県の管轄なので、各都道府県によって詳細は異なりますが、大体同じ時期に実施されます。

受験時期

准看護師試験は年1回、2月中旬~下旬に行われます。
試験日が各都道府県によって異なるため、複数回の受験が可能です。

出題内容

試験の出題内容、難易度は各都道府県によって異なりますが、一例として令和元年度の東京都准看護師試験科目をご紹介します。

・人体の仕組みと働き
・食生活と栄養
・薬物と看護
・疾病の成り立ち
・感染と予防
・看護と倫理
・患者の心理
・保健医療福祉の仕組み
・看護と法律
・基礎看護
・成人看護
・老年看護
・母子看護及び精神看護

出典:東京都福祉保健局 令和元年度東京都准看護師試験受験要項

受験者数・合格率

・受験者数:17,449人(うち准看護師養成所の受験者数:9,485人)
・合格率:96.9%(うち准看護師養成所の合格率:97.2%)

出典:厚生労働省 平成30年度准看護師試験実施情報

准看護師が活躍している場所

准看護師の職場には色々な施設がありますが、正看護師に比べると求人は少なく、募集している職場に偏りがあるのが特徴です。看護配置基準や、医療の高度化により、正看護師の求められる人数が増加していることが挙げられます。
大学病院や国立病院といった現場では正看護師が求められるため、求人はほとんどありませんが、正看護師不足を受け、介護施設の現場でのニーズが増えてきています。

准看護師から正看護師へキャリアアップするには

准看護師の資格を取り、ある程度の実務経験を積むと、看護師養成所に通うことで正看護師への道が拓けてきます。しかし、看護学校のカリキュラムにより要件が変わってくるので、注意しましょう。

全日制(2年)

最終学歴が高校卒業の場合、准看護師としての実務経験がなくてもすぐに進学できます。一方、最終学歴が中学卒業の場合は、准看護師として3年以上の実務経験が必要です。

定時制(3年)

全日制と同じように、最終学歴が中学卒業の場合は、3年以上の実務経験が必要です。3年次は実習がメインとなります。

通信制(2年)

通信制では、7年以上の実務経験が必要です。通信制は通信教材による学習、病院での見学実習、登校による授業、事例の検討などが主なカリキュラムです。また、放送大学で該当する分野を受講すると、必要単位として認められる場合があります。

看護学校の学費は、准看護師養成所のように給付金や奨学金を活用できる場合もあります。そのため、情報や要件をよくチェックしておきましょう。

准看護師の今後の展望

正看護師と同じ業務範囲でありながら、自分の判断で業務を行わない准看護師。准看護師としての仕事は今後、どのようなニーズがあるのでしょうか。

准看護師の人数は減りつつある?

准看護師の資格は、現在正看護師との一本化が進んでいます。以前は看護学校に通える人が今より少なく、現場のニーズと比べても圧倒的に看護師が不足していたため、看護学校に通わなくとも看護師の業務ができる資格として生まれたのがきっかけです。
現在のように、最初から正看護師を目指す人が多くなり、高度医療への対応や看護配置基準の設定を受けて正看護師のニーズがより高まっている今、准看護師の資格を廃止しようとする動きが出ています。
そのため、准看護師の求人や人数は年々減りつつある傾向にあると言えるでしょう。

また、准看護師は業務内容は看護師と同じにも関わらず、制限のある資格なので、正看護師の資格に比べ、給与や役職の面で不利という現状があります。よって、准看護師のメリットを勘案しながら、自分の働き方を模索するのが良いでしょう。

准看護師として充実して働ける職場を見つけよう

正看護師との一本化が進んでいるとはいえ、未だに准看護師としての求人もあります。そのため、早く資格を取って働き始められるというメリットを活かし、まず准看護師の資格を取るのも良い方法です。しばらくキャリアを積んでから、正看護師へのステップアップもできます。そのためにも、まず准看護師としてキャリアを積める職場を探してみましょう。
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